「…桂花」
「はい、華琳様」

華琳の執務室。
そこで書類を整理していた華琳が側にいた桂花に声を掛けた。

「貴方、私に何か隠してないかしら？」
「え！？」
「ふふ…」

これには桂花も驚いた。
そんな反応さえ、華琳は楽しんで見ていた。

「わ、私が華琳様に隠し事なんて恐れ多い…！」
「雷騎」

小さくある人物の名を告げると、ビクッと桂花の肩が跳ね上る。
まさか…

「あ、あの…華琳様……知って…？」
「ええ」
「…………」

その一言で頭に衝撃が走った。

「貴方達がこの私に隠し事なんてしたって、わかるに決まってるじゃない」

華琳が言うには、前に雷騎にも同じ質問をしたらしい。

『雷騎』
『はい、何でしょうか』
『桂花とはどういった仲なのかしら』
『あ、え……け、桂花…ですか？』
『そうよ。まさかそれで隠してる、何て言わないわよね』
『ま、まさか…そんな…隠す、何てねぇ…？』

「似たような反応で返ってくるもの」
「申し訳ございません…」
「付き合っていた事に対して？それとも隠していた事？」
「それは…」

どちらも、だった。
あの男嫌いの桂花が唯一付き合っている男、雷騎。
彼は華琳が許している、自身に仕える人物の一人。
この二人が付き合っている噂は、実は前から知っていたりする。
何故、今になって言うのか。
それは華琳にしかわからない。

「そうね。この私に隠していたのは事実。何か罰を与えないといけないわね」




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