彼女がもし腐女子だった時
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「うわ…うわうわ…ちっか」
皆さんにも見ていただきたいくらいです。
嵐ちゃんの時もそうですけど、やっぱり綺麗×綺麗=尊いってことですね。
2人の距離はいくらワンハンドのケーキを食べさせあうにしてはあまりにも近い。
そりゃ、カメラの画角とか…テレビに流れる時のサイズ感とか考えたら近くなるのもわからなくもない…けど…
さっきまでの2人は
「近い!いくら何でも近くない!?いくら黒斗の顔が中性的だとしても!」
「あぁったく…!目の前でぎゃんぎゃん騒ぐな!俺だって好きで顔近づけてるわけじゃないんだよ」
なんて言い合ってたのに。
今じゃ用意されたセリフを決め顔で簡単に言い合ってる…。
「甘いお前も嫌いじゃないぜ」
「たまには大人の味を味わいたいな?」
ソファにだらしなく寝転がる黒斗先輩に跨るように羽風先輩が覆いかぶさる。
マウント…、え?これが公式で?地上波で流れるの?大丈夫なんですか?
いやもう、なんていうか…ほんとに役にピッタリなお2人だし、もう本人なのでは?
…自分で言っててよくわからないですけど。
「はい、OKです!」
と、スタッフさんの声と同時に勢いよく離れる羽風先輩。
がしかし、ここはお約束。
「うわっ…っと!?」
柔らかいソファの上では当然踏ん張ることもできず、バランスを崩した羽風先輩は思いきり黒斗先輩の元へ帰っていくことになる。
「ちょ、薫っ」
これは事故チューの予感!って思ったのは当然外れまして…代わりに持っていた2人のケーキがお互いの顔面にダイブする。
慌てて手が前に出るのは仕方ないとはいえ、割とその辺抜け目ない2人だからケーキをかばってぶつかりに行くかと思ったんですけど…
「ぷはっ!おま!いの一番に俺の口元にケーキぶつけやがって!」
「黒斗だって!俺の動き見ててあえてやり返したでしょ!」
お互いクリームだらけになりながら喧嘩が始まる。
スタッフさんが怪我無いですかぁ!なんて心配してるのにお構いなし…
「もう~、いちいちシャワー浴びて帰らなきゃじゃん」
「言っておくが俺がやり返した側だからな?」
「あの、お2人とも!痴話喧嘩はいったんストップですよ!」
「「痴話喧嘩じゃない!」」
はっ、勢い余ってなんという失言。
まるで2人がカップルかと思われる発言ですね!よくないよくない…
「んあー、あ、でも俺こっちの味の方が好みだ」
ペロリ、と自分の口元のクリームを少し舐め取った後、バニラの風味がする。クリームに混ぜてるのか?とクリームまみれの口元でスタッフさんに問いかけている。
「え、黒斗あの顔で会話できるとかどんな度胸の持ち主なの…?転校生ちゃん、あんな仕事人間と付き合っちゃ駄目だよ?」
ある程度の汚れをタオルで拭きとった羽風先輩が肩を竦めながら私の隣に立ち、揃って黒斗先輩の様子を見守る。
「あ、はは…私はまぁ、誰かとお付き合いするより誰かがお付き合いしているのを見守りたいというか…」
「えぇ?そうなの?」
「薫。今度このケーキに似たようなの俺が作るから食べてみてくれ!」
と、私との会話の間に入ってくるほどなんかウキウキ?な様子の黒斗先輩。
いや、勝手にウキウキだと思っただけですけど…なんか声にハリがあるし…
「えー、やだよ?なんで俺が男の手作りケーキなんて食べなきゃいけないの?せめて転校生ちゃんに作ってあげなよ」
「同じクラスのよしみで作ろうとしたんだが、はぁ…なら泉にでも作るか」
「いやいや、瀬名くんこそ絶対受け取ってもらえないよ?カロリーが~とか言ってさ」
「……そうか」
瀬名先輩の発言を想像したのか、心なししょんぼりしているように見える黒斗先輩。
私が羽風先輩を見ると、目が合い困ったように苦笑いした。
「あぁもう、わかったから、俺が食べてあげる。」
「…!そうか、よかった。まったく同じものを作るわけじゃないが、楽しみにしててくれ」
ふっと、笑顔を見せる黒斗先輩。
おぉぉ、羽風先輩がこの笑顔を生んだと思うと…これはもう羽風先輩×黒斗先輩確定ですね。ありがとうございました。
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