彼女がもし腐女子だった時
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それはある昼下がり、食堂にて。
「だからぁ、そういうのはちゃんと自分で選ぶって」
「まぁそりゃそうだろうけど…」
「まさか心配だとか言うわけぇ?」
明らかに怒りを含んだ瀬名先輩の声と、呆れ半分に応える目良先輩の声が隣から聞こえてそちらを見ると、隣にいたのは珍しくガーデンテラスにある丸テーブルに腰掛けた2人だった。
とはいえ、目良先輩は女の人が苦手だし、瀬名先輩も会ってはいびられる記憶しかなかったから特に話しかけず、息をひそめていた。
「それより…今日はなんでそんなもの選んだわけぇ?」
「そんなものって言い方ないだろ…。いや、今日は蒼空いないし…食堂のご飯にしようと思ったんだが、たこ焼きって珍しいだろ?だから」
そんなものが気になって何とか目良先輩の背中に隠されたものを見ようとしていると、まさかの答えを言われてしまう。
そういえば確かに、今日は試作なのかわからないけど限定10舟?とかでたこ焼きあったなぁ。
「あれか?食生活でも気にしてんのか?別に泉は食べないんだし良いだろ」
「いや、そういうことじゃなくてさぁ…黒斗って猫舌でしょぉ」
「おー。だからたこ焼きはこうやって…真っ二つにしてだな…」
「うわぁ…たこ焼きが可哀そう。こんな風に食べてほしかったわけじゃないと思うんだけど」
瀬名先輩の言葉に笑いそうになってしまうのを堪える。
いや、だって食べ物に対して可哀そうとか言う人だったんだなぁって
「食生活じゃないけどさ、足りるの?それで。」
「ん?んー…まぁさすがに米は食べておけばよかったかもな?」
「だろうねぇ。でも今からまたあの列に並びだしたら時間足りないんじゃない?」
「そうか?たこ焼き冷めるし、ちょうどいいと思うが」
「6個分全部真っ二つにして放置してるなんて黒斗くらいだよ…。ってそうじゃなくて、俺の少し分けようか?」
「ん、じゃあ何くれるんだ?」
え、しれっとご飯分け与えてる!?あの瀬名先輩が!?いや、なんか最近確かにこの2人はユニットを組んでいるわけではないのに異様に仲がいいと思っていたし、目良先輩がなんか瀬名先輩に執着しているのかと思えば逆のことが起きたりしててもしかしてこの2人…?って探ってたけど…!自分のものをあげるくらい気ごころを…
「はいじゃあこれ、あーん」
「ぇぇぇ!!」
最小限の驚きの声を漏らしその状況をぜひ拝みたいと椅子の角度を少しだけ変える。
横目に、ぎりぎり視界に入るように!!
「は?いやいや、ここに置いておけよ。恥ずかしいだろ普通に。」
「なに?なるくんにされるときはなんだかんだ受け入れてるのに俺じゃダメって意味がわからないんだけどぉ」
「なっ、」
嵐ちゃん相手ならしてるの!?目良先輩ってもしかしてタラシ系だったの!?
思わず声が出てしまうのを飲み物を無理やり突っ込んで我慢する。
「はぁ…わかったから駄々こねるな。」
「なんか腹立つ言い方」
「ほら、くれるんだろ?お兄ちゃん?…あー」
「っ!?」
「それっ!ずるいんだけどぉ!…あぁもう…はい、あーん!」
もうこれ最悪瀬名先輩にバレるかもしれない。と思うほどがっつり顔を向けて見てしまう。
恐らく口を開けて待機する目良先輩に逆に反撃されてしまい顔を真っ赤にしながら若干投げ込むようにあ~んをしてあげる瀬名先輩。
目良先輩がしてやったりの顔なのか、それともいつもの真顔なのか…すごく気になるけど後頭部と若干頬くらいしか見えない。
「うん、エビコロッケ美味しい。…もう一つくれ」
「絶対やだっ!!」
はぁぁぁ、感無量です。ありがとうございます。
実際、ほぼ男子校のくせにあ~んのイベント今まで一回も起きたことなかったからもうこれだけで感謝。
そんな思いを2人に送りつつ、食堂を後にした。
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