共依存2
田崎君の部屋は引っ越して来たばかりとは思えない程、きれいに片付いていた
物が少ないからかもしれない
田崎君はビールを飲んで、私は梅酒の炭酸割りを飲んだ
田崎君は、バイザーのお仕事いつもおつかれさまです、と誰も口にはしてくれなかった労いの言葉で私を癒してくれ、私が、仕事だし与えられた役割を当たり前にこなしてるだけだからと言うと、それだって誰にでも出来ることじゃないです、ちなつさんのチームのメンバーが一番ギスギスしてないですもん、それってちなつさんのマネジメントの結果だと思いますと、私が言われたかった言葉で褒めてくれた
ありがとう、なんか来週からまた頑張れそうだよ、とおどけて大袈裟に言うと、いつもちなつさんがみんなにしてること俺もしただけです、俺にはなんでも話してくださいね、と真面目に返されて、こそばい感じがした
ねぇねぇ、そのイカメンチってどんな味すんの?
これすか?食べていいっすよ
じゃあ、お寿司2個とトレードしよ
とか、楽しくなっちゃって、私も酔ってたのかもしれない
気付くと、常夜灯のオレンジがかった暗い部屋の天井を見ていた
「あれ? 寝ちゃってた」
起き上がろうとして
「いいよ、寝てけばいいじゃん」
と横にいる田崎君が私の着衣を開き下着の上から胸を触っていることに気が付いた
「、ちょ、待って、」
見せられるような下着だったっけ?とかぼうっとした頭で考えた
気付くと手をタオルで縛られていて、はだけた着衣を直せない
「ごめんね、ちょっとだけ、手ぇ縛った ちなつさん、気持ち良くなろう?」
田崎君が耳元で囁いて、ゾクゾクと背中を快感が駈け上がった
まとまらない思考でも職場の人とは駄目な気がして
「ねぇ、やめとこ?」
と抵抗した
「なんで? 俺のこと嫌い?」
「そうじゃなくて」
「じゃあ、いいでしょ? ちなつさん、イかせてあげるから」
久しく誰ともしていない陰部をキュンと疼かせるには充分な想像をさせることを言って、田崎君は上に重なって来て、ドクンドクンと強い鼓動を合わせた胸から伝えて、そっと唇を合わせ、頭をいい子いい子と撫でて安心させた後、ゆっくり舌を入れてきた
「たさきくん、」
今ならまだ止まれると制止の言葉を言おうと呼び掛ける
「こうきって呼んで ちなつさん、俺の名前知ってくれてる?」
「知ってるよ 貴族の貴でこうきって読むんだぁって思ったから」
「知ってくれてたんだ うれしい こうきって呼んで?」
「こうき君、ちょっとまずいかも、やめとこ?」
「こうき君じゃなくて、こうきって呼んで じゃなきゃやめない」
「え? えっと、 こうき、 今日はとりあえず解散しよ?」
「ハァ、ちなつさん、こうきって呼んでくれた ちなつ、 ハァハァ、 イかせてあげる」
駄目だと思いつつ、低い声で囁かれて、体が勝手に期待してしまい、膣がキュンと甘く痺れた
「大丈夫 今日は初めてだから、ゆっくり優しくしてあげるから」
そう言うとこうき君は、少し震える手で私の縛られた手の甲をさわさわと触れるか触れないかの微妙なタッチで撫でてきた
くすぐったいような感触に、ここに触感の神経があるよと呼び起こされ、なぜか感じる用意が出来てしまった
こうき君は私の縛られた手と手の間に手を入れて指の間に指を入れて手を繋ぐ
「ちなつ、」
私の名前を熱く呼ぶ
そうすると子宮が勝手に喜びに痺れた気がして、もう抵抗する気が失せていた
「恋人つなぎだよ?」
とても深い目で私の目を見てくる
あぁ、だめだ、これは、
私が欲しかった、愛情みたいなやつかもしれない
お酒でよく開かない目でぼうっと見ていると
「ごめんね 薬飲ませたから目ぇ開かないね 今度は薬飲まないで見つめ合おうね」
とよくわからないことを言っている
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