彼女がもし腐女子だった時
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「はぁ〜!楽しかったわァ!」
「あぁ、そうだな。」
黒斗先輩の顔はいつもと同じで無表情…。だけど、その声色はライブが終わった今もまだ浮足立っているように聞こえる。
「まさか俺以外とユニットを組むのがにゃるちゃんだとはな〜!」
ライブが終わった後、激励の言葉を伝えに蒼空先輩がやってきて、当の本人である黒斗先輩より嬉しそうに満面の笑みを浮かべている。
「アタシが美しいって評価されてこの仕事をしたのも誇りに思えるけど、黒斗ちゃんと一緒に歌って踊ったっていう事実も一つの自慢になるわよねッ!」
「俺と踊ることにどんな価値があるんだよ…全く大げさな…」
苦笑いを浮かべながらも照れ臭そうに言う黒斗先輩に以前よりもだいぶ柔らかい印象を覚える。
嵐ちゃんはそんな黒斗先輩を見て、手を取り
「また一緒にステージに立ちましょッ!黒斗ちゃんと踊るのは確かに特別感もあるけど、それ以上に、アタシは黒斗ちゃんのこと大好きだものっ!」
「…絵面がつよい!」
「転校生ちゃん…素が出てる」
蒼空先輩に小さくツッコミを入れられ正気に戻るも、嵐ちゃんは黒斗先輩に向かい合って両手を握っている。
対する黒斗先輩は照れるだとかそんな素振り一切なく、
「あぁ、ありがとう。」
と、返事を返す。
その2人は未だに衣装を着ているせいで対象的な天使と悪魔。すなわち結ばれないけれど2人の愛は本物、そしていずれは逃避行に…
「おーい、戻っておいで〜?後でたっぷりノートに書き留めな?今はバレるって」
「はっ!?確かに、あ…危ないですかね!?」
「危ないだろうなー。」
けらけらと面白そうに笑う蒼空先輩を横目にラブラ…いやいや、仲良しな2人を見ると最後にまた自撮りをしていた。
「うふふっ、しばらくは待ち受けにするわァ!」
「やめろよ、恥ずかしいだろ。自分の顔が誰かの待受とか…」
「やだもう!アイドルなんだから、ファンの誰かに待ち受けにしてもらうくらいがむしろ良いのよ!…というわけで、アタシが黒斗ちゃんの一番のファン!」
「おー…そういう理由なら、いいもんなのか…?」
うまく丸め込まれている黒斗先輩。
やっぱりちょっと天然なところありますよね?っていうか世間のことに関して一部分だけ欠落しているというか…
この人ほんとにアイドル向いてるのかなぁ?
「俺が一番のファンが良いなぁ。認知されてるファンだもん」
と、隣で突然ボソリと呟く蒼空先輩の声にビクリと肩を震わせる。
とはいえ蒼空先輩はそれ以上何も言うことはなく2人の様子をただ眺めていた。
「蒼空先輩ってやっぱり嫉妬心強めですよね」
「は?いや、そういうわけじゃね…ない。とにかく、まぁ…俺にとってもあいつにとってもお互いが一番なはずなんだよ」
「……あ!そういう!!いやぁ~やっぱり2人組ユニットは結構そういう匂わせ多いですからっ!いや、ありがたいですよ私としては!」
「何いってんだこいつ。」
心底引き散らかしたような目で私を見てどこかへ歩き去っていってしまう蒼空先輩。
え?めちゃくちゃ不機嫌でしたよね?いつもならキモーいって言うくらいで笑っていたのに…
「そうだわッ!黒斗ちゃん!アタシライブ前にお願いしたかったポーズで撮って欲しいのがあるのよ!プロデューサーちゃんにカメラお願いしちゃいましょ」
「ん?あぁ…たしかにどこぞのお坊ちゃんのご所望に応えようとはしていたが…今か?」
「衣装脱いじゃったら意味無いもの!はいじゃあ、このポーズで!」
スマホを黒斗先輩に見せた後、じゃあカメラお願い!と嵐ちゃんに渡される。と
「これ、たまに漫画であるやつだよな。大体男女の。……相手が嵐で本当に良かった」
そう言って黒斗先輩が手を伸ばし、嵐ちゃんの顎に指を添える。そのポーズは…
「ん"ん"っ……そ"れ"は"っ!!」
「きゃあんッ!やっぱり黒斗ちゃん、格好いいわァ!」
いわゆる顎クイだった。
「やっぱり嵐ちゃんの行動力こわいっ!」
::END
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