シンクロ
name change
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朝に弱いあなたは、目覚ましが鳴ってから三十分後にのそのそと寝室から出てきてそのまま洗面台へと向かう。
「沙樹」
「コーヒーなら丁度淹れ終わったよ。はい、どうぞ」
「ああ……サンキュ」
まだ寝ぼけ眼のまま一番にすることは、お気に入りの豆を挽いてできたコーヒーをブラックで飲むこと。
「沙樹」
「新聞ならパソコンの上置いといた。アメフトの記事載ってたよ」
「ああ、サンキュ」
そしてぼんやりしていた頭がようやく回転し始めてきた頃、経済新聞とスポーツ新聞と英字新聞にそれぞれ目を通す。
「沙樹」
「朝ご飯なら、後はパン焼くだけだよ。すぐに食べる?」
「ああ、サンキュ」
ものの三分程度でさっさと日課を終わらせた後は、グリーンサラダにコンソメスープにバタートーストで軽めの洋朝食。
そして、お決まりの台詞。
「沙樹」
「私も好きだよ、妖一」
「……テメー、人の台詞まで先取りしやがって」
「サンキュって言わないの?」
「言うかよ」
「なーんだ」
「……沙樹」
「なあに?」
「……好きだぞ」
「……ふふっ。うん、私も」
最後は決まってそう言うの。
あなたと一緒に過ごし始めて一年、もう私の身体に馴染んでしまった。
名前を呼ばれるだけで求めてることや次の言葉が分かるって、まるでシンクロしてるみたいね。
飽きるどころか、こんな些細なことですら幸せを感じてる自分がいる。
あなたも私と同じようにそう思ってくれてることを、私は知ってる。
テレパシーを使える日が来るのも、私たちならきっとそう遠くない。
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