【ご都合主義シリーズ】超年下彼氏に溺愛される話4
みいひ視点
夏の暑さが与えるダメージが徐々に体に蓄積して、お盆辺りに体調を崩した
出勤日はなんとか仕事して乗り切ったが、休みの日に寝込んでしまった
体を温めて血を循環させて内臓を機能させるような熱ではなく、内臓は冷えて機能しないのに無駄に熱がこもるような、脳だけがのぼせているような、邪熱とでもいうような熱をエアコンの効いた部屋の布団の上で冷ましていた
表面にロックを掛けていた理性が熱で外れ、体調不良で本能だけになってしまい
考える気もないのに良人のことばかり浮かぶ
寝転んだ姿勢の目のふちに涙が溜まったのを感じたすぐ後、涙はふちを超え、顔を滑っていって枕に染み込んだ
そういえば、良人が新卒の女子職員に丁寧に仕事を教えているのを見ると嫉妬してしまっていた
それが良人じゃない他の職員だとしても、新人には親切に教えてあげるべきだと思うし、自分のノウハウを抱え込んで教える振りして教えないで業務知識でマウント取るような人より、正しい姿勢だと思う
だから、初めてその場面を見た時、驚いた
自分が嫉妬していることに
私にも嫉妬っていう感情あったんだ、知らなかった
頭では、それが社会人としての正しいあるべき姿だと考えることはできてるのに、どうしても心が嫉妬してしまう
きっと今、自分は怖い顔をしているんだろうと思い、ごきげんな顔はできなくてもせめてフラットな表情を作ろうと心掛けた
見ない振りしていたその感情は消失したわけではなかったようで徐々に蓄積して、一定量を超えてしまっていたようだ
良人と離れようと思った
良人は、まだ若い
新卒の子くらいの若い女の子が相手であれば、結婚して家庭を作って子どもを持つこともできる
会ったことはないが、愛されて育った感じがする良人だから、親御さんもきっと良人の子どもの顔を見たいだろう
良人の子だったら絶対かわいいはずだ
それより何より、子どもを抱いている良人が絶対かわいいはずだ
おっかなびっくりぎこちなく、でも柔らかに抱いて優しく目を見つめたりするのだろう
できれば、私が良人の子を産めれば良かった
駄目でしょ?と優しくしかる良人も見たかったし、親になってく良人も見たかった
でも、もう子どもを産む年齢はとうに過ぎている
超高齢出産なら、今から産むのも無くはないかもしれないが、前の結婚で離れて暮らしている子の学費は送金したいし、私が自分以外の子と暮らしてると知ったらきっと傷付けてしまうだろう
体が弱かったのか心が弱かったのか、出産の後、メンタルを崩してしまい働けなくなり、金を稼げない奴はお荷物でしかない、精神的に不安定な奴が俺の子の身近に居るのはリスクでしかない、と離婚に至ってしまった
あの子は今は、父親とその母親と一緒に暮らしているはずだ
自分を置いて出て行った母親が、他の子とは一緒に暮らしていると知ったら裏切りだとショックを受けるのではないか
それだけは、人としてしてはならない
何もしてあげられないならせめて邪魔だけはしてはならない
だから、良人の子は産めない
良人が結婚に向かない人だったり、女性を姓の対象としか見ない男だったりすれば良かった
離婚した後、何人かそういった男性と付き合ったが、一緒にいてもさみしくて、別れてしまった
良人がそういう感じだったら良かった
そうしたら、ずっと一緒にいられたから
私が別れても他の誰とも結婚しない人なら、私が一緒にいても私がその人の良い可能性を潰すことにはならない
結婚も家庭も子どもも負担だし面倒だし煩わしい、一人で自由に金使って気楽でいたい、会える時だけ会っていちゃいちゃできれば他に何も望まないよ、みいひに負担は掛けないよ?という人だったら良かった
そうしたら、ずっと一緒にいられたから
でも、良人にはそういう生き方はもったいなさ過ぎる
愛されて家庭も子どもも持てる人だ
可能性も未来もある人だ
私がいても良人の邪魔になるだけだ
ずっと、うっすら感じていた事実をはっきりと確認して、一気に涙がまた溢れてきた
良人に会えて、誰と付き合っても消えなかった孤独が消えた
良人と会って、ずっと消えなかったさみしさが癒えた
何にでも真剣な良人
仕事も入れ過ぎたり、
伸びない同僚にも真剣に教えたり、
どんな質問にもマジレスだったり(笑)
何にでも一所懸命なのすごいなって思うし、
誰のことも良い可能性しか見てないのも心がきれいだなって思うし、
深い意味なく話題で聞いただけのことも100パーセントで答えようとする姿も、とても愛しい
私が良人のなんでも真に受けるとこにツボって笑ってるとうれしそうにもっと話し出すのもかわいい
良人には、そうやってずっと笑ってて欲しい
だから、良人といるべきなのは私じゃない
結婚とか子どもとかなかったら、良人のこと私が一番笑わせてあげられる気したけど・・
良人、
バイバイ
ありがとう
私の良いところ、わかってくれてありがとう
良人が、今まで会った人の中で一番私の生き方に近い人だった気がするよ
私が目指してる生き方先にしてたのが良人で、
良人が目指してる生き方先にしてたのが私だったんじゃないかな?
初めて会った時から何日か経った時、仕事のやり方をすごく丁寧に教えてくれてきれいな目で見られた時、真っ直ぐ見返せなかった
好きになってしまうって思ったし、この人私のこと好きになっちゃいそうだなって思ったから
この人、嘘付けなそうだから、職場恋愛とかしたら私にくっ付き過ぎて上司にバレて評価下げられるとかあるなって思ったから
近付かないで守ってあげなきゃって思った
だけど、結局、付き合っちゃったけど
私、もしかして、本当に人を好きになったの小学生の時の初恋以来初めてかも
良人、好きになってくれてありがとう
みいひは、普段仕事で真顔ばっかり作ってる良人が、自分と話す時は馬鹿なことを真剣に言って笑ってる目で目を見てくるのを思い出して、泣けて仕方なかった
おしまい
夏の暑さが与えるダメージが徐々に体に蓄積して、お盆辺りに体調を崩した
出勤日はなんとか仕事して乗り切ったが、休みの日に寝込んでしまった
体を温めて血を循環させて内臓を機能させるような熱ではなく、内臓は冷えて機能しないのに無駄に熱がこもるような、脳だけがのぼせているような、邪熱とでもいうような熱をエアコンの効いた部屋の布団の上で冷ましていた
表面にロックを掛けていた理性が熱で外れ、体調不良で本能だけになってしまい
考える気もないのに良人のことばかり浮かぶ
寝転んだ姿勢の目のふちに涙が溜まったのを感じたすぐ後、涙はふちを超え、顔を滑っていって枕に染み込んだ
そういえば、良人が新卒の女子職員に丁寧に仕事を教えているのを見ると嫉妬してしまっていた
それが良人じゃない他の職員だとしても、新人には親切に教えてあげるべきだと思うし、自分のノウハウを抱え込んで教える振りして教えないで業務知識でマウント取るような人より、正しい姿勢だと思う
だから、初めてその場面を見た時、驚いた
自分が嫉妬していることに
私にも嫉妬っていう感情あったんだ、知らなかった
頭では、それが社会人としての正しいあるべき姿だと考えることはできてるのに、どうしても心が嫉妬してしまう
きっと今、自分は怖い顔をしているんだろうと思い、ごきげんな顔はできなくてもせめてフラットな表情を作ろうと心掛けた
見ない振りしていたその感情は消失したわけではなかったようで徐々に蓄積して、一定量を超えてしまっていたようだ
良人と離れようと思った
良人は、まだ若い
新卒の子くらいの若い女の子が相手であれば、結婚して家庭を作って子どもを持つこともできる
会ったことはないが、愛されて育った感じがする良人だから、親御さんもきっと良人の子どもの顔を見たいだろう
良人の子だったら絶対かわいいはずだ
それより何より、子どもを抱いている良人が絶対かわいいはずだ
おっかなびっくりぎこちなく、でも柔らかに抱いて優しく目を見つめたりするのだろう
できれば、私が良人の子を産めれば良かった
駄目でしょ?と優しくしかる良人も見たかったし、親になってく良人も見たかった
でも、もう子どもを産む年齢はとうに過ぎている
超高齢出産なら、今から産むのも無くはないかもしれないが、前の結婚で離れて暮らしている子の学費は送金したいし、私が自分以外の子と暮らしてると知ったらきっと傷付けてしまうだろう
体が弱かったのか心が弱かったのか、出産の後、メンタルを崩してしまい働けなくなり、金を稼げない奴はお荷物でしかない、精神的に不安定な奴が俺の子の身近に居るのはリスクでしかない、と離婚に至ってしまった
あの子は今は、父親とその母親と一緒に暮らしているはずだ
自分を置いて出て行った母親が、他の子とは一緒に暮らしていると知ったら裏切りだとショックを受けるのではないか
それだけは、人としてしてはならない
何もしてあげられないならせめて邪魔だけはしてはならない
だから、良人の子は産めない
良人が結婚に向かない人だったり、女性を姓の対象としか見ない男だったりすれば良かった
離婚した後、何人かそういった男性と付き合ったが、一緒にいてもさみしくて、別れてしまった
良人がそういう感じだったら良かった
そうしたら、ずっと一緒にいられたから
私が別れても他の誰とも結婚しない人なら、私が一緒にいても私がその人の良い可能性を潰すことにはならない
結婚も家庭も子どもも負担だし面倒だし煩わしい、一人で自由に金使って気楽でいたい、会える時だけ会っていちゃいちゃできれば他に何も望まないよ、みいひに負担は掛けないよ?という人だったら良かった
そうしたら、ずっと一緒にいられたから
でも、良人にはそういう生き方はもったいなさ過ぎる
愛されて家庭も子どもも持てる人だ
可能性も未来もある人だ
私がいても良人の邪魔になるだけだ
ずっと、うっすら感じていた事実をはっきりと確認して、一気に涙がまた溢れてきた
良人に会えて、誰と付き合っても消えなかった孤独が消えた
良人と会って、ずっと消えなかったさみしさが癒えた
何にでも真剣な良人
仕事も入れ過ぎたり、
伸びない同僚にも真剣に教えたり、
どんな質問にもマジレスだったり(笑)
何にでも一所懸命なのすごいなって思うし、
誰のことも良い可能性しか見てないのも心がきれいだなって思うし、
深い意味なく話題で聞いただけのことも100パーセントで答えようとする姿も、とても愛しい
私が良人のなんでも真に受けるとこにツボって笑ってるとうれしそうにもっと話し出すのもかわいい
良人には、そうやってずっと笑ってて欲しい
だから、良人といるべきなのは私じゃない
結婚とか子どもとかなかったら、良人のこと私が一番笑わせてあげられる気したけど・・
良人、
バイバイ
ありがとう
私の良いところ、わかってくれてありがとう
良人が、今まで会った人の中で一番私の生き方に近い人だった気がするよ
私が目指してる生き方先にしてたのが良人で、
良人が目指してる生き方先にしてたのが私だったんじゃないかな?
初めて会った時から何日か経った時、仕事のやり方をすごく丁寧に教えてくれてきれいな目で見られた時、真っ直ぐ見返せなかった
好きになってしまうって思ったし、この人私のこと好きになっちゃいそうだなって思ったから
この人、嘘付けなそうだから、職場恋愛とかしたら私にくっ付き過ぎて上司にバレて評価下げられるとかあるなって思ったから
近付かないで守ってあげなきゃって思った
だけど、結局、付き合っちゃったけど
私、もしかして、本当に人を好きになったの小学生の時の初恋以来初めてかも
良人、好きになってくれてありがとう
みいひは、普段仕事で真顔ばっかり作ってる良人が、自分と話す時は馬鹿なことを真剣に言って笑ってる目で目を見てくるのを思い出して、泣けて仕方なかった
おしまい
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