翡翠の薔薇3
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今玄関の前にいるモノは暗くて見えないが身体は、脳は、本能は覚えていた
モノがドアの脇に手を伸ばす
ピ ー ン ポ ー ン
未だに身体がいう事を聞かずインターホンを押す瞬間を見つめてしまった
後ろの景色が見えなくなり、まっくらになる
『迎えに来たよ、##NAME1##』
まるでビー玉や透き通った球体を目の前にかざしてみた視界のように歪にゆがんだ
顔だ
覗き穴に顔を近づけている…
「ーーーっ!?」
気付いて弾かれたようにドアから離れる
『##NAME1##、開けてよ、迎えに来たんだ、おいで』
ガチャ、 ガチャガチャガチャガチャッ
「………ハッ、ハッ…!」
開けられる…
そうわかった
なにか、…何か隠れないとっ…!
音を立てないように神経を奮い立たせ急いで部屋に戻る
「…これと、これと…っ」
部屋に置いてある人形をベッドに並べ布団を頭まで被せる
スクールバッグから財布を取り出し、机の上の携帯と買ったばかりのゴムを持って洗面所に移動した
「どうしよう…、どうしよう…っ」
直感的に洗面所に来たが…
どの部屋も隠れられるものなどない
玄関ではずっとドアノブをまわす音が響いている
「・・・・・」
ふと、あるものに目が付いた
急いで風呂の蓋を開ける
ガチャリッ
コツ コツ コツ ・・・
ついにドアが開けられた…
足音は先ず洗面所に向かう
ガチャッ
『・・・・・』
ばたんっ!
風呂のドアが勢いよく開けられる
『ここじゃない・・・』
そう言って洗面所から出て行った
バタンッ ガチャッ
「…プハッ、」
頭に被せていた服を取る
「…今しかっ」
音を立てないように洗濯機から急いで出る
風呂に隠れれば蓋を開けられたら終わりなのでいないと思わせるために最初から開けておいた
ガチャッ コツ コツ コツ
リビングから出てきた・・・
『やっぱり、ここにいるんだね、##NAME1##?』
足音は寝室に入った
ドアの閉まる音がしたあとすぐに洗面所から出る
そして隠れている間に両端に輪を作ったゴムを自室と洗面所のドアノブに引っ掛ける
そして急いで玄関へ…
ガチャッ、 ガチャガチャッ
内側に開かれたドアはピンと張ったゴムで開けることができない
『##NAME1##?いるんだろ、開けてくれないか?』
「…っ!」
急いで逃げないと…っ!
がちゃっ
「…ぇ、」
がちゃっ、がちゃ、がちゃっ
開かない…
何度鍵を回しても開かない…
「…ウソっ…!」
ロックしてドアノブをまわす
解除してドアノブをまわす
がちゃっ、がちゃがちゃ
何をしてもドアは開かない…
「何で…、なんでっ、」
ガチャッ
後ろでドアの開く音がした
ドアに手をかけたまま手が止まる
後ろを振り向く
ギシギシと操り人形のように首が鳴った
『##NAME1##…』
「ーーーっ!!」
鋏を持ってこちらに歪んだ笑みを向けていた
切れたゴムがドアノブに引っ掛かったまま垂れ下がっていた
コツ コツ …
ゆっくり、じっくりと歩み寄ってくる…
「……っ!」
本能が、危険だと告げている、ドアを開けろと叫んでいる
脳が、このドアは開かない、逃げられないと言っている
心が、近付くな、離れろと悲鳴をあげている
本能、脳、心が、
何をされるかわからない
と声を揃えた
『##NAME1##…』
ついに目の前まで来たそれは手を伸ばしてくる
見たくないのに、目が、はなせない
『##NAME1##…』
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