彼が合宿に参加するとき
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-合宿-1日目-夢ノ咲学院校舎前-
集合時間は午前4時…。現在、3時45分。
早すぎる。眠すぎる。
昨日夜9時に帰ってきた蒼空に2週間空けるからと伝えるとなぜか泣かれた。3日間俺の飯を食えなくて災難だったのに、さらに2週間プラスは酷だと。寂しいと言ってくれたのはありがたいが俺だってお前がいない3日間一人だったんだが…
「…」
ちょっと前の恋人計画の事を頭に浮かべた。いまだ恋人になるかどうかというのはよくわからないが、蒼空が俺を避けた一か月で確実に寂しいという気持ちを学習した。それを一度理解してしまえばつい昨日までの3日間も…
らしくないことを考えるのはやめよう。
「おはやっぷー。さすがに眠いわぁ…徹夜明けの仕事とかじゃなくてよかったぁ」
俺が一つ溜め息を吐いたとき、横断歩道を渡り終えた林檎さんが俺に声をかける。ふわふわな髪に似合ったいつもの女装は今日は控えめの色合い。しかし短いパンツで太ももすら隠れていない。黒のタイツを穿いているとはいえ…男であれば比較的覆ってるところが覆われていない。というか、寒くないのだろうか…
「あ、おはようございます。林檎さんって、こんな朝早くだとさすがに女装っぽい女装しないんですね。なんか、簡単というか…」
「んー?そうかしら?これでも結構選んできたのよ?女の子は服の事に敏感だからそんなこと言ってたらモテないわよー?」
林檎さんのその言葉に俺は満面の笑みを浮かべる。
「モテないことほど嬉しいことはないですね。」
あらやだ!と随分とまぁ口調は相変わらずのようだ。でもこの人、多分嵐と並んだらアウトかな。見た目は女なのに気持ちはきっちり男で、見た目はイケメンなのに気持ちが乙女の2人が並んだら…想像するだけでカオスだ。
「というか、そこらの女より俺的には嵐の方が可愛い。」
「…え?なになに?気になってる子?嵐ちゃんっていうの?女の子にしては強そうな名前ね?」
「それ本人に言ったら怒るんだよな…って、女じゃないですよ。」
「…それって?」
一瞬間を置いた後何度か瞬きをする林檎さん。あー、と言葉を濁すも気になるようで俺はスマホに写真がないか探した。そういえばあいつが全身写ってるの修学旅行の浴衣姿しか。
「こいつです。このツーブロックの。」
「えぇ?男の子よね?…もしかして、黒斗くんってそっちの気があるの?」
「…とくに、恋愛感情がそもそもよくわからないので、でも女を好きになるってことは未来永劫ないので最終的に一生独り身か、いわゆるそっちの気になるかもですね…」
「もうー冗談うまいんだから。」
「え、」
冗談じゃないんだが!と言いたいが、まぁ俺が女嫌いという情報まではこの人に行ってないのだろう。そう思い口を閉ざす。スマホを自分の方に向け時刻を確認すると3時55分。
「どっちも遅いわねぇ。」
「俺はちゃんと伝えてるんですけどね。そっちも、もう5分前ですけど。」
「もー。あの子たちいっつも賑やかにしてるから道中で騒いでるんじゃないかしら!こっち側方面には滅多に来ないから」
「まだ向かってきてるだけましじゃないですか?俺なんかそもそもあいつらが起きてるか不安です」
2人で揃って溜め息を吐くと、空からばばばば、と低く風を切るような音が聞こえる。…え?何あれ。
「あれ、シャイニーの所有物なの…まぁ自家用旅客機ってやつかしら…?」
ここからは小さく見えるも多分、俺と林檎さん、他7人と4人を乗せる程の分は確保されているのだろう。その旅客機はでかでかとシャイニングと英語でラッピングされており、夢ノ咲学院のグラウンドに入り込む。…正直、パイロットもドキドキだろうな。広い学園と言えどまともに滑走路がないんだし…
自然と2人でグラウンド付近まで追ってきてその光景を見ているとぎりぎりで止まった旅客機からは一番に誰かが降りてくる。
そして俺は全力で走り出した。旅客機とは逆方向に。
「りーんさーん!黒斗-!!」
「あら…?あやちゃんじゃない?ってあれ、黒斗くんさっきまで横にいたのに…」
なんで!?シャイニングあいつ嘘つきやがった!!あの打ち合わせの日シャイニングに軽く苦手意識を持ってしまったままの俺はその流れ、その場にいたメンバーで外食をし、何とか綾人を利用しながらシャイニングへの嫌悪感を払拭した。その時に「ミーがちょっとからかいすぎましたネ!」なんて言ったときに綾人が弟をいじめた詫びとして今回の合宿に連れて行ってほしいとねだったのだ。もちろんシャイニングはそれは難しいと頑なに断っていたのに。のに、
「あ!りんちゃんともう1人の人校舎にいないと思ったらグラウンドから誰か走ってくる」
「あの人でしょうか?」
「でもあれ、俺たちを迎えてるようには見えねーよな…」
「リンゴも後ろで困った顔してます」
「あのー…校舎に集まってるってことは…今回の合宿で」
「お前らどけろぉぉぉぉおおおおお!!!」
「ST☆RISH!お前ら絶対そこ退けんな!あわよくば捕まえろ!でもあまりべたべた触んなよ!?」
「あ、あれ目良さんじゃないか?」
「えぇ…黒斗先輩物凄い剣幕…!!」
「あやちーじゃん、あれ。」
「普段は可愛い顔してるのにあれじゃぁちょっと恐怖さえ感じますね」
「というか、俺たちはどちらの味方に付くべきなんだ。」
::ST☆RISH and TrickStar meet
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