翡翠の薔薇18
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ギャリーside終了
ーーーなんだ…
ピキ・・
ーーー…心地良い冷たさ……
パキ、
ーーー…………でも、あのギャリーの体温がいいな…
ーーー…ギャリー、ドコだろ…?
凍った廊下の中、地面から出た蔓のすぐそば、氷塊が甲高い音を立てている
パキッ、
音がなる度に氷に小さなヒビが入る
そして音が大きくなるとヒビも氷塊の全体に広がっていった
ピキ、パキパキ・・ カラン
氷全体に亀裂が入っていく中でついに小さな欠片が崩れ落ちた
それを皮切りにパラパラと崩れていき氷塊だったものがゆっくりと動き出す
「………ん……さむい…?」
何かひんやりとした固いもので身体全体が固められているような感覚に目を開けた
つもりだったが開かない
少し力を入れると今度は簡単に瞼が開いた
パラパラと何か薄く固いものが目の辺りに転がっているようだ
何がおきているのかと起き上がろうとするけど身体が動かない
不思議に思い動こうとするが上手く力が入らない
それに自分は仰向けで寝転がっているのか、目の前には何故か氷で覆われた天井らしきものが見える
「………んぅ…」
何とか腕を動かせた
するとからからと軽い音がして次にじゃりっ、と聞こえた
「……なん、だ…?」
首をできるだけ動かして後は目だけで見る
そこには腕の周りに落ちているたくさんの氷の欠片
まだ少し腕にも欠片がのっている
「………こぉ、…?」
なぜこんな所にこんな量の氷が?
疑問を口に出そうとしたが口もなかなか動かない上に声も久々に喉を使ったかのように出ない
ーーーこの欠片、天井から降ってきたんだろうか?
とりあえず全体をぐるりと見てみようと腕に力を入れ身体を捩るように動く
どうやらこの部屋の寒さで悴んで感覚も鈍ってしまったのだろうな、と頭の片隅でゆっくりと考えた
亀のような動作でやっとの事でほんの少しだけ身体を横に向ける事ができた時
頬にあたる冷たいものに気付いた
「……ん?」
目線を移すと人の顔、頬だけが見える
視線をずらし他を見るとふわふわしてそうな髪型に肩幅の広いコート
「………だれ…」
男性のようだが、この人は全体的に光を反射してきらきらと光っている
「………」
ーーー…違う、これは……氷漬けにされたような…
この人、どこかで……いつだか……見覚えあるぞ………
「ーーー!!」
ーーー何ですぐ思い出さなかったんだ…!
慌てて起き上がろうとするが思うように動かない身体にイライラする
そんな中、暴れようと動いていたおかげか自分の右頬に固い何かが強く当たり、見れば添えられていたかのように固まっている片手に気付いた
頭の後ろにももう片方の手が添えられている
どうやら抱き締めるように上に乗っかっているようだ
その時何が起こっていたのか知らないけどきっと守ってくれようとしていたのだろう…
「………ぎゃ…-、…ぎゃり……おきて、…おきて、ぎゃりー」
頬に添えられていた手を握って呼びかけるが氷で固まってしまっている顔は当然、返事を返してくれる訳がない
「……ぎゃりー、うごいて、よ…」
髪にぎりぎり隠れてしまいそうな目は閉じられていて口元には柔らかな笑みが浮かんでいる
「…うごけよ、なんで、そんな……しあわせそうな、かお、してんだよ……
ちくしょう、ふざけんなっ…」
ーーー何その穏やかな顔…まるで「全てを受け入れて死ぬ覚悟ができました」みたいな表情(かお)しやがって…、ふざけんな!
なに一人格好良く死んだ感じになってんだよっ
…死なせねぇ、死なせねぇかんな!
絶対っ、皆でここを出るんだ!!
出てくる涙を必死に我慢しているとピキ、と高い音が聞こえた
近くで聞こえるがどこからかは分からない
止むどころかその音は大きくなってきている
怖くなって氷となってしまったギャリーを守るように力の入らない腕で抱き締め目を瞑った
近付いてくる大きな音を聞いて更に腕に力を込める
耳元で割れるような音が止んだのと、腕に感じていた氷の固さがなくなったのはほぼ同時だった
目を開けると目の前にはたくさんの氷の欠片に覆われたギャリー
「…?」
どういう原理なのかはわからないがそれよりも氷で固まってしまっていたギャリーが開放された事の嬉しさが大きかった
上に乗っているギャリーを横にずらして時間をかけて起き上がると急いでギャリーに呼びかけた
「ぎゃりー、ぎゃりー、きこえる?…おきてっ」
肩をゆすっても起きないギャリーに嫌な予感が頭を過ぎったが無視を決め込んで呼びかけ続ける
「ぎゃりー、目、あけて、おきろ」
自分より大きいギャリーの身体を仰向けにしてやった
「ぎゃ……」
後悔と現実が一気に胸を抉ったような感覚を感じたのはきっと気のせいじゃない
「……ど、…っ……」
どうしよう、と言葉が出かけた途中で変な力が入り喉がひゅっ、と鳴っただけ…
冷たい頬を悴(かじか)んだ両手で包み込むように添えることしかできなかった
ギャリーの青くなった形の整った唇から目が離せない
.
ーーーなんだ…
ピキ・・
ーーー…心地良い冷たさ……
パキ、
ーーー…………でも、あのギャリーの体温がいいな…
ーーー…ギャリー、ドコだろ…?
凍った廊下の中、地面から出た蔓のすぐそば、氷塊が甲高い音を立てている
パキッ、
音がなる度に氷に小さなヒビが入る
そして音が大きくなるとヒビも氷塊の全体に広がっていった
ピキ、パキパキ・・ カラン
氷全体に亀裂が入っていく中でついに小さな欠片が崩れ落ちた
それを皮切りにパラパラと崩れていき氷塊だったものがゆっくりと動き出す
「………ん……さむい…?」
何かひんやりとした固いもので身体全体が固められているような感覚に目を開けた
つもりだったが開かない
少し力を入れると今度は簡単に瞼が開いた
パラパラと何か薄く固いものが目の辺りに転がっているようだ
何がおきているのかと起き上がろうとするけど身体が動かない
不思議に思い動こうとするが上手く力が入らない
それに自分は仰向けで寝転がっているのか、目の前には何故か氷で覆われた天井らしきものが見える
「………んぅ…」
何とか腕を動かせた
するとからからと軽い音がして次にじゃりっ、と聞こえた
「……なん、だ…?」
首をできるだけ動かして後は目だけで見る
そこには腕の周りに落ちているたくさんの氷の欠片
まだ少し腕にも欠片がのっている
「………こぉ、…?」
なぜこんな所にこんな量の氷が?
疑問を口に出そうとしたが口もなかなか動かない上に声も久々に喉を使ったかのように出ない
ーーーこの欠片、天井から降ってきたんだろうか?
とりあえず全体をぐるりと見てみようと腕に力を入れ身体を捩るように動く
どうやらこの部屋の寒さで悴んで感覚も鈍ってしまったのだろうな、と頭の片隅でゆっくりと考えた
亀のような動作でやっとの事でほんの少しだけ身体を横に向ける事ができた時
頬にあたる冷たいものに気付いた
「……ん?」
目線を移すと人の顔、頬だけが見える
視線をずらし他を見るとふわふわしてそうな髪型に肩幅の広いコート
「………だれ…」
男性のようだが、この人は全体的に光を反射してきらきらと光っている
「………」
ーーー…違う、これは……氷漬けにされたような…
この人、どこかで……いつだか……見覚えあるぞ………
「ーーー!!」
ーーー何ですぐ思い出さなかったんだ…!
慌てて起き上がろうとするが思うように動かない身体にイライラする
そんな中、暴れようと動いていたおかげか自分の右頬に固い何かが強く当たり、見れば添えられていたかのように固まっている片手に気付いた
頭の後ろにももう片方の手が添えられている
どうやら抱き締めるように上に乗っかっているようだ
その時何が起こっていたのか知らないけどきっと守ってくれようとしていたのだろう…
「………ぎゃ…-、…ぎゃり……おきて、…おきて、ぎゃりー」
頬に添えられていた手を握って呼びかけるが氷で固まってしまっている顔は当然、返事を返してくれる訳がない
「……ぎゃりー、うごいて、よ…」
髪にぎりぎり隠れてしまいそうな目は閉じられていて口元には柔らかな笑みが浮かんでいる
「…うごけよ、なんで、そんな……しあわせそうな、かお、してんだよ……
ちくしょう、ふざけんなっ…」
ーーー何その穏やかな顔…まるで「全てを受け入れて死ぬ覚悟ができました」みたいな表情(かお)しやがって…、ふざけんな!
なに一人格好良く死んだ感じになってんだよっ
…死なせねぇ、死なせねぇかんな!
絶対っ、皆でここを出るんだ!!
出てくる涙を必死に我慢しているとピキ、と高い音が聞こえた
近くで聞こえるがどこからかは分からない
止むどころかその音は大きくなってきている
怖くなって氷となってしまったギャリーを守るように力の入らない腕で抱き締め目を瞑った
近付いてくる大きな音を聞いて更に腕に力を込める
耳元で割れるような音が止んだのと、腕に感じていた氷の固さがなくなったのはほぼ同時だった
目を開けると目の前にはたくさんの氷の欠片に覆われたギャリー
「…?」
どういう原理なのかはわからないがそれよりも氷で固まってしまっていたギャリーが開放された事の嬉しさが大きかった
上に乗っているギャリーを横にずらして時間をかけて起き上がると急いでギャリーに呼びかけた
「ぎゃりー、ぎゃりー、きこえる?…おきてっ」
肩をゆすっても起きないギャリーに嫌な予感が頭を過ぎったが無視を決め込んで呼びかけ続ける
「ぎゃりー、目、あけて、おきろ」
自分より大きいギャリーの身体を仰向けにしてやった
「ぎゃ……」
後悔と現実が一気に胸を抉ったような感覚を感じたのはきっと気のせいじゃない
「……ど、…っ……」
どうしよう、と言葉が出かけた途中で変な力が入り喉がひゅっ、と鳴っただけ…
冷たい頬を悴(かじか)んだ両手で包み込むように添えることしかできなかった
ギャリーの青くなった形の整った唇から目が離せない
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