3話 5月16日
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今日の練習メニューを考えながら歩いていると、いつもの部室が見えてきた。
中で誰かが話してんのか、ぼそぼそと声が聞こえてくる。
少し距離があったが、俺の地獄耳には十分聞いて取れた。
これは糞三兄弟と……甘川?
アイツら大して接点ないはずだが、何話してやがんだ?
部室のすぐ前まで来たが、なんとなく開けるのをためらって聞き耳を立てた。
「あの、ちょっと……ごめんなさい、離して……もらえますか」
「俺ら同じ一年だろ。敬語なんか使わなくていいって」
「そうそう、これからもっと仲良くなるんだし?」
「楽しくやろうぜ、沙樹ちゃ~ん」
会話を聞いた瞬間、察した。
糞三兄弟が甘川に言い寄っている。
甘川が嫌がっているのにも関わらず、だ。
――ドゴォンッ!
考えるより早く足が動いて、戸を蹴り開けていた。
真っ先に目に入ったのは、腕をつかまれて泣きそうな表情の甘川。
そして、取り囲むように突っ立っていた糞三兄弟。
俺の中で、何かがプツンと音を立てた。
「……ヒル魔先輩……」
いつもの甘川からは想像できないほど、か細く震えた声だった。
あえて猶予を持たせるように、担いでいた銃をゆっくりと構える。
糞三兄弟の顔はみるみるうちに恐怖に歪んでいった。
「テメーら、よっぽどぶち殺されてえみてえだな……お望み通り殺ってやるよ」
ボルテージが上がりすぎていたせいか、言い終わる前に無意識に乱射していた。
テーブルに、壁に、天井にと穴が開いていく。
糞三兄弟は悲鳴を上げながら、俺の足元をすり抜け、一目散に走って行った。
逃がさねえ。
隠し持っていた二本目の銃も構え、間髪入れずに後を追った。