どういうことだよっ!!
「嘘、だろっ!?」
「え?そんなこと無いと思うけど?」
目の前で頭の上にはてなを浮かべてる梓。
きっとこれは馬鹿にしてるに違いない、もうこの顔はそうだ。うん。
「##NAME1##、もしこれが嘘だって言うなら、むしろ僕が焦るよ?」
梓のいうこれ。
いや、うん。コスプレ?
くそ、学園祭呪ってやる。
「##NAME1##、顔怖いよ」
「これが怖い顔せずにいられるかっ…不知火会長めっ!」
「しょうがないよ。女顔だもん。それと僕の前で他の男の名前出さないで」
「そんな悠長なこと言ってられるか!つっても時間も迫ってるし…!」
そう、コスプレをする理由は会長の案で女顔の男達を華やかにしてやろうと、そして、みんなに華やかになってもらおうと考えたのだ。
といっても、女顔なんてなかなかいるものじゃない訳で、梓、俺、星月先生の3人での開催だ。
あと、月子先輩もプラスされている。いやそりゃ女の子だもん可愛いに決まってんだよ。
「はぁ、なんだってこんな姿晒さなきゃならないんだ。つか星月先生大丈夫かな?」
「…そっとしておいた方がいい人もいるから。とにかく行くよ?可愛い姿晒しに。」
「可愛いのは月子先輩だけで十分だっての」
はいはい、と軽く流され背中を押される。
ステージに出ると、ライトは全て此方に向けられてとても眩しい。
正直、ものすごいしかめた顔だったと思うけど。
梓はなんか、え、何この子現役アイドルなの?と言いたくなるほど笑顔で手を降っている。
「まったく、##NAME1##を狙ってる輩が多すぎて困るよ。」
横を見ると、梓が間近でにこにこ笑いながら囁く。
そのすぐ後に笑顔のまま梓は恐ろしいことを言い出した。
「後で##NAME1##を狙ってた輩達を懲らしめなきゃね」
あれ、梓、こんな酷い顔もできるんだ。ははははは。
「あの、月子先輩?いつ終わるんですか?」
「あれ?聞いてないの?このあとたしか歌?歌ってもらうんだよ?」
うん?誰にかな?梓かな?星月先生かな?あぁ、美声の月子先輩?
「頑張ってね、##NAME1##君!」
なんてこった、ここに笑顔の殺人鬼がいる。
と、思ったのも束の間、不知火会長がマイクを手渡してきた。
「あの、本気で歌わせる気ですか?」
「もちろんだ。」
すると、いつの間にやら寄ってきていた梓が何とか歌わせないようにと口実を言ってくれる。
「会長、##NAME1##はきっとこのステージを冷めさせますよ?音痴だし」
「はっ!?音痴じゃなっ」
なんとも酷い口実に、反射的に反論してしまった。
「音痴なのか?まぁ、でも何とかなるだろ。ほい」
「えっとー…」
「いやいや、不知火会長!!せっかくの学園祭ですよっ!?」
なかなか引き下がらない会長に珍しく梓も焦っている。
まぁどうせ歌わせられるんだろ、という諦めが目に見えるくらいだ。
と、言うことで。
「歌いますよ。歌ってやろうじゃないの」
「え!?##NAME1##!!」
「お前ならやってくれると思ってたぞ!」
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