母の偉大さ
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「母上、待って下さい!」
最近、戦事 がなく平和な蜀の国。
以前と違い街も賑わいを増す中、一人の男の子が人混みを掻き分けていた。
その先には男の子が母と呼んだ人物がいた。
そこには…
星「ん…ああ、すまん。先に行ってしまっていたか」
「いいえ、遅れた私が悪いのです」
ごめんなさい、と深くお辞儀をする男の子。
その姿に星は何も言わずに頭を撫でる。
男の子の名は雷騎。
実は雷騎は星の本当の子供ではない。
なら何故、星の事を母と呼ぶのか。
それは数日前に遡 る。
『見つけました!母上!』
星『…………は?』
いつもと変わりなく星は行きつけの酒屋に寄った時だった。
子供の声だけならまだしも、雷騎は星の足にしがみ付いてきたのだ。
店『趙雲様、いつの間にお子がいらして…?』
星『いや、勘違いしてもらっては困る。私は子をもうけた事はない』
本当の母親と間違っているのだろうと星は言うが、雷騎は離れようとしない。
星『よいか、私はお主の母ではない。よく見ろ』
ようやく離れたのはいいが、その目には涙が溢れていた。
『は、母上ぇ…』
星『だから…』
いい加減にと言おうと思った時、雷騎の口からとんでもない言葉が出た。
『私が馬車で寝ていたから置いて行ったのですか…?』
数刻前、門の前に見慣れない馬車があると兵から報告があって愛紗と翠が向かった。
中を確認した所、数少ない食料と布切れがあっただけ。
大した事はないだろうと判断し、この件は済んだ……筈だった。
星『(まさか…)』
星の考えでは、恐らく遠くから馬車を使ってやって来た雷騎と母親。
雷騎が眠っている間、何らかの理由で母親はいなくなった。
それも、ただその場を離れたのではなく。
星『(……捨てた、か)』
もし本当に離れただけならば、後からでも母親からの報告があってもおかしくはない。
しかしそれもなく、馬車の発見から数刻も経っている。
そして目覚めた雷騎はいなくなった母親を探し、そこに母によく似た星を見つけたのだろう。
星『自分の名は言えるか?』
『はい!雷騎です、母上』
星『それは真名…って、もうよいか』
母と言い切って真名を答えた子供に、これ以上違うとも言えなかった。
仕方なく、星は雷騎の情報を集める為にも一緒に城に戻る事にした。
しかしそこでも、星が小さな子供を連れて来た事で皆は驚く事になる。
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最近、
以前と違い街も賑わいを増す中、一人の男の子が人混みを掻き分けていた。
その先には男の子が母と呼んだ人物がいた。
そこには…
星「ん…ああ、すまん。先に行ってしまっていたか」
「いいえ、遅れた私が悪いのです」
ごめんなさい、と深くお辞儀をする男の子。
その姿に星は何も言わずに頭を撫でる。
男の子の名は雷騎。
実は雷騎は星の本当の子供ではない。
なら何故、星の事を母と呼ぶのか。
それは数日前に
『見つけました!母上!』
星『…………は?』
いつもと変わりなく星は行きつけの酒屋に寄った時だった。
子供の声だけならまだしも、雷騎は星の足にしがみ付いてきたのだ。
店『趙雲様、いつの間にお子がいらして…?』
星『いや、勘違いしてもらっては困る。私は子をもうけた事はない』
本当の母親と間違っているのだろうと星は言うが、雷騎は離れようとしない。
星『よいか、私はお主の母ではない。よく見ろ』
ようやく離れたのはいいが、その目には涙が溢れていた。
『は、母上ぇ…』
星『だから…』
いい加減にと言おうと思った時、雷騎の口からとんでもない言葉が出た。
『私が馬車で寝ていたから置いて行ったのですか…?』
数刻前、門の前に見慣れない馬車があると兵から報告があって愛紗と翠が向かった。
中を確認した所、数少ない食料と布切れがあっただけ。
大した事はないだろうと判断し、この件は済んだ……筈だった。
星『(まさか…)』
星の考えでは、恐らく遠くから馬車を使ってやって来た雷騎と母親。
雷騎が眠っている間、何らかの理由で母親はいなくなった。
それも、ただその場を離れたのではなく。
星『(……捨てた、か)』
もし本当に離れただけならば、後からでも母親からの報告があってもおかしくはない。
しかしそれもなく、馬車の発見から数刻も経っている。
そして目覚めた雷騎はいなくなった母親を探し、そこに母によく似た星を見つけたのだろう。
星『自分の名は言えるか?』
『はい!雷騎です、母上』
星『それは真名…って、もうよいか』
母と言い切って真名を答えた子供に、これ以上違うとも言えなかった。
仕方なく、星は雷騎の情報を集める為にも一緒に城に戻る事にした。
しかしそこでも、星が小さな子供を連れて来た事で皆は驚く事になる。
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