【ご都合主義シリーズ】超年下彼氏に溺愛される話7

ふん、ふんふん、ふん♪

良人はご機嫌であった



一方、みいひは考えていた

良人の言葉に、自分の気持ちを伝えてしまった

自分と付き合うことによって良人が失うものの代わりに自分は何を与えれば許されるんだろうと

免罪符が欲しい

良人が失うものは可能性

私と付き合わなければ、良人は同じ年くらいの子と付き合って結婚して家庭を持ち子どもが産まれ父親となっただろう

良人は多分思い込んだら突き進むタイプで、付き合ったら別れるとか考えないでずっとと思うタイプだろう

例えるなら、捨てられた子犬を拾って来た小学生のように

最後まで一緒にいることしか考えていないだろう


ならば、良人の未来を奪ってしまった分、私は何かを与えなければ

一体それがなんなのか


良人を見ると、始業前なのにもう電話で顧客と話しているようだ

しかも、なんか楽しそう

職場ではいつもあんまり表情がないのに、今日は表情がある

朝礼が終わると、ホワイトボードに訪問と記入し飛び出して行ってしまった

係長が「あれ?金井君、スケジュールと違う訪問になってるけど・・ あ、予定の訪問の前にもう1件入れたのか」と一人言を言っていた

支店内で共有で見れるスケジュールを見ると今の1件を抜かしても朝から夕方までびっしり

いつも忙しそうだけど、ここまで入れてなかったよね?

大丈夫なんかな

とか思ったけど、付き合ったからっていきなり彼女づらで仕事に口出しとかも違う気ぃするし

良人が頑張ってるなら、私も頑張らなきゃ

何かをプラスで与えるどころか物凄い勢いで駆け上がって行く良人から一人取り残されてしまう

みいひは、良人に何を与えればいいのか答えは出ないまま、とりあえず仕事を頑張ることにした



夕方、颯爽と前髪に風を纏い職場に戻った良人

真っ直ぐに係長に歩み寄り、成約取れましたと報告し、それとこの後もう1件成約希望の電話が入りまして、直帰でよろしいでしょうかと許可を取ってまた出て行ってしまった

みいひは、あれ?忙しいのに顔が死んでない、、あ、もしかして、私と付き合うことになってテンション上がってるんだ

と密かに笑ってしまった



おしまい


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