3話 5月16日
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「じゃあ私はこれ持って行くから、後はお願いできる?」
「わかりました!」
洗濯が終わり、まもり先輩が部室から出て行くのを見送った私は、部活が始まるまで掃除をすることにした。
春大会後に新しくなった部室……というよりカジノ部屋は、前の部室に比べると設備も整って広くもなった。
でも気付くといつも散らかってて、毎日室内の片付けから始まる。
割とこまめに掃除してるつもりなんだけど、いつの間に汚くなっちゃうんだろう。
――ガラッ
不意に音がした方に顔を向けると、ハァハァ三兄弟と呼ばれる三人組が立っていた。
同じ学年の十文字くん、黒木くん、戸叶くん。
最近新しく入部した仲間だけど、同じクラスでもないから基本的に三人のことはあんまり知らないんだよね。
それに私自身、男の人と話すのあんまり得意じゃないし……。
一回、外に出ようかな……。
部室を出るために横切ろうとしたとき、急に十文字くんに腕をつかまれた。
「えっ、なに……」
「ちょっと話でもしよーぜ」
「そうそう、俺ら普段あんまりしゃべれないじゃん? 沙樹ちゃんのこともっと知りたくてさ~」
十文字くんの力ずくな提案に、黒木くんが更に乗っかってきた。
強行突破しようとも、まだ部活始まんねーしなと戸叶くんが出口を塞ぐ。
えっ、何これ……どんな状況?
絶対普通にお話する感じじゃないよね。
なんかニヤニヤしてるし、急に馴れ馴れしく名前で呼んできたし。
やだ、なんか……怖い……。
「あの、ちょっと……ごめんなさい、離して……もらえますか」
「俺ら同じ一年だろ。敬語なんか使わなくていいって」
「そうそう、これからもっと仲良くなるんだし?」
「楽しくやろうぜ、沙樹ちゃ~ん」
腕は振り払うこともできないくらい強い力でつかまれていた。
出口は変わらず塞がれている。
少しずつ距離を詰められて、これ以上後ろにも下がりようがない。
逃げられない。
そう思った瞬間、鳥肌が立った。
冷や汗が背中を伝う。
怖い。怖い。怖い。
ここから逃げたい。
助けて……助けて!!
――ドゴォンッ!
ものすごい音がして、思わず瞑っていた目を見開いた。
おそるおそる顔を上げると、そこには――
「……ヒル魔先輩……」
恐怖と焦りでカラカラになった喉から絞り出した一言。
その言葉が合図にでもなったみたいに、先輩は銃を構えた。
「テメーら、よっぽどぶち殺されてえみてえだな……お望み通り殺ってやるよ」
ヒル魔先輩が言い終わるか終わらないかくらいで、乱射し始めた。
つかまれていた腕が解けたのに気付き、すぐさま座りこむ。
ギュッと目を閉じて、耳を塞いだ。
今は、何も考えたくなかった――