翡翠の薔薇11
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一体どうなっているんだ、
ギャリーとイヴはころころと変わる状況についていけずその言葉しか出てこない
##NAME1##が絵画の中に引きずり込まれてしまった直後
部屋中に響いていた不気味な笑い声がピタリと止まった
部屋にはあのおびただしい数の人形はいつの間にか消えていた
もとに戻った薄暗い部屋を見渡しても先程の人形はひとつもない
ギャ「…………」
イ「…………」
何も言えず少しの間沈黙がながれた
静かな部屋の中、イヴが後ろの絵画を振り向く
イ「………##NAME1##っ…」
ギャ「ぇっ…!?##NAME1##…!?」
絵画の中では暗闇の中をこちらに走ってくる##NAME1##がいた
どん、と勢いよくぶつかってきた##NAME1##と目が合った
「ギャリーっ!イヴっ!」
ギャ「##NAME1##!」
「ギャリーっ、イヴっ!!出して、ここから出してっ!
助けてっ!!」
今の##NAME1##は冷静ではない
恐怖と焦りで混乱している
絵画の中からガラスを叩き泣き叫ぶように訴えてくるその姿に二人は衝撃を受けるが何もできない
イ「##NAME1##…っ」
ギャ「##NAME1##!そんな…っ」
二人もガラスを叩くがびくともしない
「…いやっ!いやっ!お願い…出してっ…!いやよっ!!」
ぴたりと##NAME1##の動きが止まった
目を見開いて何かに怯えている
ギャ「##NAME1##、どうしたの!?##NAME1##!?」
口をぱくぱくさせながら小さな声で何かを伝えようとしている
「…こ……わ…い………た、すけ」
背後から白い腕が伸びてきて##NAME1##の口を塞ぐ
頭や肩、腕などを掴んだ手は後ろの暗闇へと##NAME1##を引きずっていく
あっという間に##NAME1##はみえなくなってしまった
ギャ「##NAME1##!!」
ギャリーは思い切り絵画を殴った
けれどガラスはヒビさえはいらない
最初の暗闇を戻した絵画を見て焦るばかり
イ「…ギャリー、どうしようっ」
ギャ「………、##NAME1##を助けるわよ」
イ「どうやって」
ギャ「…わからないわ、けど動かないと何も起こらないでしょ?」
イ「……うん…」
ギャ「…行きましょ」
部屋を出て一本道を真っ直ぐに進む
この薄暗い通路に入ってきた入り口はまだ消えていない
そこを通り過ぎて更に奥に進むと黒い扉
部屋は扉と同じ黒い色
お互いの顔はなんとか確認できるが通路より暗い
ギャ「…暗いわね」
言ってから気付いた
さっきの部屋でみたものと同じ部屋だ
イ「誰か…いる…?」
ギャ「…え?」
よく目を凝らしてみると誰か倒れている
注意深く近付くとそれはだんだん確信に変わっていった
ギャ「##NAME1##!」
「……ぅ…ん…?」
イ「##NAME1##、起きて!」
「……いぶ……ぎゃりー…」
ギャ「大丈夫!?怪我はない!?」
「あぁ…っ!!イヴっ!ギャリーッ!」
いきなり飛びついてきた##NAME1##の腕が首にはいり意識が飛びそうになったギャリー
だがここは男
そうそう意識を飛ばすわけにはいかない
ギャ「ぐっぅ…!?;」
「イヴぅ……ギャリぃ…ぅわあああああん……!」
イ「##NAME1##、怖かったね」
「ぅああああああっ……もう…やだよおぉっ…!」
しゃくりをあげて今までにないくらいに泣いている
ギャリーはそれほどまでに怖がらせたやつに対して怒りが沸々と沸いてきた
ギャ「怖かったわね…もう大丈夫……さ、ここから出ましょ」
早くこの部屋を出たい
それは三人同じ
ーーーがちゃっ
「「「・・・・」」」
誰も何も言えなかった
「……こんなこと…っ」
今の状況がどんなものか三人知っている
このまま予想するものと同じであればどうなるかも…
絶望の声を上げ##NAME1##はうずくまってしまった
二人が慰めようと近付たが、いきなりばっと顔をあげた
「…くそったれがっ」
二人の間を抜けずんずんと早足で扉の前で止まる
「こんなもの…っ」
ダンと足を鳴らしたかと思えばガッと鈍い音がした
ドアノブを蹴り上げたのだ
ドアノブは上向きに曲がった
(この程度…)
冷静というものを失くしかけている今は目の前の破壊にしか頭が回らなかった
振り上げたままの足を勢いをつけて振り下ろした
バキッと音がしてドアノブは足元にカランと落ちた
(まだ足りない…)
次は反対のドアノブがついたままで向こう側が見えない
その金属で埋まっている穴めがけて肘を突っ込んだ
向こうでカランと音がしたのを聞いて扉を蹴り飛ばす
バンッといきおいよく扉が開いて薄暗い廊下が見えた
「……絶対に抜け出してみせる…」
誰かに言ったのか、独り言か…
呟かれた声は強かった
「…早くここを出よう?」
##NAME1##が振り返ると二人の姿はない
「………うそ、」
ーーーぎぃ… ぎぃ…
奥から聞こえてくる金具特有の音に絶望を覚えた
二人のいた場所にはライターが落ちていた
二人はここにはいない
ライターを見て直感だけど確信が持てた
二人はこの部屋にはいない、
でもこの奥の扉にいるとは限らない…
でもこの部屋には自分ひとりだけ
ライターを拾って奥に進むと開いた扉が見えてきた
ブーツのヒールの音が妙に部屋に響く
ふと、扉の前で何かを踏んでヒールの音が聞こえなかった
足元を見れば青い花弁…
このままだと二人が危ない
風も吹いていないのにひとりでに小さく開閉を繰り返す気味の悪い扉を開けて暗闇をみた
暗闇に向けてライターをつけるが何も見えない
「…でも、……行かなきゃ…」
二人を早く見つけなきゃ…
大丈夫、大丈夫…大丈夫…
何度も暗示のように自分に言い聞かせてゆっくりと進んで行く
後ろの扉がひとりでにゆっくりと閉まったが予想はしていた
暗闇でひとりはこわいけど…このライターがあるから少し冷静でいられる
「大丈夫だ……大丈夫と思っていれば大丈夫だ…」
すぐ横の壁に手をつき、ライターの光を頼りに扉を探す
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