報告ついでに春蘭と秋蘭は雷騎を華琳の下へ連れて行く途中、廊下で霞と会った。
姉妹に軽く挨拶した後、霞の視線は赤く腫れた雷騎の頬にいく。

霞「何や兄ちゃん見慣れへん顔やな。それどないしたん？」
「名誉の負傷だ。ちょいとばかし春蘭から胸を当てられて…」
春「あ、あれは雷騎兄と会った勢いでだな…！そもそも私から当てたのではない！」
「当てただろうが」
春「だから！」

あーだこーだと言い合う二人に、唯一冷静な秋蘭に霞は話しかけた。

霞「もう真名許し合っとるんか？てか兄貴おったんかいな」
秋「その辺りは華琳様に報告を済ませてからでもいいか？あまり長くなると機嫌を損ねられる」
霞「それもそやな」

「ま、後で頼むわー」とその場を離れた霞。
秋蘭は未だ口論(？)をしている二人を止めて、引っ張る形で華琳のいる執務室へと向かった。




「まさか覇王なんて呼ばれるまで上り詰めたとは思わなかったな」
華「他に、何か、言う事が、あるでしょう？」
「(言葉区切られると怖ぇな！)」

現在、華琳の執務室には雷騎と二人しかいない。
理由は少し前に遡る。




秋『…以上が報告になります』
華『そう、ご苦労様』
春『それと華琳様、実は会っていただきたい方がいるのですが…』
華『ふーん…珍しいわね。私に会わせるに値する人物という事？』
秋『はい。では、お呼びします』




秋蘭の言葉で入ってきた雷騎を見るなり華琳は言葉を失った。
昔の面影を残した、まだ子供だった頃の雰囲気がそのままの雷騎。
しかし華琳の表情は険しく、二人は出るように指示して今に至る。




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