それから色々あった。
偽劉備と出会い、義勇軍を集って共に戦い。
程なくして本物の劉備達と悪をもたらす太平要術の書を封印すべく張三姉妹を追い。
于吉によって奪われた書を取り戻す為に更に追いかけ。




どれぐらいの年月が経ったのだろう。
全てが終わり、久し振りに鈴々の住んでいた小屋まで戻って来た。
ここから始まった物語。
出会える事のなかった本当の関羽。
愛紗、君は本当に恵まれていたんだね。
それをこんな俺が奪ってしまってごめん。

「雷騎君？どうしたの？」
「ああ…姉さん」

外で夜の月を見ていると小屋から劉備…桃香が出て来た。
彼女もまた、俺と鈴々と一緒に兄妹の契りを交わした。
いや、姉弟になるのか？この場合。

「早く入らないと風邪引いちゃうよ」
「そうだな。じゃあ入るか」
「あ、そうだ雷騎君！」
「ん？」
「今までありがと！」

いや、お礼を言わないといけないのはこっちだ。
本当にありがとう。
そして…




愛紗。

関羽として同じ立場にいる俺の中にいるのなら…

これからも見守っていてくれ。




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