彼が合宿に参加するとき
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-合宿-1日目-某所ホテル-
「集合場所が随分と立派すぎて…なんだかアタシたち場違いよね…」
今までモデルの仕事をしてたってこんな立派なホテルに入ったことなくて緊張してるのに…ここで待ち合わせで数分も待たされるなんて。
Knightsみんなでここでキャリーバッグを傍らに待つ。泉ちゃんが黒斗ちゃんに直接連絡とって聞いたところエントランスで待っててと言われたらしくおとなしく待つことになっているけれど。
豪華なシャンデリア、豪華なテーブルにイス、チェックインをするカウンターもこれまた豪華でこんなのこの地域にあったの?とそこから疑ってしまうほど。
「あっ、」
弾かれるように声を上げたのは司ちゃんで待ってましたと言わんばかりに座っていたイスから立ち上がる。さすがお坊ちゃんなだけあってこれくらいの豪華さに緊張もせずガラガラと豪快に音を立ててキャリーバッグを引きずっていく。そのあとをみんなで追うとエレベーターから降りてきた黒斗ちゃんと目が合った。
「よかった。うん。さすがお前らは違うな…。まだ30分前なのに集合するなんて…さすがに俺が迎えられる準備できてなくて遅れちまった。」
「黒斗ちゃん、何かしてる途中だったの?」
「あの…目良先輩…リーダーは一日早くこちらにいると聞きましたが信じていいのですか?」
アタシの言葉と重なるように司ちゃんが食い気味で黒斗ちゃんに尋ねる。確かに、それはみんな気になってたかも…
「あぁ、蒼空が連れてきた。今回の事、まあ後で説明するがレオに書いてもらわなきゃならないものがあったからな。」
「へぇ、あの王さまにわざわざ頼むようなこと…?」
泉ちゃんは訝しげに眉間に皺を寄せる。その顔に溜め息を吐いた黒斗ちゃんは泉ちゃんの額に人差し指を当て、あいつじゃないとできないこと。と念を押すように告げた。この2人の距離感は正直周りと違いすぎて本当に友達だけの関係とは思えない…。というのも噂を含めてだけれど。
そこにホテルマンが颯爽と現れて黒斗ちゃんに確認を取るように手帳を見せる。
「あぁ…はい。Knightsと、もう一組もあと少しで来ると思います。そうなったら連絡ください」
「わー…黒斗が働いてる」
「ちょっと凛月ちゃん、失礼よォ?」
「でも、蒼空の為にああやって働いてたのって話には聞いてたけど見たことなかったから新鮮で…」
「Producerの方や、Managerの方はいつもああやって忙しないのでしょうか…」
不意に話を終えてこちらに来る黒斗ちゃんがなんだ、とでも言いたげにアタシたちを見るもそのままエレベーターのボタンを押す。
「部屋割り…と、まずは今日のスケジュールな。」
エレベーターに乗り込むと2枚刷りの用紙を渡される。よく見るとこれは…
「黒斗ちゃん…もしかして、1フロア…貸し切り、とか?」
「おー…。向こうの社長が、アイドルの合宿だからって。で、あとからまた話をするんだが、このホテルには講堂みたいなステージがある。そこのフロアに直通のフロアがそこだからレッスンの場合はそれを使う。」
「ねぇー、あとから何か買い物行きたいってなったら行ける?」
ふとした疑問を投げ掛ける凛月ちゃんにうーんと考え込む黒斗ちゃん。確かに、二週間ともなれば必要なものが追々出る可能性もあるし…
「まぁ…そうだな…俺が付き添う形で、とか…」
「付き添うって…本気ぃ?」
「いや、それはその状況にならないと何とも言えないが、そもそもここまで徹底しなきゃならないのはKnightsよりも向こうの人たちのためだからな。」
「ふん、まぁ、あっちの方が有名ならしょうがないよねぇ」
黒斗ちゃんの素直な意見にみんな頷くしかない。確かにアタシも泉ちゃんもすごい売れっ子モデルだしKnights自体も学院アイドルとはいえ名は知れ渡っている。それでも、相手方のほうがずっとずっと上の世界にいるんだから…
「あの、シャイニング事務所のアイドルたち…だもの」
アタシはそう呟いて自分の部屋を確認する。泉ちゃんもじっとその部屋割りを見ていてしばらく無言だったのに急にくしゃっと紙を握りしめて黒斗ちゃんに怒鳴り始める。
「ちょっとぉ、なんでKnightsはKnightsで部屋をかためないわけぇ?いくら合同とはいえ部屋まで向こうとごちゃ混ぜとか最悪なんだけどぉ!」
「…」
黒斗ちゃんは一度泉ちゃんをちらりと見るもなにも返事はせず到着したエレベーターからさっさと降りてしまう。司ちゃんがすかさず"開"のボタンを押してくれて各々エレベーターから出てどうしたらいいのやらと立ち竦むけど、泉ちゃんは気にも留めず黒斗ちゃんにさらに詰め寄った。
「はぁ…どうしてもこうしても、合同というからにはそれなりのことはするし、お前らにとってもマイナスなことはない。」
「マイナスしかないからぁ!プライベートなんてあったもんじゃないよねぇ!?アイドルにだって休暇は必要なのにこれじゃあ気張って休めないじゃん」
「必死ねェ…何か理由があるのかしら…」
泉ちゃんの様子を後ろから眺めながら凛月ちゃんに問いかける。
「んー、多分、自分よりも黒斗の心配してんじゃな~い?」
「なんでェ?黒斗ちゃんは、蒼空ちゃんともう一人は、双子のお兄ちゃんよねェ?」
「あれ?ナッちゃんって、あやくんのこと知らないんだっけ?まぁ俺も去年ちょっと会ったくらいだけど」
するとスマホをぽちぽちといじり始めた凛月ちゃんは去年のハロウィンの時の写真を見せる。そこには凛月ちゃんが自撮りしたのか割りとアップに写ってて、横に何故か女装した黒斗ちゃんと多分同じ顔だからお兄ちゃん。その後ろでジャンプしてる蒼空ちゃんと隅っこで一応ピースしてる泉ちゃんの4人が写った写真。
「このあやくん、相当やばいブラコンなの」
「Brothercomplex?」
「あぁ…」
なるほど、と何となく理解したアタシとキョトンとした司ちゃん。まぁ写真でも抱き付いてるし、それなりって覚悟した方がいいかもしれないわねェ…。
「黒斗ちゃん!」
いまだ泉ちゃんにあーだこーだと言われ続けている黒斗ちゃんを呼びアタシは自分の部屋を指差して黒斗ちゃんに問いかける。
「この、カミュって人なんだけど、外国人?日本語って通じるのかしら…」
「あぁ、俺も向こうの事務所であったが、日本語が上手ってレベルじゃないな」
「そう、ならよかったわ…でもアタシやっぱり怖いわァ」
「…確かに見た目も中身も正直怖いかもな。まぁでも、そのために向こうの事務所から助っ人来てくれてるし、その人がいる内にうまく溶け込めれば二週間やっていけると思う」
そういえば、そのお兄ちゃんも含めもう一人助っ人がいるんだとか…
「あ、龍也さん。ちょうど良かった。今Knightsが到着したので挨拶に行こうかと」
「おう、黒斗。お前本当マネージャーみたいだな?」
「…褒められてる気は、しないな。Knightsのマネージャーとか罰ゲームだろ…」
「えっ?もしかして助っ人って…」
一目見てすぐわかるほどの有名人を助っ人扱いもどうかと思うとか言いたいことは山ほどあったけど、まさかそんな、という言葉しか出てこなくて口をパクパクさせる。
「…今回仕事の都合もありながらも5日間、合宿に付き合ってくれる日向龍也さんだ」
::I'm really looking forward to lesson !
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