翡翠の薔薇17
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##NAME1##を見た時に感じた今まで知らなかった不思議な気持ち
次に見たのはあの変な空間で倒れたところだったっけ…
人の死を目の前で見ているようで恐ろしかった
でもそれ以上に何か違う感情で胸が押し潰されそうだった
その時は人が死ぬ恐怖で苦しいんだとその感情を無視した
でも##NAME1##が起きて直接話すようになってからそのよくわからない感情は消えなかった
それどころかもっと胸を、心臓を押し潰すかのように苦しくなった
このまま心臓が潰されて死んでしまうんじゃないかと恐かった
でももっと話したい、もっと笑顔を見たい、もっと触れたい、もっと声を聞きたい、もっと##NAME1##の事を知りたい…そんな気持ちも強くなって胸を苦しくしていた
そんな苦しさをまた無視してこの変な空間にいる不安と恐怖のせいなんだと自分にむりやり言い聞かせていた
そうやって知らないフリを続けながら話していた
##NAME1##が思った以上によく騒いでうるさくてバカな発言するし予測不能な行動をする奇人だというのがわかってきた
黙れば美人なのにもったいないと何度思ったか…
でもそれは##NAME1##がわざとやっているのか知らないけど本当は物事を慎重に考えてから行動するし自分より他人を大切にする優しい人だ
そんな##NAME1##にもっと惹かれていった
だからあの時、護ってやるって決めたんだ…
親なんていない、そう話していた時の##NAME1##は冷たかった…
けどその中で一番強く感じた寂しさ
##NAME1##を苦しめている過去と傷付いた心を癒してあげたい、そう思ったのに…
冷たく突き放した
目すら合わせようとしなかった
自分の勝手な思い込みで大切な人を傷付けたんだ
なのに##NAME1##はそれは当然の事だと言って責めなかった
それが苦しかった
こんなに心の綺麗な人だったのかと思って罪悪感と愛しさが心臓を締めつけた
厚かましくもその時##NAME1##に助けを求めていたんだ
今度こそ護ってやろう
そう思った矢先に、##NAME1##は氷になった
何で氷になったのか、どうなっているのか、これはまたこの空間の作品のせいなのか
何一つ解からず、何もできず、ただ名前を呼んでうろたえた
苦しい中ずっと自分の名前を呼んでいたのに…
何もしてあげられなかった
そう、何もしていない
ギャ「………」
向かいの冷たい視線が心臓を押し潰そうとしている中で気付いた
ドクンッ
一度大きく心臓が痛いほどに鼓動を打った
息ができない
酸素を取り入れようとしても吸うことも吐くこともできない
だんだんと心臓は早鐘を打って酸素が欲しいと喚く
でも何もできない
…あぁ、##NAME1##はこんなに苦しかったのか
なのに自分は何もしなかった
苦しいのに傷つけただけなんだ…
それだけ
苦しいのに、酸素を欲しいともがいても息をする事すらできなかったのか
もうだめだ…
諦めて目を閉じた
すると、閉じた瞼の裏に浮かんだのはいたずらっ子のような笑顔の##NAME1##
心臓がもう一度大きく鼓動を打った
胸が苦しい
目が熱い
パンッ
心臓が破裂したような感覚
何もなくなったかのようにぽっかりと穴があいて胸の苦しさはなくなった
だけど、なんだろう
何か強い感情が込み上げてくる
まだ諦めない
そう強く覚悟した
ギャ「………」
ゆっくりと顔をあげたギャリーの眼を見てミランダは驚いた
つり上がっている目は怒りを宿していた
ギャ「…何も」
『……は?』
ずっとギャリーや##NAME1##困惑させていたミランダたっだが今度はミランダがぽかんと口を開けた
ギャ「何もしてない」
そう言葉を吐き捨て紅茶を飲むギャリー
何か吹っ切れたように感じた
ギャ「だからこれからやってやるよ」
そう言って席を立つと階段の方へ向かう
『………待ちなさい』
階段の一歩前で足を止めて首だけ振り向くギャリー
『何をしてやるんだ?』
ギャ「##NAME1##を護る
今までそう強く思っていただけった…だから何もしてやれなかった
だけど今は覚悟を決めたんだ
あのふざけたピエロをぶん殴って##NAME1##に近づけさせねえ
この変なところから出てもずっと護ってやるんだ」
睨みつけてくるその眼を見てミランダは微笑んだ
『…それならこれを持って行きなさい』
ミランダは何かを投げた
咄嗟にそれをキャッチし見てみるとそれは爪くらいの大きさの小さな鍵だった
ギャ「…なんだコレ?」
『必要な時に動いてくれるわ、私の魔力を込めたものよ』
ギャ「………そうか」
短く返事をしてギャリーは階段を降りて行った
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