翡翠の薔薇19
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名乗った後には沈黙
そして突き刺すような視線と何か探るような視線が向けられた
ギャ「………」
完全に疑って警戒してきてるのは目の前にいる人物…
父さん
見間違いなんかじゃない
あの優しさと威厳の混ざった不思議な雰囲気に自分と同じ眼
少し心が痛むけど仕方ない事だ
もし自分が父さん達の立場だったら自分は真っ先に追い出しているかもしれない
そしてもう一人、後ろの人物は祖父の…
『私はバートン、見ての通り画家だ』
そう…バートン・J
俺が産まれる前に死んだと祖父の墓の前で父が話してくれたことを思い出した
墓石にはBarton Jと記されていた記憶がある
自由気ままな人で写真が嫌い、それくらいしか父さんに教えられなかった
今思えば祖父の話をする時の父さんはどこか苦しそうだったかもしれない…
聞いた当時まだ学校にも行っていない歳だったからわからなかったけど、だからと言って当時それを何度も聞いてしまって申し訳ないと思う
『それにしても、キミ……』
バートンがこちらを見つめて目を細くした
『若い頃の私にそっくりだ』
そしてとても嬉しそうに言う
『……父さん、何ふざけてるの』
『いやふざけてなんかいないさ、正直な感想だ』
父さん、と呼ばれた年配の男が持っている筆をこっちに向けた
軽くパレットの絵の具が筆先から数滴飛び散る
『私も若い頃こんな感じの髪型だった
それにこの威厳を放つ一家譲りの三白眼、正に若い頃の私!』
『何言ってるんだ何カ月も部屋に閉じこもって頭おかしくなったのか!?』
その言葉に一人愉快そうに笑っていた男の表情が険しくなった
『ジョージ、いくら信じ難い事とは言え言葉を選べ』
『状況判断ができなくなってる父さんに言われたくはないね、とにかくこの不審な男を追い出す!』
いきなり胸倉を掴まれ引っ張られる
このまま追い出される、と思った
『その必要はない』
さっきまで陽気に喋っていた声が幾分か低くなって聞こえた
同時に胸倉を掴んだ手も止まる
『席を外すのはお前だ』
そう言い、ジョージと呼んだ男を鋭い眼でにらむ
近くにいた男が息を飲んだ
『私がその子を疑わない理由を教えようか』
威圧のある三白眼を更に鋭くし、声も低いまま話し始めた
『キミのポケットにある鍵さ』
ギャ「!? 何で……知ってるんだよ…!?」
この老人、いやバートンに言われるまで存在すら忘れていたポケットの鍵
見せた事など、ましてや話してもいないのに自分が鍵を持っていることを知っていた
『』
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