彼女がもし腐女子だった時
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「そういうわけだから、蒼空、今日の放課後は空けて」
「黒斗先輩!やっほやっほ〜!!」
「げっ、スバル…」
実は昨日はレッスンがあったんだが?とか若干八つ当たり混じりに俺に説教している黒斗が、すばりゅんの顔を見て苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる。
「あ、やっほー、すばりゅん!」
「ホシノ先輩も一緒かぁ〜、これじゃ甘えてもらうのは難しいかなぁ」
会ってそうそう露骨に肩を竦めるすばりゅんに若干苛つきを覚えながら、なにごと?と黒斗に尋ねる。
「昨日、スバルと女と一緒にカフェに行ったんだ。俺のストレス解消に付き合えってな」
「へぇ…めずらし」
「それに味をしめて、こいつが話を聞いて甘えさせてあげる代わりに奢ってもらおうという馬鹿な計画を考えたみたいだな」
「いや、黒斗に甘えさせるなんて難しいだろ…。ってか、そのメンツでストレス解消しなきゃいけないほどだったんだ」
「…昨日はな。泉と喧嘩してたのお前も見ただろ」
「ん…あー!そういう?てかそんなに嫌だったの?体調管理がどうこう言われるの」
「甘いものも脂身あるものも、味が濃いものも駄目だなんて今まであいつに管理されたことなかったのに、なんか急にキレたんだよ。俺が、有名シェフが作る簡単なパンケーキの作り方〜って動画見てただけなのに」
「ちょっとちょっと!俺を抜きにして2人で会話しないでよ!」
と、俺との会話を終わらせるようにすばりゅんが黒斗の腹部に抱きついていく。
うわ、その勢いはさすがキツそう…。
「ゔっ!?お、まえはぁぁ!いい加減飛びついてくるのやめろ!昨日も帰りの道中で隙あらば飛びついてきやがって!」
そんな手のかかる子供みたいなことしてたのすばりゅん?
「えぇー!だって黒斗先輩のこと好きなんだもん!甘えてほしいし甘えたい!!あとそういう反応がかわいいし!」
「なっ、に言ってんだ!お前は!ここ食堂だぞ!衝動的に言葉を発するのがお前の悪い癖だ!」
「そ、そうそうっ、さすがに…例えばプロデューサーちゃんに聞かれたら」
と、俺が警戒して周りを見ると、ラブコメのお約束の如く、書類をバサバサと音を立てて落とすプロデューサーちゃんの姿。
「うわぁ…まじか」
言葉を失って乾いた笑いを溢す俺に対し、その音に反応してすばりゅんがくるりと振り返る。
「あれ?プロデューサーじゃん!どしたのどしたの!拾うの手伝うよ!」
無自覚タラシでもあるすばりゅんはさっきまでの黒斗への懐きようはどこへやら…手のひら返しのようにプロデューサーちゃんのもとへ走っていき一緒に書類を拾っている。
「黒斗…なんか大型犬と遊んだ後みたいな疲れようだな」
「ほんと、あいつは自分の感情に忠実に生きてるから…まぁ、今となっては良いことなんだが…俺と真反対すぎて接し方のギャップについていけない」
「まぁでも、間違いなくすばりゅんと一緒にいることでいい影響もあるじゃん」
「はぁ?なんだそれ」
若干わからないのが腹立つ。とでも言いたげに眉間にしわを寄せる黒斗。だけど、はぁ?っていう口とか、さっきまでの疲労の中に見える笑顔とか、それはやっぱりすばりゅんに先導されてできてることだと思うんだよなぁ。
「…答える気なさそうだな…?」
「ふふーん★観てもいいんだけどな?」
「嫌だ。なんか癪に障る。」
ふい、と子供のように拗ねた顔で背中を向ける黒斗。
向かっていくのは食堂の出口で、
「あれ?黒斗先輩行っちゃうの~!」
「当然だ!もうすぐ昼休みが終わるんだから、お前らもさっさと教室に戻れよ。」
「は~い!黒斗先輩っ、また放課後にね~!」
ぶんぶんと手を振るすばりゅんに追い払うような仕草を返す黒斗。
俺も教室戻らないと、と我に返る。え?てか俺置いてかれた?
「蒼空先輩。さっきの状況になった経緯を放課後にぜひとも詳しくよろしくお願いします。」
「うわっ、いつの間に近くに…えーと、構わないけど、黒斗もいるし、タイミング良ければな?」
「今日はホシノ先輩も一緒にレッスンできるの?楽しみ!一緒にバク転決めて欲しいところあるから絶対一緒に踊ろう!」
「はいはい、わかったわかった!もぉー、すばりゅんは誰にでも距離近いんだから…」
「スバ×ソラ…!!全然ありですよ!」
「本人を前にしてそういうこと言わないでくれるかなぁ!!」
ぐっ、っと親指を立てるプロデューサーちゃんに、反射的に大声を出してしまったのは、…いや、俺のせいではないはずっ!
::END
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