いっそ手に入らぬなら
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「急に呼び出してどうし…」
「魅音」
抱き締める。
いきなりの行動に魅音はどうしていいのかわからず固まっていた。
「なっ…え…」
「俺さ、気付いたんだ。結局は自分から動かないと何も変わらないんだなって。だから」
背中に回していた片手を頭まで移動させる。
そして。
グイッ
「っ!?」
髪を引っ張った。
一瞬何をされたのか理解出来なかった魅音は雷騎を見て血の気が引いた。
今まで一度も見たことのない歪んだ顔と、すぐ目の前には鋭いナイフ。
「なあ魅音…戻って来いよ」
「な、にを…雷騎、こんなのやめてよ…!何で…!?」
「何でって?お前、自分でしといてわかってなかったのか」
「だから、何の事か私……いっ!?」
掴まれている髪を更に強く引っ張られる。
「…………もういいよ」
床に倒れている魅音を見下ろす。
痛い、やめて。
抵抗する魅音を無視した結果がこれだ。
「ははっ…やった……やったなぁ、魅音!」
これでもうお前は俺のもんだ。
あの圭一から奪ってやったんだ。
「あはっ、ははは…はははははっ!!」
返り血を浴びて高らかに笑う。
「なあ魅音、お前をこうして見ると…綺麗だよ」
血溜まりの中で動く様子のない魅音に言う。
「あー…何か疲れたな。でも…これで…」
ナイフを投げ捨て壁に寄り掛かり座る。
そこでふと気付く。
何だか喉が痒い。
さっきまでそれに気が付かなかったのは、魅音がそこに"いた"からだろうか。
…それにしても痒い。
血で汚れている手を喉に持って行く。
ガリ…
ガリ…
ガリ…
ガリ…
もう自分の血なのか魅音の血なのかわからなくなってきた。
なあ魅音。
これでよかったんだよな。
NEXT:あとがき
「魅音」
抱き締める。
いきなりの行動に魅音はどうしていいのかわからず固まっていた。
「なっ…え…」
「俺さ、気付いたんだ。結局は自分から動かないと何も変わらないんだなって。だから」
背中に回していた片手を頭まで移動させる。
そして。
グイッ
「っ!?」
髪を引っ張った。
一瞬何をされたのか理解出来なかった魅音は雷騎を見て血の気が引いた。
今まで一度も見たことのない歪んだ顔と、すぐ目の前には鋭いナイフ。
「なあ魅音…戻って来いよ」
「な、にを…雷騎、こんなのやめてよ…!何で…!?」
「何でって?お前、自分でしといてわかってなかったのか」
「だから、何の事か私……いっ!?」
掴まれている髪を更に強く引っ張られる。
「…………もういいよ」
床に倒れている魅音を見下ろす。
痛い、やめて。
抵抗する魅音を無視した結果がこれだ。
「ははっ…やった……やったなぁ、魅音!」
これでもうお前は俺のもんだ。
あの圭一から奪ってやったんだ。
「あはっ、ははは…はははははっ!!」
返り血を浴びて高らかに笑う。
「なあ魅音、お前をこうして見ると…綺麗だよ」
血溜まりの中で動く様子のない魅音に言う。
「あー…何か疲れたな。でも…これで…」
ナイフを投げ捨て壁に寄り掛かり座る。
そこでふと気付く。
何だか喉が痒い。
さっきまでそれに気が付かなかったのは、魅音がそこに"いた"からだろうか。
…それにしても痒い。
血で汚れている手を喉に持って行く。
ガリ…
ガリ…
ガリ…
ガリ…
もう自分の血なのか魅音の血なのかわからなくなってきた。
なあ魅音。
これでよかったんだよな。
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