群青の空に愛を唄う。
名前
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〈2人の愛言葉〉
目が覚めると、なぜか泣いている。
そういう事が、時々ある────────。
夜中3時。
ふと目が覚めれば、少し濡れている枕と自分の頬。
ここ最近、朝が来ないままで、と願うことが多くなった。
職場に行けば理不尽に叱られ、ミスを押し付けられる毎日。
ちょっとしたミスでも、どこか心の中で引っかかってしまって。切り替えなきゃ行けないと思っていても、なぜか切り替えられない。
気にすることないって分かっているのに、それが続いてしまうと、自分の中で、気持ちの取捨選択ができなくなるときがある。
そんなのとが積み重なっていくと、いつのまにか寝ながら泣いていて、それをそっと袖で涙を拭うことが日課になっていた。
彼に気づかれないように。この気持ちは、私だけがもっていればいい。彼が知る必要はない。
私のせいで、彼の野球人生を壊す訳にはいかないから。
19 「っ、ん⋯⋯ 名前 ⋯⋯?」
『⋯⋯⋯⋯⋯』
寝たふりをしてしまうのも、私の癖。
そうしないと気づかれてしまうから。
でも心のどこかで、気づいて欲しいと思っている自分もいて。
19 「⋯⋯⋯泣いたん、?」
────────なんで、、気づいてるの。
その少し掠れた大好きな声が、余計に私を泣かせるから。
19 「ね、起きてるんやろ?」
『っ、なんで、?』
19 「気づいてないと思ったん?」
『うん、。』
19 「最近隈酷かったし、なんか辛そうやったから。」
バレバレだよ、って。
19 「職場でなんかあったん?」
『んー、ちょっとね笑 でも大丈夫だよ?ね、?』
19 「なぁ、名前。
────────俺じゃ、頼りない?」
はっとした。
その言葉を言った彼の顔は、少しだけ悲しそうな、傷ついた顔をしていたから。
自分の勝手な意地で、知らないうちに彼を悲しませていたのかもしれない。
『そういうわけじゃないけど⋯⋯』
19 「もちろん無理にとは言わへんけどさ。話してほしいなぁ。」
19 「辛いことは2人ではんぶんこって言ったやん?」
“───────じゃあ約束な。辛いことは、はんぶんこね?”
それは、いつの日かした約束。
『覚えてたんだ、』
19 「うん。ずっと覚えとった。」
もういっそのこと、話した方が楽?
でも、私が相談することで、彼に迷惑をかけてしまうのでは無いだろうか。
そんな思いが渦巻く。
19 「迷惑じゃないで。大丈夫。」
彼は、そんな私の心を見透かしたらしい。
そう言われて、思い切って話すことにした。
仕事を押し付けられていること、上司のミスも全部私に押し付けられていること。
全部話した。
時々言葉に詰まりながらだけど。
19 「そんなこと、1人で抱え込んでたん?」
『だって、野球に集中してほしいから。』
19 「ごめんな。気づいてやれんくて。」
少しだけ体を起こして、そっと抱きしめてくれた。
とんとん、と背中を一定のリズムで優しく叩いてくれていて、心が浄化されていく。
19 「じゃあ、もう1回約束しよっか?」
「辛いことがあったら、絶対に相談すること」
「はんぶんこやで?」
『⋯⋯⋯うん!』
“辛いことは、はんぶんこ。”
これが私たちの愛言葉。