改めて名乗ろう。
姓は関、名は羽、字は雲長、真名は雷騎。
原作通りと言っていいのかわかんないが、通り名は勿論【黒髪の山賊狩り】と言われるようになった。
この世界に来て将来そう呼ばれると思って、小さい頃に親に「髪を短くする」なんて言ったら断固反対された。
今となっては、長くなった髪は肩の位置で結んでいる。
まさかとは思ったが、どうやらアニメ沿いになるように仕組まれているようだ。

その証拠に張飛…鈴々と出会い義理の兄妹となり。
趙雲…星（後に預けられる）と共に公孫賛の言う山賊のアジトへ乗り込む際なんか。
荷物に紛れ込んでバレないように体を密着させれば、わざと甘い声を出すわセクハラ紛いな事はされるわで大変だった。




黄忠さんの娘さんを助け出し、別れの際には俺が鈴々の父親だと勘違いする。
義理の兄妹ですって言ったが、鈴々が「布団の中で契りを交わした仲なのだ！」何て言い出すと、それはもう大きな誤解を生む。
そういう行為は一度もない！
断じて！




しかし次が一番とも言える難関だった。
馬超が父親の敵だと曹操に斬りかかり、失敗に終わって捕まった。
自らの命を狙われた曹操は馬超を処刑すると言い、それを静止する為に曹操のいる天幕へ向かったが。

「一つだけ条件があるわ。私と一晩、閨を共になさい」

そらきた。
含みのある笑みをこちらに向けている。

「…何をふざけた事を」
「そう、あなたの判断一つで人一人の命が救える。これ以上にない条件だと思うのだけど？」

そもそも曹操って女好きじゃなかったか？
…聞いてみる。

「失礼だが曹操殿、貴方は女性を好むと聞いたのだが」
「あら、私がいつそんな事を言ったのかしら？」
「…噂で耳にしたもので」
「ふふ…私はね、欲しいのよ。その髪も…貴方自身も」

やはり美髪公の名は伊達じゃなかったって事か。
てか俺自身って。




結果、原作通り曹操を狙って襲いかかってきた暗殺者によって事なきを得た。
こんなとこで俺、喰われたくないし。




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