「あっはは！やっぱ今回も圭ちゃんの負けだね」
「だぁああっ、またかよ！ズルいぞ魅音！」

いつもと変わらない部活。
だがそれはある人物が来てから変わってしまった。
前原圭一。
その人が来てから雷騎の様子がおかしくなっていった。

雷騎と魅音は幼馴染で両想い。
それは周りの人は知っている。
しかし圭一と魅音の二人が楽しそうにしている姿を見ると苛々する。

「……」

雷騎は思った。
もしかすると自分何かより圭一といる方がいいのではと。

「みぃ…最近の雷騎は何だか暗いのですよ」

それとここの所、この子が話しかけて来る事が多い。
古手梨花。
彼女は不思議な存在だ。

「…梨花」
「怖がりな猫さんは誰かに相談した方がいいですよ」

怖がりな猫、か…









梨花は思っていた。
ほんの少しだけでも雷騎が心の中を打ち明ける事が出来れば、この世界は救われると。
だが。

「…何でもねぇよ」
「……そう」

結局は…何も…




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