翡翠の薔薇18
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ギャリーside
ミランダからもらった小さな鍵を失くさないようズボンのポケットに入れ進む
階段の先にはぼんやりとした青いような白いような光が無限に続く螺旋階段を浮かび上がらせていた
自分は今それを見下ろしている
ギャ「………え、」
何もない空間で浮いている事を一瞬じゃ理解できなかった
足に浮遊感はなくしっかりと見えない何かを踏んでいる
コレも夢なのかと目眩がしそうだ
そんな事を気にする前に叫び声が聞こえた
「ぎゃああああああああっ!」
ギャ「えっ、##NAME1##!?」
階段を駆け上っている##NAME1##を見て何事かと思ったがその後を這いずって##NAME1##を追っている人影を見つけた
ギャ「な、なにあれ…!?」
とりあえず##NAME1##が危険な状況にいるのは確かだ
何も考えず##NAME1##の元へと急いで走った
ーーー筈が
ギャ「うっ…わ!?」
力強く地面を蹴って一歩踏み出したつもりが空中に地面があるわけがない
だが落ちることなく浮いて空中を勢いよく移動していた
驚いて止まると空中にふわふわ浮いているだけだった
ギャ「…な、なんだ!?」
空中を飛ぶように移動した事が信じられない
さっき驚いて止まったけど##NAME1##との距離はまだまだ先
ふとさっきまで聞こえていた叫び声が聞こえないことに気付いて慌てて螺旋階段の方に視線を戻した
ギャ「…!」
疲れてしまったのか立ち止まっている##NAME1##めがけて這いずっている人影はありえない速さで迫っている
ギャ「くそっ!##NAME1##!!!」
慣れない空中での移動に戸惑うけど構わず##NAME1##の元へと急いだ
少しずつ近付いているがこれじゃ間に合わない
少し表情が見えるくらいの距離まで来た
人影は##NAME1##の目の前にいた
だが##NAME1##が腕を振り下ろすとピタリと止まったまま動かない
訳がわからないまま近付いていくと人影が氷漬けにされている様子が見えてきた
見たことのある様だと思った
この訳のわからない場所(あの変な美術館もワケ解からないけど)に来る前を思い出して自分も今頃あんな風に見えるのかと気になった
「気色悪い」
一瞬自分の耳を疑ったが確かに##NAME1##はそう言った
パキッと気持ちの良い音がして氷が飛び散った
粉々の氷が##NAME1##の足元で光っている
何が起こっているか理解できないまま##NAME1##の横まで来た
ギャ「##NAME1##っ?」
まず眼に入ってたのは階段にへばり付いているソレ
ギャ「…おまえ……!」
オレを殺そうとした、…##NAME1##を泣かせたピエロ
以前見たときは服はサーカスの衣装だった
だけど今のコイツは衣装こそサーカスの物だろうけど何せ服が焼け焦げている
焦げ痕は服だけじゃなくて顔もほぼ黒く、髪も黒くチリチリになってしまっている
そして強烈に焦げ臭い
##NAME1##を抱き締めた時のあの焦げの臭いはコイツの仕業だったのか…
きっとイヴとメアリーの3人であの人形だらけの部屋に入っていた時##NAME1##はコイツに何かされたに違いないっ
ギャ「##NAME1##!大丈…ーー」
隣にいる##NAME1##を見た時、ぞくりと悪寒が走り身体が緊張で強張った
端を三日月のように上げて笑っている口
嬉々として見開かれた眼は怒っているようにもみえる
ガリガリと音がして足元に目を向けるとピエロの腕が##NAME1##の足に伸ばされた形で固まっていた
おかしな事にピエロの手が見当たらない
そこに手があっただろう場所には##NAME1##のブーツ
ギャ「………っ」
止まらず氷を踏み潰している##NAME1##の足元に散らばっているものはコイツの手だとわかった
背中に冷や汗がつたった
こんな、##NAME1##は知らない
イヴ依存症でいつもバカな行動とか発言しかしなくて何かに躓くようなアホでずっとへらへら笑っているのが、…##NAME1##の、はず……
ギャ「………##NAME1##…?」
今隣にいる人は本当に探してきた##NAME1##なのか恐ろしくなった
こんな事をする人じゃない…
##NAME1##はふざけて怒ったフリをするけど基本怒らないから本気で怒ったところなんて知らない
でも絶対にこんな事はしない
怒ったって平手打ちするような乙女だものっ!
ギャ「……」
そういえばビンタされた右頬の痛みはもう引いている
軽い金属音がして隣を見ると何かを回して不敵な笑みを浮かべている##NAME1##
「……くっ、ふふ…」
不気味に笑って腕を振り上げた
ーーー止めろ!!
ギャ「何してんのよバカッ!」
気付いたら大声を出していた
怒鳴ってしまったと気まずくなり視線を逸らすとピエロから煙が上がり氷が解けていくのが見えた
このままじゃまずいっ
ギャ「さっさと行きなさいよ!」
今ならまだ飛び越えて行けるのに##NAME1##は驚いているのか動かない
「ーーー…ギャリー?」
名前を呼ぶ声を聞いていつもの##NAME1##に戻ったと安心した
ギャ「…そう、ここにいるから……だから早くーーー」
「…ギャリー? ギャリーッ、いるのっ? どこ!?」
ギャ「……##NAME1##?」
聞こえてないのか?
そんなはずは……じゃなきゃオレの名前を呼んだりはしないっ
「ギャリーッ!」
聞いたことない##NAME1##の大声にやはり聞こえていないのだとわかった
…さっき聞こえていたのが奇跡だったのかもしれない
##NAME1##の瞳から大粒の涙が一筋流れた
「………空耳、なの…?」
その涙を拭う事もせずただ出てくる大粒の涙を流して呟かれた言葉が胸にぐさりと突き刺さった
だがそれも一瞬の事で呻き声が聞こえ見ると手の潰されていない腕が##NAME1##に向かって伸びていた
ギャ「---!?」
強行突破しようと##NAME1##の腕を掴む
ギャ「行くぞ!!」
ーーーが、その前に##NAME1##はピエロの頭を踏み台にして階段を駆け下りていった
……えっ、ちょ…(´・ω・`)
.