「ねぇ」
「何だ？」
「これって…罰ゲーム？」
「そうだが」

1位になったものの、結局は罰と言う罰なんて物が思い浮かばなかった雷騎。
そこで雷騎が言ったのが「今日、魅音の家に泊らせろ」だった。
そこは園崎家と長い付き合いのある雷騎だから出来た事。
普通の人ならば、まず無理だ。

「けど、今日は俺が勝ったんだから1日俺の言いなりである事に違いはないぞ」
「…変な事したらいくら私でも怒るよ」
「するか」

魅音は不思議だ。
自分の事を「おじさん」って言ったり「私」って言ったり。
悪ふざけが過ぎる事もある。
しかし根は悪い子ではない。
それは長年いるとわかる事だ。
家柄がどうだの、しきたりがどうだのと大変な事もある。
けど、お互いそれは乗り越えてきた。




そうこうして就寝時間。
魅音が雷騎の寝る部屋を案内した後、まさかの言葉がかけられる。

「ここで寝ろ」
「…………ええっ！？」
「声大きい」
「う、あ…でも、な、なな…」

何で、と言葉が紡がれる前に雷騎は口の端を上げる。

「罰ゲーム」
「こんなとこで使うなんて卑怯だよ…」

そう言われてしまえば断れない。
しかし余程恥ずかしいのか布団に入って来る動作が遅い。

「何もしないから安心しろよ」
「う、うん…」

魅音が入りやすいようにスペースを開ければそこに入ってくる。

「おやすみ」
「お、おやすみ…」




.