彼女がもし腐女子だった時
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天才と天才は敵対し合うのか…
実際それぞれの言い分によって戦争が勃発するのか。
「答えはNOですよ!」
「なんでそう思うわけぇ?」
私の隣には今、瀬名先輩が居て、噴水の真反対で歌う2人を見守っている。
朝方起きたことを蒼空先輩が教えてくれて、放課後に噴水に行ったら良いよと言われ今に至る。
ちなみに蒼空先輩は学院外の仕事らしく午前中で下校してしまったらしい。
「やっぱり頭のいい人って、相手の意見と自分の意見をちゃんとすり合わせて、2人の妥協点を見つけると思うんです!」
「あー、まぁ…それはたしかに」
で、瀬名先輩がいる理由は…単純に嫉妬か心配か…どっちかだと…。
瀬名先輩が黒斗も天才だしねぇ。なんて呟いていたから今の話をしていて、決して瀬名先輩と、”人間とは?”なんて話をしているわけではない。
「だから、ここをこーしたほうがいいの!」
「あー?さすがに俺でも声でないっての」
「歌って!」
「…半音ならどうだ?ちょっと聞け。…〜♪」
「あっ!待って!?それは……ぉぉおいいな!これに伴奏がこう来るから……えっとね、」
なんて後ろで歌っては書き、歌っては書きを繰り返す2人に、瀬名先輩が
「王様、Knightsのレッスンに来てないくせに…、黒斗も自分のユニットのレッスンないからって一緒に歌っちゃってさぁ…本気で臨時ユニット組みそう…」
「私が企画したいです!あの2人の絡みなんて滅多に無いので!」
「絡みぃ?…まぁ、たしかに黒斗が割と避けてるからねぇ。騒々しいのは嫌いだって」
たしかに黒斗先輩は隙あらばレオ先輩にうるさいなお前、と付け足しているほどだし、溜息も多い。
けど…
「レオ、ここすごく良いな。」
「んー?どこ」
「これだよ、この音の上げ方…俺好きだ」
ずいっと頭を寄せてレオ先輩との距離がぐっと近づく黒斗先輩。
極めつけに好きって言葉サラッと言っちゃうなんて!いや、人相手ではないんだけど!
「っ…!ほわぁぁぁ、瀬名先輩聞きました!?」
「聞いてたしっ、アンタの反応チョ〜きもい。…ったく、黒斗ってばレオくんにキスされたの忘れたの?」
は?その話くわしく…!
って言いたいところだけど、今の瀬名先輩めちゃくちゃ不機嫌だし、そもそも言ってくれなさそう…
とにかく、ガッツリ振り返って見ると2人は笑顔を見せながら歌ってる。
うわぁ、輝かしい青春の日々…。
「黒斗!おれ楽しい!」
「ふはっ、子どもみたいだな…!でも俺も、楽しい」
「黒斗、きれ〜!やっぱり凄いし好きだーっ!」
びゅーんっ!と言いながら飛び込むレオ先輩に驚きながらも受け止める黒斗先輩。
はて、実は2人ってお付き合いしてました?ってくらい自然に抱き合ってる。なんでなんでしょう。瀬名先輩ですらしてないのに…
「何見てんの」
「ひっ…、いえ、あの…瀬名先輩は、いいんですか」
「混ざってこいってこと?頭湧いてんじゃないのぉ。…アレは王様だから許されてるんでしょ。ったく、黒斗もなんだかんだ情が移ってるっていうか、優しいだけなのかもしれないけどぉ」
「…?瀬名先輩も飛び込んだら受け止めてもらえますよ。」
「……やるわけ無いでしょ。俺はちゃんと特別な立場にいるからいいのぉ」
わぁ…とんでもない自信!
瀬名先輩らしいなぁ、なんて感心しながら黒斗先輩達を見るとニコニコと笑ったままのレオ先輩が黒斗先輩の頬にキスをしているところを目撃する。
「ひぇ…尊い…」
私はそんな遺言を残しながらも心のシャッターを何度も押した。
「アレは許さないけどねぇ…?」
::END
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