華「今まで何処をほっつき歩いていたのかしら？」
「俺は将来、デカい器になるであろう曹操殿に仕える為に修行に出てたんだが？」

雷騎曰く、初めて華琳を見た時から何かを感じていた。
それが共に成長するに連れて更に強く感じていった。
春蘭と秋蘭は初めから華琳に仕えるつもりだったみたいだが、この時の雷騎はまだ将来が決まっていなかった。
三人を見ていると、このままではいられないと思い始めた。
"次の手合わせ"を予約していた姉妹には悪いが、変な言い回しをするより何も言わずに出て行ったほうが気を使わなくていいと思ったらしい。
そして今、敢えて真名の華琳ではなく曹操と呼んだのか。
曹操は曹操、華琳は華琳と捉えているからだ。
事実、"曹操"は"華琳"であり、"華琳"もまた"曹操"でもあるが、雷騎からすれば「公私混合しない」と言ったほうが正しいのかもしれない。

華「ふ…ふふ…」

静かに不気味に聞こえる小さな笑い。
それでいて何処か満足そうな華琳。

華「雷騎、貴方が初めてよ。真名を許しているにも関わらず、この私を曹操と呼ぶのは」
「俺の言いたい事はわかるよな？」
華「ええ。そして私の答えも…わかるわよね？」
「ああ」

膝を着いて両拳を自らの顔の前で合わせ、頭（こうべ）を垂れる。

「覇王・曹孟徳よ！長年待たせた罰としてこの俺雷騎を、命尽きるまで使ってくれるよう頼み申する！」
華「ええ。存分に使ってあげるわ」









(と言うわけで、まあ頼む)
秋(また兄者といられるとはな)
春(よし、雷騎兄！あの時の勝負を！)
華(あら、数刻前に春蘭は負けたんじゃなかったかしら？)
春(あ、あれは…！)
(俺とわからなかったから無効だな。いつでもいいぞ)
春(雷騎兄…)
秋(よかったな姉者)
華(…甘いわね)
(そう思うなら華琳も甘えたらどうだ？)
華(で、出来るわけないでしょ！？)




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