誰が為に
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「ぐっ……くうっ…!」
?「兄様!!もうやめて下さい!!何故そこまでして行こうとなさるのですか!!」
戦、それは逃れる事は叶わない。
ここに一人の男が傷だらけになって、どれだけの血を流しても。
それがこの国と民の事を想っても。
「蓮華、今は…一人でも多くの、ほうが…うっ…いいだろう…?」
蓮「で、ですがその傷では…!」
雪「どうしても行くつもりなの?」
「雪蓮……ああ、行くさ」
蓮華に支えられて戦場の入り口に立てば、雪蓮がそこにいた。
しかし顔は雷騎の方を向かず前を見ている。
雷騎は祭と同様古い将でありながら、この国を守って来た一人。
雪蓮達から見れば、良き兄であり世話係であった。
周りからも親しみもよく、誰からも慕われる存在。
その命が今、危機に扮していた。
雪「…言っても聞かないのね」
「お前達を戦場に出したままって…出来るわけないだろ」
雪「はあ…ホント、強情なのは一体誰に似たのかしらねぇ」
「堅様だろ…それ、に……雪蓮だって、そうだと思うけど…な」
雪「あら、言ったわね」
蓮「姉様!今はそれどころでは!」
焦る蓮華に雪蓮は「わかってる」と言うと兵達に進軍を伝える。
そして、そのまま先に行こうとする姉の後ろ姿に蓮華の表情が青褪める。
蓮「に、兄様の治療は…」
雪「……」
蓮「姉様!!」
雪「行くわよ」
連れて行かれる蓮華がまだ何か言っていた。
雪蓮だって辛いだろうに、無理をしているのはわかっている。
けど今回ばかりは…
「…冥琳」
冥「はい」
「……後は、頼む」
冥「…承った」
もっと言いたい事はある筈なのに、それ以上は何も言わず立ち去った。
そして隣に来た祭は小さく、雷騎にだけ聞こえるように言う。
祭「儂よりも先に逝くつもりか」
「祭……悪いな」
祭「っ…馬鹿者が!」
祭もわかっていた。
雷騎はそれ程長くない事を。
.
?「兄様!!もうやめて下さい!!何故そこまでして行こうとなさるのですか!!」
戦、それは逃れる事は叶わない。
ここに一人の男が傷だらけになって、どれだけの血を流しても。
それがこの国と民の事を想っても。
「蓮華、今は…一人でも多くの、ほうが…うっ…いいだろう…?」
蓮「で、ですがその傷では…!」
雪「どうしても行くつもりなの?」
「雪蓮……ああ、行くさ」
蓮華に支えられて戦場の入り口に立てば、雪蓮がそこにいた。
しかし顔は雷騎の方を向かず前を見ている。
雷騎は祭と同様古い将でありながら、この国を守って来た一人。
雪蓮達から見れば、良き兄であり世話係であった。
周りからも親しみもよく、誰からも慕われる存在。
その命が今、危機に扮していた。
雪「…言っても聞かないのね」
「お前達を戦場に出したままって…出来るわけないだろ」
雪「はあ…ホント、強情なのは一体誰に似たのかしらねぇ」
「堅様だろ…それ、に……雪蓮だって、そうだと思うけど…な」
雪「あら、言ったわね」
蓮「姉様!今はそれどころでは!」
焦る蓮華に雪蓮は「わかってる」と言うと兵達に進軍を伝える。
そして、そのまま先に行こうとする姉の後ろ姿に蓮華の表情が青褪める。
蓮「に、兄様の治療は…」
雪「……」
蓮「姉様!!」
雪「行くわよ」
連れて行かれる蓮華がまだ何か言っていた。
雪蓮だって辛いだろうに、無理をしているのはわかっている。
けど今回ばかりは…
「…冥琳」
冥「はい」
「……後は、頼む」
冥「…承った」
もっと言いたい事はある筈なのに、それ以上は何も言わず立ち去った。
そして隣に来た祭は小さく、雷騎にだけ聞こえるように言う。
祭「儂よりも先に逝くつもりか」
「祭……悪いな」
祭「っ…馬鹿者が!」
祭もわかっていた。
雷騎はそれ程長くない事を。
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