彼女がもし腐女子だった時
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「あ"ー、この企画潰せばよかった」
「さらっと怖いこと言わないでくれないかな。せっかく僕が考えた企画だよ?正当なドリフェスなんだから」
「俺と組むためだけにメンツ選んでおいて何が正当なドリフェスだ。ったく…そもそもなんで俺と組みたがるんだ」
「それは当然、僕が黒斗のことが好きだから。だから本当は2人だけでしたかったんだけれど、よく考えればドリフェスは対バンしなきゃいけないからね…。それで相手はあの2人にした。ってこと。結果はどうでもいい。君とステージに立てたことが僕にとって何よりのご褒美だよ」
「あー…?ステージの上じゃ俺は病弱な患者みたいだと思うんだが…あれか?仲間意識か?」
「まったく…君のそういうところ、嫌いになりそうだよ」
なんて、ライブの余韻に浸りながら舞台袖の簡易椅子に座り話し込む2人…。
勘弁して…私がその後ろの仮物置にいるのに出るタイミング完全に見失っちゃってるんですけど!
さっき真くんが瀬名先輩から逃れながら私を呼んでたんだけど…いや、あっちはあっちで美味しいCPだからと思って息を潜めてたら…今度は眼前に思わずCPが現る…!
というか蒼空先輩に殺されないかな私。大丈夫かな…
「もともと俺もお前のことはそんな好きじゃないからな。天祥院」
「おっと、だからって苗字呼びは止めてほしいな。まるで昔みたいだ。君がまるでヘビのような目をしていたときだよ」
「…はは、冗談だ。上辺だけで仲良くするつもりが、気が付いたら俺も、英智って呼ぶほうがしっくりきてる。」
「っ、そうかい?それなら…まぁ、いいんだけど…黒斗って相変わらず人に好かれるのが上手いというか、人を魅了するのが上手いね」
それはっ、私も思います!
たいていの人はある程度話しただけで懐く…げふげふ、慕っていたり、気を許したり、当の本人がめちゃくちゃ警戒心強いのにどうして?って思うんですけど…
物置からこっそりと2人を見る。が、若干黒斗先輩の顔が見切れている。
「そうか?俺は別になんの意識もしてないけどな…って、なん」
黒斗先輩の声が途中で途切れたかと思うと、椅子に座る同士の距離感だったはずの天祥院先輩が身を乗り出して黒斗先輩に近寄っていた。
…え、これってもしかしてもしかしなくても…?
物置にいる私が悔やまれる。いやほんとに。
見切れてて確証が持てないのが本当に悔しい。
けど、隣り合わせで座っていたはずなのに明らかに天祥院先輩の顔が黒斗先輩の顔の位置にある。
つまりこれは、あれだ。キスだ。うんそうに違いない。
「黒斗。わからないなんて言わせないつもりなんだけど」
「…え、いや…わ、わかるかっ…!突然なにして!」
わぁ、この反応は完全に口だ!
くぅぅぅ、見たかった!えっ、というか普通にこんなところで何しだすんです天祥院英智生徒会長!学院の風紀が乱れますよ!
「まったく…、本当に僕と2人きりだったらもっと迫ってもよかったんだけど」
と、やれやれ、なんて苦笑いを浮かべてこちら側に体を向ける天祥院先輩。
え…ちょっと待って?
「は?どういう…」
天祥院先輩に倣って物置の隙間に視線を移す黒斗先輩。が、一度瞬きしたあと確実に私と目が合う。
「っっ!?!?!?」
がしゃん、と簡易椅子が勢い良く倒れ、そのまま黒斗先輩が走って消えていってしまう。めっちゃ足はや…
「もう、プロデューサーちゃんってば案外スケベなのかな?こういうの覗き見するのが趣味?」
「ひぇ…違います違います。たまたま居合わせただけで…」
「ふふ、わかってるよ。途中からもしかしてって思ったんだよね。…それに、ある程度の既成事実を作れば、黒斗が僕に対する態度を少しだけ良くしてくれるかなって思って」
「いや、あの黒斗先輩がキスの1つや2つで揺るがなさそうですよ。悪い意味でも良い意味でも…」
くすくすと大笑いしそうになっているのをこらえる天祥院先輩。
どういう作戦のつもりか分からない、んですけど…
「好きな子ほど意地悪したくなるってこういうことなんだね」
あ、作戦とかって言うよりこっちが本音っぽい…!
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