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指切りげんまん、嘘ついたら死んでくれ。

時計の針の音だけが虚しく響く。生ぬるい部屋の温度が気持ち悪くて、閉じられたカーテンに手を伸ばした。
「なにしてるの」
伸ばした手は後ろから引き戻され、汚れたシーツに縫い付けられる。
「窓、開けようと思って」
「あっそ」
興味がないといった顔で、男は煙草に手を伸ばす。
「ウチ灰皿ないんだけど」
「あー、わすれてた。……ごめんね?」
そう言いながら煙草に火を点けるのだから、この男はどうしようもない。
この男ーー桐谷は、どうしようもない男であるが、どうしようもない男であるが故にちょうどいいと思う。
一緒に死ぬにはちょうどいいクズだ。
「ひーくん?怒った?」
「うん、怒った」
これで許してと重ねられた唇は、苦くて不味い。
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