翡翠の薔薇16
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『貴女もおかけになって』
言われたとおり座ろうとしたが、机に置いたままの肖像画をいい加減戻さなければと気がついた
本を椅子の上に置き肖像画をすぐ横の壁にかけ視線を戻した時だった
「……れ?(滝汗」
机には豪華なティーセットにたくさんのケーキ
ミランダは特に気にするでもなく優雅に紅茶を味わっている
『さ、お話しましょうか』
とりあえず座る
『あなたは何が好きなの?』
「え、け、ケーキ? …んー………ちょ、チョコ?」
『遠慮しなくていいわ、たくさん食べて、力をつけないとここから戻れないわよ?』
ーーーか、帰れないのは勘弁
ミランダはケーキを隠すように手をかざすと机の上のケーキがチョコレートに変わった
「………」
驚いて何も言えないでいるとたくさんのチョコケーキを並べてくれた
『さぁ召し上がれ』
「…い、いただきます」
お前の思考がわからないと言われ続け18年のワタシでさえ追いついていけないこの展開
とりあえず何もわからずに空腹に従いケーキを食べる
ミランダも自分の好きなフルーツタルトを食べていた
「…(不味そう)」←フルーツタルト大嫌い
『先程も言いましたが、あなたは今危険な状態です
と、言うのも…この空間にいる間その魔力の所有者は自分の力が制御できなくなる唯一の欠点的な時間とも言われています』
「…は、はぁ」
またきたよRPG…
『あなたから聞いた話ではあなた自身、魔力の存在すら知らなかった…
自分が魔力を持っている事もわからなかったのでしょう?』
適当に置いた分厚い本をさらさらとめくりあるページを見せてくれた
それは挿絵で文字はなく、ある男女が描かれている
『私と会っているこの空間は本来は生者は入ってこれません
何せここは死者の世界ですから』
「…死者、の世界…?」
とある一室で女性がベッドで寝ている
傍に男性がその手をしっかりと握り心配そうな顔で女性を見つめていた
『私はもう既に死んで死者の世界の中でこの小さな空間をつくりだし一人、ここで数百年過ごしてきました
このような空間に入れるのは同じ死者か魔力を持った生者だけ…』
女性は全身何かに切りつけられたような傷が数えきれないほどあり血まみれ状態だ
『生者はここにいる間、自身の魔力を抑えられなくなり垂れ流しになったその力が現実の自身の体を傷付け、最後には…』
女性の傍にいる男性の頬や特に手には女性と同じような傷があり血を流している
『その場にいる人や自身も、その魔力によって殺されてしまいます』
隣のページに目を移すと切り裂かれたようにぼろぼろになった部屋で、二人は力尽きていた
「……死んじゃうん、スか…?」
『放って置くと確実に、ね』
そんな、急に言われても…と心の中で呟いたが顔にも出ていたのだろうミランダが少し可笑しそうに笑う
『これから嫌でも実感するようになるわ…』
軽く伏せられ震える睫毛…悲しそうに笑っているその表情を見て何かか心にぐさりと突き刺さった
「…ミランダさん、」
『…大丈夫よ……そんな事、させないから』
「ミランダさんっ」
少し意気込んでしまったがそんなこと気にしていられる程冷静にはなれない
いやなる気もないっ(キリッ
「不束者ですが、よろしくお願いしますっ」
立ち上がって頭を下げた
机の上のケーキしか見えないがミランダはきっと訳が分からずポカンとほうけているに違いない
頭を上げ、ミランダの目をしっかりと見つめる
「ワタシに、帰る方法を教えて下さい!
貴方の時代にあった魔術の事は無知と言っても過言ではないほど知識はありません…
ですが何か…容易な事ではないのは感じています。
きっと…とても苦しくて辛い事だと思います。
すぐ弱音を吐くかもしれません。
でも頑張ります!何があろうと何度挫けようと諦めない覚悟はあるつもりです!
だから…、だから…どうかっ
そんなに悲しい顔をしないでください…
今回初めて会ったばかりですので貴方の事を先程お話ししてくれた事しかまだわかりません。
お互い、まだ何も知りません。
自分で言うのもなんですが、ワタシは今貴方が思っている以上に強い人間です!
どうかワタシを信じて下さい…」
『…ありがとう』
涙をうっすらと浮かべどこか安心したように笑ったミランダに少し嬉しくなった
そしてだんだんと気持ちも落ち着いてきてふと気づく
ーーーさっき自分は何を言っていたんだろう…(殴
でも何かしら恥ずかしい事だよね
誰もが普段言わない事を口走ってたよね…
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