牌が繋げるもの
夢小説設定
「ツモ」
「くっ…またか!」
「これで12戦12勝、俺の勝ちだな。雲雀」
ある部屋の一室、雲雀とその幼馴染の雷騎は麻雀をしていた。
麻雀界で雲雀は「全てを掌握する者」と異名がつく程、とにかく強かった。
雷騎が雲雀の前に再び現れるまでは。
10年前、それは起こった。
『ひっぐ…お、お兄ちゃん…』
『麻姫!?お前どうしたんだ!?』
泣きながら雷騎の家にやって来たのは雲雀の妹の麻姫だった。
彼女も幼馴染の一人。
雷騎の事を「お兄ちゃん」と呼ぶのは、麻姫曰く姉の雲雀と同い年だからだそうだ。
『怪我…じゃないよな。何があった?』
『お姉ちゃ…お姉ちゃんが……出て行っ、ちゃった…』
聞けば姉妹は遊びで一局打っていたようだった。
雲雀は何も知らない麻姫にやり方を教え、実際に打っていた。
偶然とは言え、そこで麻姫は最強の役とも言える【国士無双】を出してしまう。
そんな時、側にあったあがり牌の一筒 が黒い影を放ち、麻姫に忍び寄る。
危険を感じた雲雀は麻姫を庇って影に当たった後は人が変わり、麻姫に冷たく当たるようになった。
その後、家族にも妹にも何も言わずに家を飛び出した。
『麻姫、その一筒は?割れてるけど…』
『も、もう半分は…ひっく…わからない…』
麻姫の手に握られていたのは真っ二つに割れた一筒が。
まるで龍にでも噛み砕かれたように形が歪になっていた。
後にわかった事だが、その一筒には邪気が封じられていた。
妹を庇った姉は自我を失い、誰かを傷つけてしまう前に家を飛び出したのだろう。
だってその邪気は…今雲雀の右腕に宿ってしまっているのだから。
幼い頃、雷騎は麻姫に言った。
『今は行けないけど、いつか必ず俺が雲雀を見つけて連れて帰るから』
.
「くっ…またか!」
「これで12戦12勝、俺の勝ちだな。雲雀」
ある部屋の一室、雲雀とその幼馴染の雷騎は麻雀をしていた。
麻雀界で雲雀は「全てを掌握する者」と異名がつく程、とにかく強かった。
雷騎が雲雀の前に再び現れるまでは。
10年前、それは起こった。
『ひっぐ…お、お兄ちゃん…』
『麻姫!?お前どうしたんだ!?』
泣きながら雷騎の家にやって来たのは雲雀の妹の麻姫だった。
彼女も幼馴染の一人。
雷騎の事を「お兄ちゃん」と呼ぶのは、麻姫曰く姉の雲雀と同い年だからだそうだ。
『怪我…じゃないよな。何があった?』
『お姉ちゃ…お姉ちゃんが……出て行っ、ちゃった…』
聞けば姉妹は遊びで一局打っていたようだった。
雲雀は何も知らない麻姫にやり方を教え、実際に打っていた。
偶然とは言え、そこで麻姫は最強の役とも言える【国士無双】を出してしまう。
そんな時、側にあったあがり牌の
危険を感じた雲雀は麻姫を庇って影に当たった後は人が変わり、麻姫に冷たく当たるようになった。
その後、家族にも妹にも何も言わずに家を飛び出した。
『麻姫、その一筒は?割れてるけど…』
『も、もう半分は…ひっく…わからない…』
麻姫の手に握られていたのは真っ二つに割れた一筒が。
まるで龍にでも噛み砕かれたように形が歪になっていた。
後にわかった事だが、その一筒には邪気が封じられていた。
妹を庇った姉は自我を失い、誰かを傷つけてしまう前に家を飛び出したのだろう。
だってその邪気は…今雲雀の右腕に宿ってしまっているのだから。
幼い頃、雷騎は麻姫に言った。
『今は行けないけど、いつか必ず俺が雲雀を見つけて連れて帰るから』
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