翡翠の薔薇2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次は黒い部屋だ
デ「そういえば、ランスのズボン汚れてしまったね」
また勝手に手を引っ張りながら演技染みた声で聞いてくる
「あぁ…、そういえば、ね…まぁ、どうでもいいや、オシャレだオシャレ」
コイツは顔からタイプでもないしこういう自己中心的な性格嫌いだし何より人間の匂いがしない
いや、人間の匂いというか…なんだ?
人間とは思えない
人間の皮を被った人ならざるモノ的な感じ…
とりあえず近くにいたくないんだけど…
身体が拒否反応を起こすわコレ…
あぁ~…いい加減手離してくんねぇかなぁ…
こうやって勝手に触られるの嫌いなんだよ、イライラする
引っ張られながら進んで行くと左右に道が分かれていてそれぞれ五つほどの扉があった
デ「先ずは左から行くか」
あ、オレの意見は聞かねぇこと前提か…
あはっ、イライラする☆
左に引っ張られて一番手前の扉の前でやっと手を離した
ゆっくりドアを開け中を確認したそいつは苦い顔をした
「何かあったのか?」
デ「あぁ…何か赤や青い像が何体も動いている…見るからに危険だ」
へぇ…、無個性さんたちかぁ…
ナニナニ?それは女性?ねぇ女性…(殴
「他も見るか」
今度は摑まれる前に先に歩き出した
デ「…そうだな」
だけどそいつは早足に追いつくとまた手を引っ張って歩き出した
「………(イラッ」
何これ殴って下さいフラグ?(←?
許可くれればマジで殴るよ蹴るよ?
まぁ、ぼっこぼこ程度で済めば良いんだけど(←殺す気MAX
左の通路のドアは全部調べてみたが最初の扉以外は開かなかった
デ「右も見るか」
そしてまた勝手に引っ張られながら右の通路も確認するが一つも開かなかった
「最初のドア以外選択肢はないな…」
またぐいぐい引っ張られ最初のドアの前に来た時、やっと手が離された
デ「オレがこの部屋で何かないか探してくる、ランスはここで待っていてくれ」
そう言ってウィンクをするとさっさと部屋の中に入っていってしまった
「………気色悪っ;」
ようやくアイツがいなくなった時に今までに溜まった暴言をまとめて一言で吐き出す
「よし、今しかない」
あの男から離れるチャンスが来た
戻って来ない内に急いで他の道がないか探さなくてはいけない
その瞬間に心臓がバクバク聞こえる
もう一度左の通路の他の扉を調べてみる
ガチャッ
「………開いた」
え、普通に開いた…
アイツがそろそろ戻って来るのか?
早過ぎね?;
そう思って焦って入ろうとしたが一番近い隣の部屋だと早くに気付かれそうだと不安だから止めた
足音を消し急いで他のドアを調べてみる
心臓はずっとバクバクと五月蝿いままだ
「…左側全部開いたんだけど…?;」
アイツが入った部屋で右の通路の扉が全部開くようになったのか?
もしそれだったらいなくなったとバレた時にこの通路の扉のどこかだと解かってしまう…
左の通路の奥まで来ている今、あの男が戻って来たら完全に逃げられない
全速力で右の通路へ突っ走り考えながらドアを調べる
心臓が更に五月蝿い…
もちろん音を立てずに全速力で突っ走る
音を立てないようにするのは昔から得意なんだぁ~☆
ブーツであれヒールであれ簡単に音消せるも~ん♪
「………全部開いた、マジで、全部開いた…」
これはあの男の時には開かない、っていうやつがいいな…
そろそろ戻って来るかもしれない…
かくれんぼで逃げている時のようにいつ鬼が何処からくるのか解からない…
心臓がバクバクと内側から胸を叩いてくる…
とりあえずまだ戻って来ていない内に一番離れた右の一番奥の部屋に入る
そこは最初と同じ様な紺色の部屋だった
ガチャッ コツ コツ コツ
デ「##NAME1##…?」
部屋に入った後直ぐに通路からドアの音がしデザイアーの声が聞こえた
「っ!?」
あれ…
何でアイツオレの名前知ってんだ…?
アイツは一体何なんだ…?
背中に寒いものが走る
「急いでよかった…;」
あの男には聞こえない距離だが新たな緊張から普通の声が出ず小さく呟いた
コツ コツ コツ
デ「##NAME1##…、##NAME1##…」
ぅぅぅうううわああああああぁぁぁぁっ…;(ぞわぞわぞわっ…
まるで亡霊の様にうろつくなっ!;
ずっとオレの名前を呟きながら足音は先ず遠ざかっていった
「やっぱり左の通路から調べるか…」
遠回りしている内にせめて隠れられるものがないか調べよう…
心臓が緊張で締め付けられる…
この部屋には左側に本棚が二つ、右には机があるだけだった
「…これは、」
机の上には花瓶が置いてあり薔薇が一つ活けてあった
持たなければいけないと何故かそう思った
「これが、オレの薔薇…
不思議な色だな…」
まるで澄んだ海や川を連想させるような透き通った不思議な色だ
少し萎れているけど数えてみると花びらは六枚ある
ポケットも鞄も持っていないので簪と同じ様にさらしに挿した
コツ コツ コツ
ガチャッ バタン
音が一番小さくなった
左側の奥の部屋に入ったらしい
「…急ごう」
左の本棚を調べると一つだけ不自然に飛び出している本が目に付いた
手に取るとその本は少し厚く、古いのか黄ばんでいた
適当にページを開く
ぱらっ…
”にげて ニげテ
ハヤく はヤく
カレ に ちかヅいちャ
ダメ
かれ は欲望 ノ 塊
目を
ツケラれたら サイゴ
カレハ 手 に
入れル まデ 追イ
かケてクル・・・
カレ は 我慢ヲ 知ら
ナ い
手段を 選ら バ ナ イ ・・・
逃げて ニゲ テ
早 く速くハ ヤ ク
逃 ゲ道 は
こ っ ち”
カタンッ…
「………!?」
そのページを読み終えた時小さな物音が聞こえた
本棚の隣に近くでも良く見ないと解からないほど殆んど壁と同化した扉があった
「…なるほどな、危険だというのはあっていた訳だ」
本棚にしまおうとしたが、抜き出した部分には別の本が入っていてしまえない
「…、まだ全部読んでないし…持って行かせてもらうよ」
他にも何かのヒントが書いてあるだろう…
部屋に何か痕跡を残してしまっていないか確認するとドアの正面の壁に最初には無かった扉があった
「扉が…二つ?」
その扉に近付いた時
ガチャガチャガチャッ
「っ!!?」
外側からドアノブが勢いよくまわされた
デ「##NAME1##…##NAME1##…」
「ーーーっ!?;」
あの男の声だ
何で聞こえるんだ…っ?
廊下の足音はもう右の最初のドアの所にいる
目の前のドアから離れて今二番目のドアへ向かって近付いて来る
べちゃべちゃっ
「は…っ!?」
扉に突然紅い絵の具が散らばった
”あ け ち ゃ だ め
こ っ ち は い き ど ま り
ひ だ り の ほ ん だ な
の ど あ に い っ て”
” は や く ふ た り に
あ い に い っ て ”
その文字は溶けるように消えていった
コツ コツ コツ
デ「…##NAME1##、どこだい?」
ガチャッ バタンッ
廊下の足音は三番目の部屋に入っていった
「………逃げよっ;」
急いで本棚の隣のドアに行く
同じ様に押せば開いた
ガチャッ
「ありがとう」
行く前に一言部屋にいってからドアを閉めた
ガチャッ バタンッ
デ「##NAME1##…?」
扉を閉めた瞬間にさっきまでいた部屋に足音が響いた
「ーーー…っ!!?」
咄嗟に口に手を当て出てきそうになった声を抑える
デ「あぁ…##NAME1##…ボクを置いてどこに行ってしまったんだい…?」
足音はそのまま真っ直ぐに行く
どうやら正面のドアしか目に入っていないらしい
デ「あぁ…あぁ…##NAME1##……ボクの##NAME1##…
今迎えに行くからね…」
ガチャッ バタンッ
足音が去った後もしばらく動けないでいた
心臓が痛いほどうるさい…
べちゃっ
「=っ!?!?!?」
突然の絵の具の音に声が出なかった
目の前の扉に文字が浮かんでいる
”そのまま みちなりに いけば ふたりの どちらかに あえるよ”
とにかく早く誰かと会いたかった
後ろを振り向くが壁しか見えない
そこでようやく、入ったら直ぐに右に伸びているのだわかった
「………」
紺色の空間は暗くて先が見えない
人一人しか通れない狭い通路を手を壁に付けながらゆっくり進んだ
.