彼女がもし腐女子だった時
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「無理でした…まことに申し訳ございません。蒼空先輩」
「え"、ちょっとプロデューサーちゃん…!どしたの急に!」
「ゆうくん♪そんな女なんて放っておいて俺と愛のレッスンしよう!」
「ひぃ!?レッスンは百歩譲ってしますけど愛はないです!こっち来ないで!」
「ふふ、2人とも相変わらず元気そうで何よりだよ。1週間後のライブに間に合うようにレッスンはまじめにやってほしいけど。ね?黒斗」
「…おー、」
それぞれが好き放題に、いや主に1人だけですけど…レッスン室で歌い踊る4人のアイドル。
私がプロデューサーとしてこの仕事を担うにはあまりにもキャラが濃すぎるメンツ。
4日前、例の企画の話を再度持ち込まれた私は、その確定したメンバーに驚愕し、そして結果的に社会的に消されそうな脅しを受けながら"YES"と返事をするしかなく…。
「というか…どうやってこのメンバーになったの…」
「えっと、僕は普通に、天祥院先輩に臨時ユニットの誘いを受けただけだよ。まぁ…断るのは怖かったから二つ返事だったんだけど…あはは」
「ってことは、瀬名先輩は…多分真くんがいるから…で釣られて」
「まぁ…考えたくはないけどそうだろうね」
溜息と苦笑いを交えて応える真くんが哀れに見えてくる。
で、そんな幼馴染2人が参加するからってことで、黒斗先輩もOKを出したってこと?
完全に蒼空先輩が言った2人が利用されててもうかわいそうにしか見えない。
「黒斗、ここの振りなんだけど、僕と向かい合って頬に手を添えるとかどうだい?」
「…あー、うん」
というか、黒斗先輩の反応が薄い。
全部に置いてうんうんって適当に頷いててむしろ心ここにあらずって感じ。
今の振りの変更とか絶対いらない変更なのに…
「そうだ、黒斗。ちょっと疲れただろう。僕の家で用意されてるスポーツドリンクでも飲むかい?」
「ちょっと天祥院?あまりべたべた黒斗にくっつかないでよねぇ?もともと黒斗はパーソナルスペース広いんだからさぁ。近づくのだって誰だっていいわけじゃないんだけどぉ」
「あの、泉さん。それこそ黒斗さんが疲れちゃうじゃないですか。子供じゃないんですからなんでもかまったりすると…」
「なに?お兄ちゃんがみんなまとめて守ってあげるって言ってんの。特にゆうくんは末っ子、黒斗は苦労性なんだから俺がちゃぁんと守らないと…」
「ふふ、うちのスポーツドリンクを出すだけでこれだよ。君の幼馴染は随分と過保護なんだね。疲れちゃうよね。うんうん、わかるよ」
「……あぁ」
あ、これ黒斗先輩もう思考を放棄してる。
かれこれこの3人に3日間囲まれて疲弊してる。いやでも、それってさすがに駄目ですよね?
「あ、あの…!いったん…それぞれの振り付けに分かれてレッスンするのはどうでしょう!?」
「…はぁ?」
「プロデューサーちゃん?」
「……」
う"っ、天祥院先輩の顔がいっちばん怖い!
で、でも!蒼空先輩の約束を守れなかったとはいえ、これくらいは…しないと…黒斗先輩が過労死しそう!!
「ぱ、パーテーションで区切って、…とりあえず1時間くらい…。あの、みなさん…脱線しがち、なので…」
どんどん小さくなる自分の声に情けないなぁと思いつつも黒斗先輩を見る。
と、
「そうしてくれ。」
と一言。黒斗先輩が応えてくれる。
さっきまでの思考停止の返事とは違い、しっかりと私の目を見て応えてくれる。
「…まぁ、黒斗がそういうならしょうがないかな。さっきの振りのところも会わせたかったけど、ね」
「わかった、わかったからまず離れてくれ。ほら…パーテーションを設置するぞ」
「黒斗さん」
「…真、わからないところがあったらあとで聞く。」
慌てて声を掛ける真くんにすら、素っ気なく返しパーテーションを取りに歩き出す黒斗先輩。
はぁ…とりあえず一旦、何とかなったのかも…
と言ってもこれまだあと1週間もあるんですけどねっ!
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