【良人とみいひ】バカなさみしさ


良人は、最近、仕事にノっている

付き合い出して、ちょっと経って落ち着いたから、安定期というか、安心して仕事に打ち込めるんだろうなと思う

休み前に会う約束してたのに、契約取れそうだからとキャンセルされた

会いたかったけど、仕事の邪魔になる人になりたくなかったから、わかった頑張ってと見送った

気になってた期間限定のメニューを食べに行って、映画を見に行って、ちょっとおしゃれな時間を過ごした

けど、根底にうっすら良人に会いたい気持ちが流れてて、素敵な時間もどこか代用品のような感じがしてた

次の休みも仕事なのか、そもそも会う約束にすらならなかった

良人は私がいなくても平気なんだ、、

さみしくなった

どうも幼少から、自分の価値が自分ではあやういタイプで、誰かに好かれて初めて価値を感じるタイプだ

私を好いてくれる誰かに会いたい

宮崎さんの顔が浮かんだけど、職場つながりの人だから、こじれるとまずい気がした

呼んだら多分来てくれて愛してくれるけど、どうなんだろ?

甘えさせてくれて、これを機に定期的に会いましょうとなり、良人と宮崎さん、両方と付き合ってる感じになりそうで、でも、最後には私は良人を選ぶことは決まってて、、

そんなのまずいな

人で無しじゃん


そんなこんなで、小さな噴水があるラブホの前にいた

「みいひさん? ですか?」

目の前の男の人を見ると優しい目で笑い掛けてくれていた

「はい よろしくお願いします」

こわそうな人じゃなくて、ちょっと安心して答えた

「急に料金の話で申し訳ないけど、前金制で2万5千円になるんで、よろしくね 俺で大丈夫そうなら、ロビーに入ったら渡してくれる?」

「はい 初めてで気ぃ利かなくてすみません よろしくお願いします」

一緒にロビーに入りお金を渡した

「一番長いコースで良いんだよね?」

確認するとフリータイムで部屋を取り部屋代を払っていた

渡したお金から部屋代とか交通費とか引くとこの人の手取り減っちゃうけど大丈夫なのかな?

部屋に入ると

「こういうの初めてって言ってたから、始めはお食事しながらお話ししようか?」

と誘導してくれた

「はい」

「コート掛けるよ?」

とコートを脱がせてハンガーに掛けてくれた

丁寧に扱ってくれるから、安いコートなのが申し訳なくなった

「ルームサービスで食べたいのある? それともウーバーで何か頼もうか?」

「みやびさん、何がいいですか?」

「名前呼んでくれるの、うれしいな 俺は、ノンアルの炭酸系があればあとは合わせるよ」

「じゃあ、ピザとかどうですか? 普段、ピザなんか広告費ばっか載ってて高いって頼むの反対されるんで(笑)」

「彼氏?(笑) いいよ、じゃあ、ピザにしよ」

小さなソファーに並んで座って、どんな仕事してるとか一通り話した

みやびさんは、落ちも何もない話しを目を細めてほほ笑みながら聞いてくれる人で、なんだかとても癒された

「なんか、みやびさん落ち着きます 普段、仕事の話すると、それはもっとこーした方がいー、それはみいひが悪いって返されちゃうんで(笑)」

「あ、彼氏さん?(笑) 良い彼氏さんじゃん 俺なんか、無責任にそうだね大変だね頑張ってるねって答えてるだけだもん 彼氏さんは、みいひちゃんのことちゃんと考えてくれてるんだよ そういう人、大事にしなきゃ」

「え~ ただ聞いて欲しい時ってあるじゃないですか?(笑)」

「あるけどね(笑)」

「それをいろいろマジレスで訂正してくんですもん(笑)」

「ははは(笑)  、、みいひちゃん、そろそろ、ベッド行こうか?」

「迷惑かけたら悪いんで、シャワー浴びて来ます」

「そう?(笑) じゃあ、お先にどうぞ」

みやびさんは、君は面白い子だねって感じに笑って言った

ちょっと古風な建物にありがちのしっかりした造りの浴室のタイルの冷たさを足の裏に感じながら、待たせないよう手短に洗おうと思った

よくわからないブランドのニオイだけ強いシャンプーで髪を洗い終わったら、カチャっと扉が開いて、裸のみやびさんが入って来た

シミもホクロもない真っ白な肌で、自分の汚い肌が恥ずかしくなった

「みやびさん、すごいきれい 私、汚くて、ごめんなさい」

「は(笑) 俺は、いろんな女抱いてるんでしょ?不潔!って言われることもあるよ? みいひちゃん、女の子にはそれぞれの美しさがあるんだ 俺は、たまたまそれが解る感覚が生まれながらに与えられてたから、気付いてない子にそれを教えてあげたいんだ みいひちゃんは、魂がピュアだね 辛いこと大変なこと全部見てきたのに、魂が汚れを吸ってない 滅多にいないタイプだよ もっと自分を大切にしていいんだよ? トリートメントはしたの?」

「・・ まだ」

「じゃあ、してあげる」

みやびさんは、優しい手付きでトリートメントを塗って強過ぎない水圧にしたシャワーで流してくれた

「みやびさんのこと、私が洗います」

「大丈夫(笑) 風邪引いちゃうから髪乾かしてて 5分くらいで上がるから」

慣れないバスローブを着て、歯を磨いて髪を乾かしてたら、みやびさんが上がってきて、鏡越しに目で笑った

バスローブを着て、髪をタオルでガシガシ拭くと、肩に手を掛けて腰を抱いてベッドに誘導した

「オイルで足マッサージするから、ベッドに座って」

みやびさんは足元にかがんでカバンからオイルを出した

「ローズの匂いって大丈夫?」

「わかんないけど、多分大丈夫です」

「嗅いだことないかな? こんな感じだよ?」

ポンプの口を近付けて香りを嗅がせてくれる

「・・ なんか、高そうな匂いがする」

「はは(笑) 本物の薔薇から絞ってるからね 癒しと女性性に利くらしいよ?」

みやびさんは、私の足元にタオルを敷いて、ポンプからオイルをプチュっと出すと、手の平で温めた

「女の子は、冷え性になりやすいからね 血行を良くしてあげるといいんだって」

みやびさんが私の足を持って、踵から甲、指先まで香油を塗り広げると、

指を私の足の指の間に組み噛ませて、自分でも普段めったに触れることのない指と指の間のうぶな肌に香油を滑らせた

足から脳天まで性的な快感がゾクゾクと駈け上がり、初めての感覚に飲み込まれた

「ふふ(笑) 思った通り、すごく敏感だ」

ゆっくりと大切なものを扱う手付きで、骨の形と肉付きを確かめるようにマッサージする

あぁ、私ってそういう形なんだぁと頭のはじでぼんやり思った

「じゃあ、次はベッドにうつ伏せに寝てみようか バスローブ脱いで背中に羽織って掛けて寝て」

みやびさんは、バスローブから出ている足首からふくらはぎにローズを纏わせる

絶妙な力加減で凝りを流してくれる

「・・なんか、私より私のこと知ってくれてるみたいで安心する」

「そう? みいひちゃんは本質を見抜く目があるね 生きづらいでしょ 大変でしょ 頑張ってるね」

そのまま太ももまで滑り上がって股関節を親指がかすめた

快感への期待が高まったところで、天井に向いている手の平に恋人つなぎのように指を絡めて、いやらしく滑らせた

「・・みやびさん・・」

気持ちが緩んだのと性的な気分が高まったことで声が出てしまった

「ふふ(笑) みいひちゃん」

反対の手も愛撫して、手首から肘、肘から肩へと滑らせる

背中に掛けてあるローブを腰まで下げて、背中を出すと、背骨から外にリンパを流す

腰から徐々に上に位置をズラして、首側に上がる

「うん 左肩が凝ってるね 集中的にほぐそうね 目も疲れるでしょ?」 

あー、私、凝ってたんだなぁって、みやびさんの温かい手で触れられて気付くと、みやびさんは硬さを優しくほぐして痛みを流してくれた

ヘッドマッサージ的に髪に手櫛を差し込んでシュッシュッと掴んでリンパの流れを促した

「胸大きいから肩凝るでしょ?」

「大きくないですよ(笑) 昔は大きかったけど、今はしぼんで小さくなりました」

「そうなの? 昔も見てみたかったけど さっき見てもすごく魅力的だったよ 男を夢中にさせるエッチなおっぱいだ」

「いつ見てたんですか?(笑) 恥ずかしい」

「見るでしょ(笑) 男だもん シャワールームでトリートメントした時、見たよ」

「プロの専門家、お医者さんとか銭湯の番台さんとか、は、裸なんて見慣れてて何とも思わないんでしょ?」

「みいひちゃん? そんな建前信じちゃいけないよ? 男は男だよ(笑)」

胸を隠して仰向けに寝ると

「きれいだから隠さないで」

みやびさんは低く柔らかい声で言いながら、そっと手を持ってどかした

「・・ハァ・・きれいだぁ・・」

みやびさんが性的な男の目で見て本心から言っているんだとわかる声で言った

薔薇のオイルをプチュっと出して、本当に美しいものに触れる時、畏れ多くて震えてしまうように、ゆっくりそっと少し震えながら、胸の脇のリンパに手を当て、両胸を中央に寄せた

間接的に胸の先に刺激を感じて声が出そうになり唇を噛んだ

「感じてくれてるの?(笑) うれしい 声出していいんだよ?」

聞かれたら恥ずかしいから、手の甲で口を押さえた

みやびさんは胸の円周のリンパをゆっくりと流した

鎖骨と鎖骨の真ん中から脇の下へ流し

胸の下の中央から脇へと流し

何度もそれらを繰り返す

直接触られてない先端もジンジンと痛いくらいに疼いて、性器もジクジクしてきた

「ほら、リンパが流れて胸の色も薄桃色がかって、もっときれいになってきた 血行も良くなって感覚も良くなってるはずだよ」

みやびさんがオイルのポンプからプチュっと一滴、胸の先端に垂らした

「っ、」

「ここ感じるんでしょ? さっきから触って欲しくて、すごい起ってる」

「やだ、恥ずかしい」

「恥ずかしいことじゃないんだよ 女を解放していいんだよ? いっぱい気持ち良くなろうね」

そう言うとみやびさんは、オイルで滑らせ両胸の先端を指先でピンピン弾いた

「ぃやぁ! だめぇ」

「う~ん 気持ちいいねぇ これは? これも気持ちいいかな?」

硬く起った乳首を摘まんで先端をコリコリする

「らめらめ、らめらめ、」

「みいひちゃん、かわいい わ、すっごい濡れてる 中、あっつ」

みやびさんは、指2本を交差させて太さを出したものをねじりながら入れてきた

「なんか、処女みたいに中狭いね 彼氏としてないのかな? こんなかわいい子をもったいない みいひちゃん、入れてもいい? あ、ゴムはちゃんと着けるよ」

こんなにいっぱいしてもらって断るのもなんだなと、コクンとうなずいた

みやびさんは、スムーズにゴムを着けて、ゆっくりと硬いものを滑り入れた

「っ、熱くて、濡れてて、狭くて、ヒダヒダで、みいひちゃんの中、やばい 足いっぱい開いて クリトリスにこすれるようにしてあげるから」

みやびさんは、思い切り股を開かせると両手で陰唇を開いた

クリトリスに恥骨を当てて快感を追うように抜き差しを重ねた

「みいひ、ちゃん、やばい、いっちゃう みいひちゃん、いかしてないのに俺がいっちゃう」

「みやびさん、大丈夫 私もいきそうです」

「一緒にいこう あ、あ、あ、あ、」

「もうらめ いっちゃ、う!」

「っ!」

二人で同時に硬直してビクンビクンと痙攣していってしまった

その後、ずーっと二人でぼーっとまどろんで、みやびさんは、布団を掛けてくれたり、頭を良い子良い子してくれたりして、

私が後に残るとさみしいだろうからって、先に私を帰した


家に帰って、脳の芯にいつもあった疲れもさみしさも全部消えてるのを感じて、体が芯から温かいのを感じて心地良くて、布団の上でいつの間にか眠ってた


ブー、ブー、

気付くとスマホのバイブが鳴っていて、画面を見ると、良人だった

あんなに待ってたはずの良人からの連絡だったけど、今は体が怠くて面倒だと思ってしまって、心の中で、ごめん怠いと言いながら放置してまた眠ってしまった

ピンポーン、ピンポーン、

玄関のチャイムが鳴っているのが聞こえた

結構しばらく寝たのかな

とか考えてると、

ガチャっと鍵を回す音がして

「みいひー 入るよー?」

返事してないのに良人が入って来た

ダイニングを歩く音がしてドアが開く音がした

「わ なんかやらしい匂いがする」

「良人、なんなのいきなり もう夕方だよ?」

「や、電話出ないから」

「それだけ? 良人なんて、そんなのしょっちゅうじゃん」

「俺は、いつも折り返してるでしょ」

「そうかな」

「そうだよ どんなに時間掛かっても、仕事終わったら折り返してるでしょ?」

「そうかな? 1日以上経って仕事終わるのとかおかしくない?」

「そんな時あったっけ?」

「あったよ もう、覚えてないなら、取り繕わなくていいよ」

「とにかく! みいひは電話出な過ぎ」

「そうかな? 今日くらいじゃない?」

「かもね だから、心配で来たんでしょ?」

「心配で? 大丈夫だよ」

「わかんないでしょ、そんなの 来てみないと」

「わかったわかった ごめんね、電話出なくて 怠くて寝てた」

「でしょう? そうでしょう? 心配するでしょう? 俺は、みいひが誘拐されてないか心配で来たんでしょう? それをなんか、あーだこーだ」

「誘拐なんてされないよ いくつだと思ってんの? もうおばちゃんだよ?」

「みいひ、騙されやすいから」

「そんなことないよ」

「あーる」

「なーい」

「あるの」

「ないの もう、なんなの、良人(笑)」

「みいひ? 抱っこしてあげる」

良人は怠くて起き上がれなくて布団の中でしゃべってた私を布団ごとハグした

「ふふ? よくわかんないけど、愛情たっぷりじゃん(笑) ありがと」

「みいひ? みいひは俺のだよ 誰にも渡さない わかった?」

「わかったよ」

顔をのぞく良人にほほ笑んだら、良人はキスしてきて、そのまま布団の中、胸を触ろうと手を入れてきた

「・・良人 ごめん、今日、怠くて、エッチできない」

「え・・」

「・・ごめんね」

「・・ 別に エッチしようとしてないけど 俺が会えば必ずエッチしようとする男にみえたの? もう帰る」

「え あ、もう暗いから気を付けて帰ってね」

返事もせずに良人は出て行った

最後にガチャと施錠する音が聞こえた

「良人、鍵閉めてくれたんだ ありがと」



帰り道、良人はズンズン歩く

なんなの、みいひ

俺はみいひとしたいのに、みいひは俺としたくないの?

好きだったらしたくなるのが当たり前だよね

ごめんとか言われると俺だけがやりたかったみたいで、なんか悲しいし!

でも、そんなの言える訳ないからムカついて帰って来ちゃった

・・なんだろ、今までエッチ拒んだことなかったのに

いつも俺に合わせてくれてただけ?

・・なんかエロい匂いしてたし

・・もしかして、浮気?

みいひが? 俺のこと大好きなみいひが?


気になり出すとずっと気になる良人は、次の日から仕事帰りみいひを尾行した

4日間は問題なく過ぎたが、5日目の今日、みいひが最寄り駅で降りると細身のスーツに身を包んだ長身の男が声を掛けていた

道でも聞かれてんのかなと思ったけど、みいひの腰を抱いてエスコートしようとし出したから、道聞いてるだけじゃないだろと、二人に近付いた

「ちょっと、よろしいですか?」

声を掛けると振り向いた男から、ふわっと匂いが香った

「私、この方と待ち合わせしてるんですが、あなたは? 道にでも迷いましたか?」

「良人!」

「あ、そうでしたか ちょっと道を聞こうと思ったんですが、待ち合わせの方がいらしたなら、私は交番に行きますので」

俺より背の高い男が俺を見下ろしながら、俺を値踏みするように見ながら言うと去って行った

「良人、どうしたの? うちの最寄り駅なんもないのに、いるってことは、今日うちに来るつもりだった?」

「だったら、どうなの?」

「?」

「俺がいたら困る? あの男と浮気しようとしてたりして」

「え、ないよ、そんなの」

「なんか、あの人、すごく馴れ馴れしくなかった? 腰とか抱いて みいひも避けてなかったよね?」

「え? あ、」

「あ! なんか、あの男から、前みいひからした匂いがした みいひ、あの人と浮気したでしょ」

「浮気、、してない 浮気はしてない」

「みいひ・・ みいひ、嘘つけないもんね 浮気はしてないけど、体の関係は持ったんだね」

「、、」

「あの人、俺より背高かったね みいひ、背高い人好き?」

「良人、 違う、 私が好きなのは、良人だよ? 知ってるよね?」

「俺のこと好きじゃなくなったから、この前拒んだんだね みいひ、嘘つけないから、、」

「良人、違うの 私、良人が仕事忙しくてさみしくて、でも良人の仕事の邪魔したくなくて、プロなら後に残らないで大丈夫かなって、そういうサービスの人頼んじゃったの そしたら、さっき、偶然会って、びっくりしてたら、触れられてて、」

「ハァ? ストーカーじゃん 」

「多分、偶然会っただけだよ」

「は? なんであいつの肩持つの? やっぱ、みいひ、あいつのこと好きなんじゃん」

「違う、良人、ごめん」

「別に? 気にしないで、こっちもそこまでどうしてもみいひじゃなきゃみたいのないから バイバイ」

「良人、、」

本当は良人を止めたかったけど、止める権利ない自覚もあって止められなくて、みいひはそのまま良人を見送った



良人は、またガツガツ歩いていた

なんなの、みいひ 引き止めてもいいのに引き止めないで

ごめんとか言われると俺ばっか好きみたいで悲しいじゃん

そんなの言える訳ないからムカついて真逆のこと言って帰って来ちゃったけど

てか、プロのエッチって気持ちいいんだよね?

みいひのかわいいあそこを他の男が触ったの?

みいひ、あの人に、気持ちいいとかとろけた顔見せたの?

みいひは俺だけのもんだって言ったじゃん 嘘つき!

あーーー ムカつく!

、、? てか、あの人、みいひ待ち伏せてたんだよね?

じゃあ、あのままみいひ置いてきたら危ないじゃん


もー、みいひ、なんで俺が浮気した女心配しなきゃなんないんだよ!


戻ったら案の定、みいひがあの男と話してた

「あのー? 道は交番で聞くんでしたよね? そろそろ私たち出掛けるんで、失礼してよろしいですか?」

「あ? 戻って来たの? じゃあ、みいひちゃん、癒されたい時はまた呼んでね」

男は去って行った

「意味深なにおわせみたいな言い方して、俺が、みいひ浮気したのかなとか動揺するとでも思ったんかい なわけあるかい こちとら本人から既に聞いてるっちゅうの お前とのことは隠すほどの価値も重要度もないっちゅうことだっちゅうの 散れ! ストーカー」

「良人、声でかいって 目立っちゃってる」

「あ、心の声、口に出てた?(笑)」

「帰ったんじゃなかったの?」

「俺が消えたら、またあの人出て来て、みいひ付けられて家特定とかされたらやだなと思って戻って来た」

「良人いなくなったら、みや、あの人、戻って来て、なんか執着され出してるんならまずいなと思って、家に戻らないで、どっか外でとりあえず食事だけして解散しようと思ってた」

「みいひ、ちゃんと断らないから駄目なんだよ」

「でも多分、断ったら、こっそり着けて来るような気もするし」

「みいひ、なんでみいひは、そうなの? 男呼び過ぎだよね?」

「わかんない 小3で性的なターゲットにされて体触られてたし、そんなの私に訊かれてもわかんないよ 私のせいだって言われても困る」

「え・・ みいひ、、 そんなの、初めて聞いたし 小3? 子どもじゃん 酷い みいひ、、」

「良人が心痛めなくてもいいんだよ 大丈夫 多分私がうかつだったんだよ、きっと」

「・・ みいひ、やっぱ家帰ると危ないや とりあえず、今日は一緒にいよう? ストーカーに着けられたらまずいから、みいひの家にも俺の家にも帰れない」

「良人、一緒にいれるの? うれしい」

「みいひ? 馬鹿?」

「馬鹿でもいいよっ 良人といれるならっ」

「もう! そういうのが危ないんじゃないの? 行くよ」

良人がタクシー乗り場に向かうと、みいひは小走りでついていって、

「ねぇ、腰とか抱いてくれたりしないの?」

と聞く

「しません!」

良人は翻弄されるのが照れ臭くて、本当はしたいのに、反対のことを言って、みいひを置いて行く勢いでグングン歩いて行った



おしまい


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