【ご都合主義シリーズ】超年下彼氏に溺愛される話6の続きの続きの続きの続き
良人(よしと)視点
みいひさんが、俺みたいな体型を抱き心地が良さそうと思っていることを知って、
職場の懇親会の帰り、仕事のことなら断らないことを見越して相談を持ち掛け、2人切りで飲むシチュエーションに持ち込み、強いカクテルで酔わせてラブホに連れ込んだ
懇親会の帰りにみいひさんに強引に名刺を渡してた宮崎に取られたくない気持ちもあった
ラブホでみいひさんをベッドに寝かしてから、名刺は名刺入れから出して預かった
仕事なら事務所の電話でええやろが、エロじじい
みいひさんの感じてるかわいい声も、俺を抱き締めたいというように伸ばした腕も、きゅっと抱いてくれてくっついた温もりも、苦しそうに眉根を寄せたイキ顔も全部俺のもんだ
幸福感に包まれて目を覚ました良人だが、部屋はシンと冷え、みいひはいなかった
まさか、遊びだと思われたとか・・?
急に不安が押し寄せて、今更ながら連絡先を交換していなかったことを後悔した
仕方ない
職場でなんとか切っ掛けを作って、きちんと伝えよう
みいひさんに好きな人がいるなら、みいひさんにとって遊びでもいいですって言ったけど、やっぱり遊びとかやなんです
ちゃんとお付き合いしてください
と
しかし、どうにも切っ掛けが掴めない
しばらくして、避けられているんだと悟った
仕方ない、あんなことしたんだから普通は避けられて当然だ
もちろん諦めるつもりはさらさらないが、ほとぼりが冷めるまで少し時間を置こう
今は耐えるしかないと自分に言い聞かせていたら
職場に近隣支店の営業マン宮崎が来て、顧客の紹介をエサにみいひさんを飲み屋に誘っているのを聞いてしまった
というか、あいつがみいひさん狙ってるのは知ってたから、みいひさんから名刺を預かって連絡させなくしても、いずれあいつの方から来るだろうなと思ってたから、案の定という感じだ
みいひさん疑わないで信じちゃうから、変な男の下心から俺が守ってあげなくちゃと思って、しっかり会話に聞き耳を立てていた
本当は行く前に止めたかったけど、みいひさんが仕事頑張ってるの知ってるから、曲がりなりにも顧客の紹介なら邪魔はするべきではないと思った
仕方なく向かいの飲み屋から二人を見てたら、慣れ慣れしい宮崎にめっちゃ腹が立ってイライラした
30分くらいして早々に飲み屋から出て来たと思ったら、二人はそのままホテルに入って行った
あまりの予想外の展開に信じられず、みいひさんがすぐ怒って出て来るとか期待したけど、1時間くらい出て来なくて絶望した
そりゃ、俺のやり方も良くなかったとは思うけど、みいひさんだってあんなに感じてくれてたじゃん?
気持ちがない男に抱かれてあんなに感じられるもんなの?
みいひさんもちょっとは俺のこと良いって思ってくれてたんじゃないかって感じたのに、違ったの?
俺の指で舌で性器で、あんなに濡れてくれてたじゃん?
みいひさんがホテルから出て来るのを待って、預かっていた宮崎の名刺を返したうえで、思い切り思いをぶつけてしまった
自分は体を繋げられたことうれしかったのにみいひさんは違ったんですね
と
言い切ると余計悲しくなって逃げるように帰って来てしまった
それから、切っ掛けを作って話ししようとしても、どうにもタイミングが掴めない
みいひさんが異常に忙しそうで
仕事をするという行動で避けられているんだと気付いた
当て付けに高田さん(新卒女子職員)と業務連絡で話しながらわざと楽しそうに笑ってみたりして、
みいひさん見てるかなとチラッと見たけど、全然興味なさそうに仕事してた
前から俺が高田さんと話すと聞いてそうで、体硬くして表情恐めで、もしかしてやきもち妬いてくれてるのかなとか、期待しちゃってたけど、気のせいか
みいひさんは、それからも直行直帰ばかりで、ほぼ職場にいない
日々の仕事に流されてこのままうやむやにさせる訳にはいかない
みいひさんのデスクの上にメモを置いた
「報告書のことで確認があります」
仕事のことであれば、みいひさんもスルーはできない
用件を伝えた上であえて2日間会わないようにタイミングをずらした
思惑通りほどなくして業務携帯にみいひさんから連絡が来た
「おつかれさまです、大谷です」
「(やった みいひさんから連絡きたぁ 電話の声かわいー) おつかれさまです」
「報告書の件なんですけど、お時間あります時、打ち合せお願いしたいのですが、いつでしたらよろしいですか?」
「(仕事モードもキリッとしてまたかわいい) そうですね、今日でしたら、就業時間あたりであれば(頼まれて応じてあげるの気持ちいー)」
「わかりました では、お待ちしております」
自分から逃げていたみいひが自分を切に待っているというシチュエーションに良人は大いに満足した
わざと、終礼が終わりほとんどの職員が帰った後に戻った
良人に気付くとみいひはすぐにやって来た
「金井さん(良人の名字)、おつかれさまです お忙しい中、お時間頂きすみません 報告書、何か間違いなどありましたでしょうか?」
「(俺見てすぐ来た 待たれてるじゃん 気分良し)おつかれさまです」
なんか満足気で、さわやかな良人
「大谷さん、ちょっと報告書のことで今一度確認なんですが、この訪問回数の欄なんですけど、訪問何回目っていう表記と、何回目訪問っていう表記が混在してるんですよ(どっちでもいいっちゃいいんですけど)」
「え すみません、10分頂けますか? 修正します」
「わかりました 終わったら声掛けてください 私も確認しますんで(俺、先輩ぽくてかっこいー)」
みいひが自席に戻り急いで修正しているのを愛おしそうに見る良人
5分後
「金井さん、お待たせしました 修正しました」
「わかりました じゃあ、一緒に画面見て確認しましょうか 上からいきますよ うん、うん、はい、はい、合ってる、合ってる、大丈夫、大丈夫、はい、はい、はい オッケ おつかれさまです」
「ありがとうございます! すみません、お引き止めしちゃって おつかれさまでした」
「いえいえ、確認できて良かったですね おつかれさまでした(俺、良い先輩ぽくてかっこいー みいひさんに感謝されてるし、気持ちいー)」
久々にみいひと話せて(全然仕事の話だけど)満足気な良人
このままさりげなく一緒に帰って、告白しようと思っていたら、みいひが電話を受けていた
「はい 大谷です 宮崎さん、おつかれさまです 先日、ご紹介頂いたお客様の件でなにかありましたでしょうか?」
あんのエロじじい
させるか
急いで「確認あります」とメモを差し出した
「すみません、宮崎さん、ちょっと一旦保留音流れます」
「金井さん?」
「確認あるんで残ってください」
「え? あ はい わかりました 宮崎さんお待たせしました すみません、ちょっと報告書の確認で残ることになりまして、次回またよろしくお願いいたします 失礼いたします」
「すみません、また表記が統一できてないとこなどありましたでしょうか?」
「そうじゃないんですけど、ちょっと帰りながらいいですか」
「? はい」
こうすればみいひが自分に着いて来ざるを得ないことを知りながら、デスクに戻り鞄を持って出入口に向かった
外に出て、良人の顔を斜め後ろから伺うみいひ
横に並んで「なんなんですか?」という意味で顔を見ると
良人は見られていることを知りながらもみいひを見ず
「ちょっと付き合って欲しいところがあるんで」
仕事の件だとあえて思わせたままタクシーでみいひを自分の部屋に連れて来た
やっぱりみいひさんはとにかく信じやすい人だから、危なっかしいから、自分がちゃんと見ててあげて守ってあげないとなと良人は思った
その実、みいひを仕事の悩みだ、仕事の確認だ、まだ確認ありますだなんだ、一番そういう手を使ってるのは良人なんだが
良人はめちゃめちゃ優しいが、弱いとかじゃなくて欲しいものはしっかり取りにいく男らしい性質で、
一番欲しい気持ちが強い人が持ち主になった方が一番大切にするからいいでしょ?みたいな考えがあり、
みいひを一番好きなのは自分だから、少し騙して手に入れたとしても、結局それがみいひの為でもあるんだから、まぁ許されるでしょうみたいな無意識が根底に流れていた
みいひさんが自分の部屋に来てくれて(作者注釈:騙して連れて来た)自然とテンションが上がってしまう
俺の部屋着を勧めたら、警戒もせずに着て、ズルズルのハーパンをギュッと紐で絞めてるのがなんかかわいい
ビールと昨日作って冷蔵庫に入れてあった肉じゃがを出したら、おいしそうに食べて料理が上手だと褒めてくれた
みいひさんは、幸せに対しての感度が高い
普通、肉じゃがくらいでそんなに感動しないのに、人の倍くらい喜んでるような気がする(笑)
こっちまで良い気分になってくる
「ところで、こんな状況であれですけど、確認ってなんでしたっけ?」
「あ~(確認って言って連れて来たの思い出しちゃった?)」
「報告書だと締め切り明後日ですよね すぐ、直せるやつだといいですけど(汗)」
「あ それは大丈夫です 特に直すとこないんで」
「え? あ? そうなんですか? 確認あるって報告書じゃないんですね」
「じゃないです(全然私用です)」
「えっと? そしたら、、 なんでしょう すみません、まだ仕事が未熟過ぎて自分で気付けてないです(汗)」
「あのですね、、」
「はい」
「宮崎さんでしたっけ? あの訳わかんない人(エロじじい)」
「あー、宮崎さん? 近隣支店の (訳わかんなくはないけど)」
「近隣支店だかなんだか知らんけど(知ってるけど知りたくもないし)」
「はは(汗笑) (なんか宮崎さんに対してトゲあるなぁ)」
「あの人、客の紹介エサにホテル連れ込むとかヤバい奴ですよ」
「あ~ それは、なんて言うか、別に無理強いされた訳じゃないんで」
「じゃ、なんなんですか? 行きたくて行ったと」
「え~ っと、そういうことでもないんだけど、、」
「じゃあ、どういうことなんですか」
「(説明しづら、、 良人君と体繋げちゃって仕事中も気になり過ぎて集中できなくて 高田さんと笑い合ってるの見て嫉妬しちゃって 良人君のこと考えないで済むように宮崎さんとホテル行ったとか言える訳ないじゃん)」
「どっちも行こうとしてないなら行かないですよね 普通 今日だって、客のアフターケアの話装って、誘おうとしてましたよね、あの変な人」
「(変な人ではないが) あれは、私が宮崎さんから電話といえばそういうことかなって勝手に思い込んじゃっただけで、、」
「とにかく、あいつヤバいっすよ もう仕事の話って言われても行っちゃだめですよ? 危ないから」
「(え 子ども諭すみたいに言ってくれるの? なんか、ほっこしするー) 危ないっていうか、私、高校生とか処女とかじゃないし、おばちゃんだし、大丈夫だよ どうなっちゃっても」
「、、」
「?」
「、、」
「え? あ そんな深刻な話じゃないから大丈夫だからね? 大丈夫だよ 心配してくれてありがと」
みいひが笑顔を作って見せると良人は深い瞳でじっと見る
良人は、みいひみたいな人に会ったことがなかった
こんなに一生懸命で、自分より人のこと優先して考えてて、疑うという前提がなくて、いちいちものごとの良い面を見てくれる人なんて初めてだ
そんなみいひならもっと自分を大切にしてもいいのに・・
どうしてこの人は、どうなっちゃってもいいなんて言うんだろう・・
良人がみいひの目を見ながら考えていると
「大丈夫だよ ありがとう」
みいひは、良人が無垢な心で思ってくれた気持ちがうれしくて、良人の目に目で笑い掛けた
「みいひさん、いつもそうやって自分より人のこと考えて、、 どうなっちゃってもいいってことなんてないんだから、もう危ないことしちゃだめですよ? 約束できますか?」
みいひは、自分より自分を心配してくれてる良人のマジレスが、ツンと胸に染みて、涙がじわっとしてしまった
「約束?」
「約束」
涙が浮かんだ無垢な目で目を見て言うみいひに良人は子どもを諭すように言った
そして、肉付きのふっくらとした血色の良い手で指切りげんまんの形を作り、みいひの前に差し出す
みいひが、これが正解でいいのかな?と考えながら指切りげんまんの形を作って小指を差し出すと
良人は指をつないで、指切りげんまんの歌を声を出さずに歌っているんだなとわかるリズムで上下させ、最後の指切ったのところで止まって、みいひを見た
みいひは見られているのがわかってはいたが、こんなにあったかい愛情がくすぐったくて、良人の目を見返せず顔を赤くしてうつむいてしまった
実はコミュ障な良人も、みいひがうつむいている今なら言える気がして
ずっと言えなかった言葉を言った
「みいひさん、、俺、遊びじゃないです、、 遊びとかやです、、 みいひさんとちゃんと付き合いたいです」
「、、」
みいひが顔を上げて良人を見ると、良人は真っ直ぐな目をしていた
みいひは、告白しないで会うことを重ねる大人の恋愛より、気持ちをそのまま、時に体ごとぶつけるような幼い恋を待っていたような気がして
「私も良人君のこと好きだよ?」
と答えてしまっていた
これが良人とみいひの馴れ初めであった
終わり
作者の感想:ピュアいけど、なげーー(笑) 書くの超時間掛かってる 続きの続きの続きの続き とか、もう意味わかんないし でも、今回で、良人がただの性欲モンスター、束縛モンスターじゃないことが証明できて良かったです(笑)
みいひさんが、俺みたいな体型を抱き心地が良さそうと思っていることを知って、
職場の懇親会の帰り、仕事のことなら断らないことを見越して相談を持ち掛け、2人切りで飲むシチュエーションに持ち込み、強いカクテルで酔わせてラブホに連れ込んだ
懇親会の帰りにみいひさんに強引に名刺を渡してた宮崎に取られたくない気持ちもあった
ラブホでみいひさんをベッドに寝かしてから、名刺は名刺入れから出して預かった
仕事なら事務所の電話でええやろが、エロじじい
みいひさんの感じてるかわいい声も、俺を抱き締めたいというように伸ばした腕も、きゅっと抱いてくれてくっついた温もりも、苦しそうに眉根を寄せたイキ顔も全部俺のもんだ
幸福感に包まれて目を覚ました良人だが、部屋はシンと冷え、みいひはいなかった
まさか、遊びだと思われたとか・・?
急に不安が押し寄せて、今更ながら連絡先を交換していなかったことを後悔した
仕方ない
職場でなんとか切っ掛けを作って、きちんと伝えよう
みいひさんに好きな人がいるなら、みいひさんにとって遊びでもいいですって言ったけど、やっぱり遊びとかやなんです
ちゃんとお付き合いしてください
と
しかし、どうにも切っ掛けが掴めない
しばらくして、避けられているんだと悟った
仕方ない、あんなことしたんだから普通は避けられて当然だ
もちろん諦めるつもりはさらさらないが、ほとぼりが冷めるまで少し時間を置こう
今は耐えるしかないと自分に言い聞かせていたら
職場に近隣支店の営業マン宮崎が来て、顧客の紹介をエサにみいひさんを飲み屋に誘っているのを聞いてしまった
というか、あいつがみいひさん狙ってるのは知ってたから、みいひさんから名刺を預かって連絡させなくしても、いずれあいつの方から来るだろうなと思ってたから、案の定という感じだ
みいひさん疑わないで信じちゃうから、変な男の下心から俺が守ってあげなくちゃと思って、しっかり会話に聞き耳を立てていた
本当は行く前に止めたかったけど、みいひさんが仕事頑張ってるの知ってるから、曲がりなりにも顧客の紹介なら邪魔はするべきではないと思った
仕方なく向かいの飲み屋から二人を見てたら、慣れ慣れしい宮崎にめっちゃ腹が立ってイライラした
30分くらいして早々に飲み屋から出て来たと思ったら、二人はそのままホテルに入って行った
あまりの予想外の展開に信じられず、みいひさんがすぐ怒って出て来るとか期待したけど、1時間くらい出て来なくて絶望した
そりゃ、俺のやり方も良くなかったとは思うけど、みいひさんだってあんなに感じてくれてたじゃん?
気持ちがない男に抱かれてあんなに感じられるもんなの?
みいひさんもちょっとは俺のこと良いって思ってくれてたんじゃないかって感じたのに、違ったの?
俺の指で舌で性器で、あんなに濡れてくれてたじゃん?
みいひさんがホテルから出て来るのを待って、預かっていた宮崎の名刺を返したうえで、思い切り思いをぶつけてしまった
自分は体を繋げられたことうれしかったのにみいひさんは違ったんですね
と
言い切ると余計悲しくなって逃げるように帰って来てしまった
それから、切っ掛けを作って話ししようとしても、どうにもタイミングが掴めない
みいひさんが異常に忙しそうで
仕事をするという行動で避けられているんだと気付いた
当て付けに高田さん(新卒女子職員)と業務連絡で話しながらわざと楽しそうに笑ってみたりして、
みいひさん見てるかなとチラッと見たけど、全然興味なさそうに仕事してた
前から俺が高田さんと話すと聞いてそうで、体硬くして表情恐めで、もしかしてやきもち妬いてくれてるのかなとか、期待しちゃってたけど、気のせいか
みいひさんは、それからも直行直帰ばかりで、ほぼ職場にいない
日々の仕事に流されてこのままうやむやにさせる訳にはいかない
みいひさんのデスクの上にメモを置いた
「報告書のことで確認があります」
仕事のことであれば、みいひさんもスルーはできない
用件を伝えた上であえて2日間会わないようにタイミングをずらした
思惑通りほどなくして業務携帯にみいひさんから連絡が来た
「おつかれさまです、大谷です」
「(やった みいひさんから連絡きたぁ 電話の声かわいー) おつかれさまです」
「報告書の件なんですけど、お時間あります時、打ち合せお願いしたいのですが、いつでしたらよろしいですか?」
「(仕事モードもキリッとしてまたかわいい) そうですね、今日でしたら、就業時間あたりであれば(頼まれて応じてあげるの気持ちいー)」
「わかりました では、お待ちしております」
自分から逃げていたみいひが自分を切に待っているというシチュエーションに良人は大いに満足した
わざと、終礼が終わりほとんどの職員が帰った後に戻った
良人に気付くとみいひはすぐにやって来た
「金井さん(良人の名字)、おつかれさまです お忙しい中、お時間頂きすみません 報告書、何か間違いなどありましたでしょうか?」
「(俺見てすぐ来た 待たれてるじゃん 気分良し)おつかれさまです」
なんか満足気で、さわやかな良人
「大谷さん、ちょっと報告書のことで今一度確認なんですが、この訪問回数の欄なんですけど、訪問何回目っていう表記と、何回目訪問っていう表記が混在してるんですよ(どっちでもいいっちゃいいんですけど)」
「え すみません、10分頂けますか? 修正します」
「わかりました 終わったら声掛けてください 私も確認しますんで(俺、先輩ぽくてかっこいー)」
みいひが自席に戻り急いで修正しているのを愛おしそうに見る良人
5分後
「金井さん、お待たせしました 修正しました」
「わかりました じゃあ、一緒に画面見て確認しましょうか 上からいきますよ うん、うん、はい、はい、合ってる、合ってる、大丈夫、大丈夫、はい、はい、はい オッケ おつかれさまです」
「ありがとうございます! すみません、お引き止めしちゃって おつかれさまでした」
「いえいえ、確認できて良かったですね おつかれさまでした(俺、良い先輩ぽくてかっこいー みいひさんに感謝されてるし、気持ちいー)」
久々にみいひと話せて(全然仕事の話だけど)満足気な良人
このままさりげなく一緒に帰って、告白しようと思っていたら、みいひが電話を受けていた
「はい 大谷です 宮崎さん、おつかれさまです 先日、ご紹介頂いたお客様の件でなにかありましたでしょうか?」
あんのエロじじい
させるか
急いで「確認あります」とメモを差し出した
「すみません、宮崎さん、ちょっと一旦保留音流れます」
「金井さん?」
「確認あるんで残ってください」
「え? あ はい わかりました 宮崎さんお待たせしました すみません、ちょっと報告書の確認で残ることになりまして、次回またよろしくお願いいたします 失礼いたします」
「すみません、また表記が統一できてないとこなどありましたでしょうか?」
「そうじゃないんですけど、ちょっと帰りながらいいですか」
「? はい」
こうすればみいひが自分に着いて来ざるを得ないことを知りながら、デスクに戻り鞄を持って出入口に向かった
外に出て、良人の顔を斜め後ろから伺うみいひ
横に並んで「なんなんですか?」という意味で顔を見ると
良人は見られていることを知りながらもみいひを見ず
「ちょっと付き合って欲しいところがあるんで」
仕事の件だとあえて思わせたままタクシーでみいひを自分の部屋に連れて来た
やっぱりみいひさんはとにかく信じやすい人だから、危なっかしいから、自分がちゃんと見ててあげて守ってあげないとなと良人は思った
その実、みいひを仕事の悩みだ、仕事の確認だ、まだ確認ありますだなんだ、一番そういう手を使ってるのは良人なんだが
良人はめちゃめちゃ優しいが、弱いとかじゃなくて欲しいものはしっかり取りにいく男らしい性質で、
一番欲しい気持ちが強い人が持ち主になった方が一番大切にするからいいでしょ?みたいな考えがあり、
みいひを一番好きなのは自分だから、少し騙して手に入れたとしても、結局それがみいひの為でもあるんだから、まぁ許されるでしょうみたいな無意識が根底に流れていた
みいひさんが自分の部屋に来てくれて(作者注釈:騙して連れて来た)自然とテンションが上がってしまう
俺の部屋着を勧めたら、警戒もせずに着て、ズルズルのハーパンをギュッと紐で絞めてるのがなんかかわいい
ビールと昨日作って冷蔵庫に入れてあった肉じゃがを出したら、おいしそうに食べて料理が上手だと褒めてくれた
みいひさんは、幸せに対しての感度が高い
普通、肉じゃがくらいでそんなに感動しないのに、人の倍くらい喜んでるような気がする(笑)
こっちまで良い気分になってくる
「ところで、こんな状況であれですけど、確認ってなんでしたっけ?」
「あ~(確認って言って連れて来たの思い出しちゃった?)」
「報告書だと締め切り明後日ですよね すぐ、直せるやつだといいですけど(汗)」
「あ それは大丈夫です 特に直すとこないんで」
「え? あ? そうなんですか? 確認あるって報告書じゃないんですね」
「じゃないです(全然私用です)」
「えっと? そしたら、、 なんでしょう すみません、まだ仕事が未熟過ぎて自分で気付けてないです(汗)」
「あのですね、、」
「はい」
「宮崎さんでしたっけ? あの訳わかんない人(エロじじい)」
「あー、宮崎さん? 近隣支店の (訳わかんなくはないけど)」
「近隣支店だかなんだか知らんけど(知ってるけど知りたくもないし)」
「はは(汗笑) (なんか宮崎さんに対してトゲあるなぁ)」
「あの人、客の紹介エサにホテル連れ込むとかヤバい奴ですよ」
「あ~ それは、なんて言うか、別に無理強いされた訳じゃないんで」
「じゃ、なんなんですか? 行きたくて行ったと」
「え~ っと、そういうことでもないんだけど、、」
「じゃあ、どういうことなんですか」
「(説明しづら、、 良人君と体繋げちゃって仕事中も気になり過ぎて集中できなくて 高田さんと笑い合ってるの見て嫉妬しちゃって 良人君のこと考えないで済むように宮崎さんとホテル行ったとか言える訳ないじゃん)」
「どっちも行こうとしてないなら行かないですよね 普通 今日だって、客のアフターケアの話装って、誘おうとしてましたよね、あの変な人」
「(変な人ではないが) あれは、私が宮崎さんから電話といえばそういうことかなって勝手に思い込んじゃっただけで、、」
「とにかく、あいつヤバいっすよ もう仕事の話って言われても行っちゃだめですよ? 危ないから」
「(え 子ども諭すみたいに言ってくれるの? なんか、ほっこしするー) 危ないっていうか、私、高校生とか処女とかじゃないし、おばちゃんだし、大丈夫だよ どうなっちゃっても」
「、、」
「?」
「、、」
「え? あ そんな深刻な話じゃないから大丈夫だからね? 大丈夫だよ 心配してくれてありがと」
みいひが笑顔を作って見せると良人は深い瞳でじっと見る
良人は、みいひみたいな人に会ったことがなかった
こんなに一生懸命で、自分より人のこと優先して考えてて、疑うという前提がなくて、いちいちものごとの良い面を見てくれる人なんて初めてだ
そんなみいひならもっと自分を大切にしてもいいのに・・
どうしてこの人は、どうなっちゃってもいいなんて言うんだろう・・
良人がみいひの目を見ながら考えていると
「大丈夫だよ ありがとう」
みいひは、良人が無垢な心で思ってくれた気持ちがうれしくて、良人の目に目で笑い掛けた
「みいひさん、いつもそうやって自分より人のこと考えて、、 どうなっちゃってもいいってことなんてないんだから、もう危ないことしちゃだめですよ? 約束できますか?」
みいひは、自分より自分を心配してくれてる良人のマジレスが、ツンと胸に染みて、涙がじわっとしてしまった
「約束?」
「約束」
涙が浮かんだ無垢な目で目を見て言うみいひに良人は子どもを諭すように言った
そして、肉付きのふっくらとした血色の良い手で指切りげんまんの形を作り、みいひの前に差し出す
みいひが、これが正解でいいのかな?と考えながら指切りげんまんの形を作って小指を差し出すと
良人は指をつないで、指切りげんまんの歌を声を出さずに歌っているんだなとわかるリズムで上下させ、最後の指切ったのところで止まって、みいひを見た
みいひは見られているのがわかってはいたが、こんなにあったかい愛情がくすぐったくて、良人の目を見返せず顔を赤くしてうつむいてしまった
実はコミュ障な良人も、みいひがうつむいている今なら言える気がして
ずっと言えなかった言葉を言った
「みいひさん、、俺、遊びじゃないです、、 遊びとかやです、、 みいひさんとちゃんと付き合いたいです」
「、、」
みいひが顔を上げて良人を見ると、良人は真っ直ぐな目をしていた
みいひは、告白しないで会うことを重ねる大人の恋愛より、気持ちをそのまま、時に体ごとぶつけるような幼い恋を待っていたような気がして
「私も良人君のこと好きだよ?」
と答えてしまっていた
これが良人とみいひの馴れ初めであった
終わり
作者の感想:ピュアいけど、なげーー(笑) 書くの超時間掛かってる 続きの続きの続きの続き とか、もう意味わかんないし でも、今回で、良人がただの性欲モンスター、束縛モンスターじゃないことが証明できて良かったです(笑)
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