戻らない時間
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「…何言ってんの雷騎。魅音はほら、目の前にいるでしょ」
「違うな。お前は詩音だ。俺のよく知ってる…詩音だ」
雷騎は目の前の人物を見据えていた。
この時、当然詩音は感じた。
なぜ!?なぜだ!?
この男はなぜ私を詩音だと見抜いた!?
いや、本来は私が本当の魅音なのだが、確かに詩音としていた時間は長い。
…どこでミスをした?
しかし…この男は…なぜ…
どうして!?
「ははっ…あっはは…!いやぁ、参りました。さすがですね雷騎。いつから気付いてました?」
まだだ。
まだこの男は全部を知っているとは限らない。
「…本当は最初から、と言いたいが…お前らの事は例の入れ代わりの頃から知ってるよ」
例の入れ代わり。
それは【魅音】と【詩音】を決定的に分けるきっかけとなった背中の刺繍の事だった。
雷騎は今の詩音が本当の魅音だと訴えている時、一緒になって大人達に言って回れるぐらい二人の見分けが出来ていた。
しかし、結局は彼女らの両親でさえ信じてもらえないまま今に至る。
「魅音…いや、詩音は無事なのか?」
今でも雷騎は二人の違いをわかっていた。
ここまで来れば、もはや完敗だった。
「……」
「おい、何とか言えよ!」
「詩音は地下にいます」
今までと違う声色だった。
いや、それよりも雷騎は言われた言葉に顔が青褪めた。
「地下って…まさかお前!」
「まだ死んでないと思います」
「っ…冗談でもそんな事言うなよ」
「もう引き返せないんです」
そこには雷騎の知る昔の魅音はいなかった。
.
「違うな。お前は詩音だ。俺のよく知ってる…詩音だ」
雷騎は目の前の人物を見据えていた。
この時、当然詩音は感じた。
なぜ!?なぜだ!?
この男はなぜ私を詩音だと見抜いた!?
いや、本来は私が本当の魅音なのだが、確かに詩音としていた時間は長い。
…どこでミスをした?
しかし…この男は…なぜ…
どうして!?
「ははっ…あっはは…!いやぁ、参りました。さすがですね雷騎。いつから気付いてました?」
まだだ。
まだこの男は全部を知っているとは限らない。
「…本当は最初から、と言いたいが…お前らの事は例の入れ代わりの頃から知ってるよ」
例の入れ代わり。
それは【魅音】と【詩音】を決定的に分けるきっかけとなった背中の刺繍の事だった。
雷騎は今の詩音が本当の魅音だと訴えている時、一緒になって大人達に言って回れるぐらい二人の見分けが出来ていた。
しかし、結局は彼女らの両親でさえ信じてもらえないまま今に至る。
「魅音…いや、詩音は無事なのか?」
今でも雷騎は二人の違いをわかっていた。
ここまで来れば、もはや完敗だった。
「……」
「おい、何とか言えよ!」
「詩音は地下にいます」
今までと違う声色だった。
いや、それよりも雷騎は言われた言葉に顔が青褪めた。
「地下って…まさかお前!」
「まだ死んでないと思います」
「っ…冗談でもそんな事言うなよ」
「もう引き返せないんです」
そこには雷騎の知る昔の魅音はいなかった。
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