彼女がもし腐女子だった時
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「へえ~、りっつん?…俺としても黒斗との接点って聞かれると思いつかないからなー。意外…」
翌日の放課後。学院近くの商店街で、偶然にも蒼空先輩と鉢合わせし、こんな修羅場に会ってしまったと伝えると目を丸めてそう応える。
蒼空先輩は学外の仕事終わりだったようで、今から学院に向かおうか悩んでたけど、だんだん面倒になったとか…
「まぁ、でも…黒斗って意外な相手からも平気で好意向けられるから。世話好きなのと、相手の好きなものとかプレゼントする癖があるせいでさ?」
「最近は見かけませんね。プレゼントしてるの」
「まぁな!長い道のりだったけど、何とかステージに立とうとしてくれてる最中だから。そっちに気が回ってるんじゃないか?」
「私を睨む顔…驚くほど怖かったですけどね…」
「まぁそれは…うん。まだ道のりは長いってことで。…ってあれ、噂をすればじゃない?」
遠くを見て指をさす蒼空先輩の先を見るとそこには凛月くんと黒斗先輩の姿があった。
「おやおや~。2人だな?せなたん抜け駆けされてやんのー」
「…瀬名先輩に言っちゃだめですよ?」
「せなたん過保護だからね」
「過保護っていうか、嫉妬心がとんでもないじゃないですか」
そっちか!とへらへら笑いながらも2人の後を追うように歩き出す蒼空先輩。
「え!?ついて行くんですか?」
「うん。え、まさか転校生ちゃん気にならない!?そんなわけないよな?」
私を腐女子だと認識しているせいで扱いがうまい。いや、そりゃ気になるけど…!
「見つかったら俺がうまいこと誤魔化すから!っていうか俺が気になる!せなたんとかまこたん以外との黒斗の付き合い!」
「蒼空先輩めちゃくちゃ興味津々じゃないですか」
私の声が届いているのかいないのか、蒼空先輩は圧倒的に不審者のごとく動きをして2人に近づく。
え、やだ、私もこんなになってないといいけど。
気を付けながら蒼空先輩の後ろをついて行くと凛月くんの笑顔が伺える。
放課後だからか調子も良さそうだし、一緒に買い物してるのも嬉しそう。
「2人とも楽しそうですね」
「黒斗はあまり表情変わってないけど、まぁ楽しそうだな。りっつんはまおまおにぞっこんだと思ってたけど…案外黒斗のこともお気に入りだったんだな」
「あー!私の解釈では凛月くんと真緒くんのほうがしっくりきますけどね!?やっぱり幼馴染属性って強いですし!」
「属性っていうな。」
蒼空先輩に笑いながらツッコミを入れられる。
と、ここで黒斗先輩が凛月くんの頭に付いた落ち葉をそっと取ってあげるのを目撃する。
当然声が聞こえるまで近くにはいないものの、凛月くんは撫でられたのかと勘違いして黒斗先輩を見つめている、と。
一瞬首を傾げたあと口角だけを上げて、ぽんぽんと凛月くんの頭を撫でた。
「ひぇ…」
「黒斗ってほんと…罪な男だ。」
それだけを言って蒼空先輩は満足げに笑っていた。
「って、何ちゃっかり動画まわしてるんですかぁ!!」
::END
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