「いつも悪いな、愛紗」
「今更だろう。しかし、以前よりも腕は上がったな」
「そりゃあ、天下の武神・関羽殿に手合せしてもらってるからな」
「誇らしく言う事ではないだろう。それに鼻を高くするな。もっと力をつけろ」
「…厳しいこって」

雷騎自身だってわかっている。
今の愛紗に武で勝てるわけがない。
だからこそ、愛紗の忙しい合間にこうして鍛えてもらっている。
申し訳ない気持ちは勿論、その期待に応えたい。
…昔と違う自分の姿を見てもらいたい。

「？…どうした雷騎」
「愛紗、俺頑張るよ。頑張って強くなって、皆を…愛紗を守れるようになる」

いつになるかわからないけど、それまで付き合って。

「…ああ。待っている」
「よし！そうと決まったら鍛錬再開だな」
「もういいのか？」

立ち上がった雷騎が再び武器を手にする。

「ああ。例え愛紗が待っててくれても時間は待ってくれないだろ」
「……私は」
「ん？」
「いや…それよりも始めるぞ」
「よし！」

時間なんて関係ない。
要はその想いが叶うか叶わないか、なのだから。









（また同じ失敗をする）
（…さっきよりキツくないですか愛紗さん）
（当然だ）




END