彼女がもし腐女子だった時
What is your name?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はぁなせぇぇぇええ!」
「そんなこと言うなよー!黒斗!」
「ぅわっ、王様?」
「黒斗ー!!!」
「つっきー、いつにもましてうるさっ…」
今日の朝、転校生ちゃんにレオ先輩が黒斗先輩について回るかも…と言われたために、一体どういうこと?と思っていたけど、確かに朝教室に入った瞬間に飛びついてきたつっきー。
当然、黒斗は卒倒しそうな勢いで叫ぶし、つっきーは嬉しそうにしがみついてるし。
「黒斗〜、なんか王様に気に入られるようなことしたのぉ?」
「逆だ!昨日はこいつに歌ってくれとせがまれたのを丁重に断った!…だよな!?だから離せ!」
「いやーだー!黒斗歌ってもらうのー!上げるからぁぁ!」
「いらない!」
「いる!」
黒斗と被って放った言葉につっきーがこちらを向く。と、同じように黒斗もこちらを向いた。
せなたんはその隙につっきーを引き剥がそうとしている。
「ほっしーならそう言ってくれると思った!おれの歌はわかるやつにはわかるから!いや、でも!別に黒斗の歌がダメってわけじゃないから!」
「うるさ…あぁ、頭痛くなってきた…」
つっきーが引き剥がされるとフラフラしながら自分の席に座る黒斗。
「はぁ…で?昨日のノートは」
そう短く、呟くように言うとつっきーは心底嬉しそうに笑い懐からノートを取り出す。
「あー、昨日より全然いいな。…でも朝から歌いたくないんだが」
「っていうか、なんで歌う前提になってんのぉ?王様の歌、本当にもらう気?」
せなたんの言葉にちらりと俺を見る黒斗。
あ、俺がいるって言ったから…。
「レオの歌。俺好きだし」
「…〜〜っ!!黒斗!おれも好き!」
ふっ、と軽く笑顔を作った黒斗に驚いたのもまぁ間違いないんだけど、それよりもつっきーがジャンプして黒斗に飛び込んでいくことのほうが衝撃…。
で、せなたんを見ると鬼の形相だし…?どういう感情?どっちが脳みその比率多いんだろ…
「ちょっっとぉぉ?黒斗は王様の歌が好きって言ったのであって王様自身じゃないからねぇ!?さっさと、はなれっ…」
唸りながら黒斗からつっきーを引き剥がそうとするせなたんに、やっぱ流石に自分のリーダーの歌を歌われるよりそっちが勝つかぁ。なんて他人事のように3人を見る。
「黒斗!」
「ん、なんだ……っ!?」
肩を掴まれて後ろに引っ張られているにも関わらずニコニコと満面の笑みを浮かべるつっきーは黒斗の名前を呼びながらネクタイを引っ張る、と、当然眼前に広がる光景は…
「おっと…まじかつっきー」
「…っ!?!?」
せなたんはもちろん、さすがの俺も開いた口が塞がらないし、黒斗に至っては目を見開いて固まっている。
「友情の証だからな!なははは!そーだ!放課後また噴水のとこ来て!一緒にその歌歌おう!…あ!それであれもしよう!あのなんか、ライブのときに他のやつと一緒に歌っていいやつ!」
恐らくつっきーは臨時ユニットの事を言っているんだろうけど、まぁいいやと思い出せないまま、教室を後にした。
「黒斗…!!嘘でしょぉ?ファーストキス取られたってのぉ?王様に!?」
「…いや、せなたんここに来て我が強い…」
ばん、と黒斗の机を叩きつけて怒りなのか驚きなのか、取り敢えずやり場のない気持ちをぶつけるせなたん。
俺はというと…さすがに相方が心配になるわけで。
「黒斗?大丈夫か?」
「……綾人にしかされたことないんだが、ほっぺ」
自分の頬に手を添えてはいるものの脳みその処理が追いついていない様子の黒斗。
「あぁぁもう!イライラするっ!なんで朝からこんな目に…!えっ?ほっぺ?」
黒斗の言葉に一拍遅れてせなたんが目を丸めて一瞬で静かになる。
切り替え早いな。
「黒斗の口はまだ純潔…?」
「うわ、きも…」
ハッとして安心したように笑うせなたんに、ギリギリ聞こえない声量で呟く。
黒斗は先程のことを理解したのかしてないのか、つっきーが残したノートの歌を指でなぞっていた。
NEXT::