翡翠の薔薇16
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「ぱ、ぱーとなー?」
混乱気味に(実際混乱してる)繰り返し言うとミランダは笑うだけ
『私にもちゃんとパートナーがいますから
ジョーンもメアリーも黒滝も』
「…こくりゅう?」
『さあ急ぎなさい、貴方の限られた時間はもうタイムリミットが近づいています』
「あ、そうだっ」
言われて急がなきゃと気合を入れ直し目の前の下へ続く階段へ目を向ける
その先には一切の光はなく暗闇が広がっていた
できればランプやたいまつなどの明かりを持って行きたいがこんな所には無さそうだ
意気込んだ気合が消えていきそう
『ひとつ、貴方に言わなければならない事があるの』
後ろを振り向くと悲しそうなミランダがいた
「…なんです」
『…貴方を追っているピエロ、この先にいる』
「⁉」
彼女にはその事は話していないのに…なぜ知っているのか?
『彼は執念深く付いて回るわ…どこにいようと
決して狙った獲物は逃がさない性格よ
だから、立ち向かわなければいけない』
「なぜ…あなたそれを……話していないのに…」
その言葉にミランダは曖昧な表情で笑った
『次の機会に話します、今は私の忠告を聞いて』
忠告、と聞いて緊張で背中に力が入る
『私が作ったこの空間に彼も貴方を追ってこの先にいる
私を見る前に何か気配を感じたでしょう?
その時、確かにこの塔の下から彼は貴方を狙って来ていた…
私はそれに気づいて貴方を守る為、魔術で彼を足止めしながらこうして貴方に会いに来ました』
あのピエロが、この先に…
尚更行きたくなくなった
「………今、そいつは…どこら辺に?」
『足止めと言っても彼も元は魔力の所有者でした、今の私は彼を止めるのに他の場で少しの力を使い過ぎました
彼は止まる事なくこちらに進み続けています
ただ、私の魔術で行動が遅くなっているだけで………』
予想もしなかったその事実に冷や汗が止まらない
『そんなに近いところではありませんが遠くはないですよ』
この話を聞いて行きたいと目を輝かせるやつを紹介してほしい
足がすくんで動けない
それを心配そうに見つめるミランダ
「…………それでも…行かなきゃ…」
ギャリー、イヴ、メアリーが待っているんだ
30分も待たせてしまっている
こんな所で、あんな奴相手にグズグズしてられない
「…行く」
##NAME1##の強い目を見てミランダは安堵の息をもらし微笑んだ
『貴方のその強い意志があればできます、どうかそれを忘れずにいて下さい』
「有り難うございます、…行ってきますっ」
『出来る限りの事をお手伝いします、貴方ひとりだけ進んでいるのではないのですよ』
振り返りにこりと笑って階段を下りて行く
だが数段下りた所で暗闇から先、足元が見えない為ゆっくりとしか下りられない
『貴方が思った事に魔術は反応してくれますよ』
振り返るとミランダは軽く手のひらを握り、開くとオレンジ色の小さな光が出てきた
手の平で眩しいほどに光り輝くその小さなオレンジは手を閉じると消えた
『貴方も出来ますよ、集中して貴方の光を想像してごらんなさい』
よくわからないがとりあえず言われた通り目を瞑り手を軽く握った
そして光を頭の中に描く
光はミランダのより小さく、色は青色でそれを囲む白い光の層がある、まるでネプチューンの様で…
自分の好きなようにイメージしていった
すると握っていた手がほんのり熱くなってきた
目をあけ手を開いてみると青と白の光を放つ小さな光の玉がふわふわと出てきた
「……ふ、…ファンタジー……」
『貴方ならできるわ、彼にもちゃんと立ち向える』
返事に強く頷くとその光を手に階段を下りる