翡翠の薔薇18
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空気を掴んだ手を遊ばせる暇はなかった
鼻を塞ぎたくなるような強烈な臭いと黒い煙に蒸気
上半身を動かせるようになったピエロはぱちぱちと音を立てて燃え始めた
ギャ「何だ…!?」
氷が全て溶けると火は消えのろのろと動き出す
ギャ「!」
行かせないように何とかここで食い止めないとっ
ギャ「おい待て!」
体勢を変えようとして手摺りに掴まっている白い手を掴んだ
ーーージュゥッ
ギャ「あっつ!?」
さっき燃えていたから熱いに決まっているが忘れてしっかりと掴んでしまった
すぐに離したが掴んだ掌は全体が赤くヒリヒリと痛んだ
痛いがどうにかしないと##NAME1##が危ない
ギャ「……くそ!」
階段を降りようとするその頭を足で踏みつけた
頭を石の階段に強く打った音がしたが容赦はしない
それでも降りようと階段を掴んでいる手は一本だがその力は予想以上に強かった
少しずつ動いていくピエロを押さえるように更に足に力を入れる
『……ぅー……ウ゛ゥ…?』
完全に押さえつけられても階段を降りようとガリガリと爪で引っかいている
少ししてどんなに進もうと力を入れても進めない事に気付いたのか動きが止まった
それにほっとしたのも束の間
『ゥウ……う゛、ウーーーっ!ウーー!!!』
奇声をあげ石段を叩き始めた
ギャ「な、…なんだコイツっ?;」
何をしたいのかわからないのが今のピエロの奇行を更に恐ろしくさせる
ダンダンと叩く音の中に何か割れるような音も聞こえてきた
階段を見ると所々ひび割れている
ギャ「嘘だろっ!?;」
まさかこの石の階段を叩き割ろうとしてんのか!?
どこにそんな力があんだよっ
この場所から非難したいが避けたらコイツが動けるようになる…
どうすれば……
ーーービキッ
ギャ「え…」
気付けば大きなヒビがソイツの胸の下を通って端から端まで繋がっていた
流石に逃げなければ落ちる
だが無情にも階段は一瞬で崩れていく
ピエロはいそいそと数段下りてこっちに体を向ける
足場がなくなり落ちる瞬間にソイツの指が見えた
見た瞬間に道連れにしてやろうと提案が浮かび手首を思い切り掴む
熱いけど気にしてられない
コレを離したら終わりだ
ーーーボキッ
何の音かわからなかった
ただ、落ちていた
ーーーピエロの腕と一緒に
『アハッハハは、アーはははっ!!』
小さくなっていく階段の上には黒い顔を引き攣らせながら甲高い声で笑うピエロ
遅れて状況を理解した
ーーーしまった…!##NAME1##!!
もうこんなモノいらない
取れた腕を投げ捨てた
はずだった
ーーーガシッ
ギャ「っ!?」
突然、首に圧迫感が襲う
熱い手は首を焼きながら締める
ギャ「……ぐ、…っ」
あぁ…あの時##NAME1##はこんなに苦しかったのかな
自分の薔薇を取り返した帰りに##NAME1##が襲われていた時のことを思い出す
もうダメだ、と諦めた
息ができなくて苦しいせいなのか視界が眩しい光に消されていく
ーーーじゅううぅぅぅ・・・
また何か焼けたような音がした後首を閉めていた腕が取れた
突然空気が吸えるのに喉が追いつけず咽る
落ち着いてくると大分自分が不思議な状況にいるのだとわかった
最初に見たあの青いような白いような光だ
数え切れないほどの光が自分を包むように囲んでいた
それに気付けば落ちていない
空中でふわふわと浮いている
首もあれほど熱い手に長い時間握られていたのに触っても痕はなく痛くもない
…##NAME1##のおかげだ
直感でそう思った
この色の光は確か##NAME1##が出していたはず
その時、崩れる音がして振り返ると大きな氷の柱と落ちていく##NAME1##が見えた
ギャ「!? ##NAME1##ー!!!」
急いで自分よりも下を落ちている彼女の元へ向かう
瓦礫を避けている暇なんてない
どんな大きさであろうが突っ切って行った
肩や腕とかいろいろな所に当たったけどこんなの虐待されていた##NAME1##の傷とは比べ物にならない
##NAME1##に手を伸ばすのと自分を囲んでいた光が##NAME1##も囲んだのは同時だった
優しくでも、もう離さないようにしっかりと抱き締めた
ギャ「##NAME1##…」
あぁ……やっと触れた…
そのまま視界は光に包まれ何も見えなくなった
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