翡翠の薔薇3
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『##NAME1##…』
「ーーーっ!!!」
がばっ
まるでそこにいるかのように聞こえた声に跳ね上がるようにして起き上がった
自分の周りを慌てて確かめる
イ「##NAME1##っ!!」
?「あぁ良かった、目が覚めたのねっ!」
「…ハッ…ハッ…」
嫌にリアルに聞こえた声が生々しくこびりついて消えない…
心臓が強く鳴って痛い…
嫌に緊張した鼓動が耳に響く
止まらない冷たい汗が頬や背中に伝うのがわかる
だが、目の前にいる二人の姿と声は認識しているが構ってなどいられない
イ「…##NAME1##?」
小さい子が心配して覗き込んでくる
「…っ!」
反射的に後退りして離れた
何故そこまでして離れたの自分でもかわからない
?「ちょっとアンタ、大丈夫?」
紫の髪の男に言われ、はっとした
「…ァ、……」
呼吸の乱れが少しずつ治まってきた
そこから頭が覚醒していき状況を分析するが未だに乱れている心情はなかなかそれを受け入れない
イ「……##NAME1##?」
「……………イ、ヴ…?」
気付いたらイヴの頭を撫でていた
イ「##NAME1##、大丈夫?」
「……ゥ、ン…イ、ゥブ…」
(うん、大丈夫)
少し落ち着きかけているが、まだ状況についていけない…
何か返事をしなければと開いた口からはほとんど空気しか出ず声になってくれない
イ「?」
「…~っ?、…ぁっ…」
(…あれ?)
?「…声が出ないの?」
しばらく声を出そうとしたが枯れてしまったのか、なかなか治らない
男の言ってくれたことに頷くしかできなかった
?「そう、なら無理して喋らないでね」
「……、」こくり
しばらくは声が出そうにない
イ「##NAME1##大丈夫?すごいうなされてたよ?」
イヴに言われ先程の夢が思い返される…
「…っ!」
寒気が走り身体が一瞬震えた
そして未だに消えないあの声がまた聞こえるんじゃないかと不安になり、誰もいない場所をひたすらに確認する
?「アンタ本当に大丈夫なの…?」
言われてまた、はっとした
二人を見ればとても心配した顔でみている
これ以上は心配をかけられないと、出来る限り普通の笑顔でイヴの頭を撫でる
「ダ…ぃ…、…」
(大丈夫だよ)
声は出ないけど、せめて口パクだけでも伝わるようにゆっくり話す
?「もう少し休みましょ、」
そこで自分の状態に気が付く
どうやら寝ていたようで枕はこの男に使った時と同じように上着と本が置かれていた
帽子はその脇に置いてある
そして紺のコートが掛けられていた
もう寝る気はないので枕代わりにしていた上着を羽織り帽子と本を持つ
そして畳んだコートを目の前に出す
?「あら、まだつかっててもいいのよ?」
「……」
もう使わないので首を振って更に押し付ける
「モ、ぅ…カ、…ナィ、カ…ラ…ぃイ、ヨ…、ァ…-、トゥ……」
(もう使わないからいいよ、ありがとう)
なんとなく伝わったのか、コートを受け取ってくれた
?「わかったわ、無理はしないでね」
三人で壁に寄りかかってもう少し休む事にした
?「そういえば名前まだ言ってなかったわね…、アタシはギャリーっていうの
##NAME1##…であってるかしら?」
肯定を現すように笑顔で頷く
最初よりはだいぶ落ち着いてきた
イ「ねぇ##NAME1##…」
左に座っている”イヴ”が上着を少し引っ張る
「…?」
目を合わせると”イヴ”は両手を広げた
イ「ぎゅーってして」
ずどおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!!
ハート・オブ・ストライクっ!!
キャッチャーアウトっ!!
「~~~っ♪」
(”イヴ”~っ♪)
ガバッと”イヴ”に抱きつく
ほっぺに頬ずりして頭を撫でる
ギャ「・・・」
それを右にいるギャリーが生暖かい目で見ている事は知らないふりをしておこう…
何故か”イヴ”は甘えてくるな、と不思議に思っているとぎゅっと抱きつかれた
「……、?」
(”イヴ”?)
イ「##NAME1##、死んじゃったかと思った…」
そこでギャリーの薔薇を取り返しにいった時を思い出した
「…、」
申し訳なくなり何か言いたいけど言えない
ギャ「あの時はホントにヒヤッとしたわ…
起きてイヴから聞いたわ、でもなかなか戻って来ないから行ってみたら何か変なのに襲われてたのよ…」
思い返しながら巻きつかれた首を触る
「………!」
首にはあの違和感が…
ギャ「…首に痕が残っちゃってるけど、大丈夫?」
鏡がないからわからないが、夢で見たあの自分の顔を思い出して焦った
「~…、ダ…-、…」
(あー…、大丈夫…)
そこでふと、自分の薔薇を持っていないことに気付いた
”イヴ”の頭を撫でながら薔薇を探す
イ「どうしたの?」
「…ラ、ガ…ミ……ィ、ー…」
(薔薇が見あたらないの…)
身振り手振りで教えるがなかなか伝わらない
ギャ「何を探してるの?」
二人にどう説明したらいいのかわからず、悩んだ
そこでふと、ギャリーが持っている薔薇を見て指差す
ギャ「あぁ!##NAME1##の薔薇ねっ」
ギャリーは胸ポケットから萎れた翡翠の薔薇を出す
ギャ「花瓶に活けたんだけど…何故か薔薇が回復しなかったのよ…」
確かに言われたとおり、薔薇の花弁は残り1枚のままだ
だが、特に気にしていないので大丈夫だとガッツポーズを見せる
ギャ「早くどこかで回復させないとね…」
イ「##NAME1##、もう無茶しないでね」
”イヴ”にきつく言われしばらく抱きつかれた
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