ご立腹彼女

そもそも何でこんなにお怒りなのカシンさん。
いつ、その第三の目が開眼してもおかしくないな。
ん…?
だが俺の行動に不満があるのだとしたら…
まさかな。
…いや、もしかしなくともあり得るのか?

「カシンさん、一ついいですか?」
「何だ」




「それって嫉妬で「黙れ」痛い痛い!!刺さってる!!爪が頬に食い込んでいるから!!」
「ふっふっふ…」
「い"っ!?」

あー、もう…ほら血が出ちゃったじゃないか。
そうだ、あいつらがいた。

「ほ、鬼灯!紫苑!どっちかいないか!?」

いたら助けてくれ!
何処かでこのやり取りを見ていると信じてるぞ俺は!




「なあ紫苑」
「何だ」
「あの中に入って行けると思うか?」
「…いや、どう考えても無理だろう」
「おおい!?」

柱の陰にいた二人と目が合った。
よく見ると顔が青褪めているようにも見える。
カシンに忠誠を誓っているから、もし俺とカシンの間に入ってしまえば恐ろしいお仕置きが待っている。
いや、俺がどうなろうと知った事ないってか?

「このような状況でも余所見とは…随分と余裕があるではないか」
「い、いやぁ…そんな……ねぇ?ははっ…は…」

こうなれば無理に治めるより彼女が納得するまで、されるがままになろう。
うん、きっとそれがいい。
……いつになる事やら…




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