イベントストーリー
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トリュフづくりを初めて数時間、俺はいまだにまともな形のものができていない。
「む、むむむーむむむむむむっ」
「隣で唸るな、気が散る」
あからさまに溜め息を吐くホッケーの手元を見るとなんだか悔しいことに綺麗な丸いトリュフができていた。
「だって思ったよりトリュフづくりって難しいんだよ?頑張ってチョコを丸めてるのに、手にくっついちゃってうまく丸まらないし」
それに比べて次々と出来上がりのトレーに乗っかっていくホッケーのトリュフは綺麗な丸。ず、ずるい…!
「俺は体温が低いからな。手も、とても冷たい」
そう言うホッケーの手に手を伸ばす。うん、言った通りひんやりしてるなぁ…これのおかげ?うらやましい。もうホッケーを見本にしても駄目だなぁ…そうだ!
「ウッキー、そっちはどうどう?」
「えっと、生クリームを鍋に入れて温めるところ…」
おぉ…!なんかまじめにウッキーがチョコづくりしてる。
「えい…!」
「うひゃっ!?あ、明星くんチョコの付いた手で頬に触らないでーっ、ショコラフェスで配るチョコを作ってるんであって遊びじゃないからね?」
「むむ、ウッキーまで真面目ちゃんになるつもり?俺とウッキーはアホコンビとしてデビューしたのに、脱退は許さないぞーっ」
むっとしてウッキーを睨むけど当のウッキーは、えぇ!?と狼狽えてしまう。もうーここはのりに乗るところなのに…!2:2の割合で、真面目人間とアホコンビでバランスとってたのにー。
「お前ら、騒がしいぞー?楽しいのはわかるけど、今はチョコづくりに集中してくれよ。」
やっぱり真面目人間のサリーに怒られて、しののんたちを見習えと促される。Ra*bitsの方はしののんがいるだけあって凄くおいしそうなトリュフがあってついつい食べたくなっちゃう。
もちろんここで食べさせてもらわないわけないよね!しののんはとっても気の利く子だから、みんなにも配り歩いている。
「うん、うまいな!この丸い粒がカリッとしてて、癖になる味だ」
サリーが言ってるのはこのキラキラの…かな?これ食べれるんだ…
「アザランっていうんです。ケーキやアイスクリームのトッピングで使うこともあるんですよ」
「アザランってキラキラしてて綺麗だよねー!よぉし、俺たちもキラキラにトッピングされたトリュフを作っちゃおう!」
ふふん、とやる気が出たところで、Ra*bits側でお手伝いをしていた転校生に止められる。
「デコトリュフは難しいから…やめといた方がいいよ…?チョコが柔らかい間にトッピングとかしちゃうと形崩れちゃったりするし」
トッピングしたかったのに…でも失敗しちゃ元も子もないし…サリーとホッケーに作業に戻るように促されて俺ももう一度綺麗に丸めれるように作業を始める…
「うー、やっぱりできない…!」
「コツと言っても俺はそもそも体温が違うからな…どうにも助言のしようがない…」
「あ、おい、真…焦がすなよ…?」
「あ…!!黒斗さんだー!!」
ウッキーは頬にべったりついたチョコを拭っていたせいか鍋に入れて温め続けていた生クリームの火を黒斗さんが慌てて止める。
「ほっちゃんー!悩み事ならお兄ちゃんに任せなさーい…?」
「げ、蒼空…」
「蒼空さん…?ホッケーより俺が悩んでるから手伝って!」
んー?と首を傾げるのと同時に俺の肩を組む蒼空さん…なんか、テンション高いなぁ?
「あの、黒斗さんたちは何作ってたんですか…?なんか、あの、ここにあっちゃいけないものが黒斗さんたちのキッチンに…」
ウッキーが恐る恐る尋ねながら俺たちの真横でチョコづくりをしていた蒼空ちゃん先輩たちのキッチンの下あたりを指さす。んん?何あの瓶?
「えぇ!?黒斗さんもしかしてあれっ…!」
サリーがぎょっとしたように目を見開くけど普段誰にも寄り付かないし寄り付かせない黒斗さんがにっこりと笑みを作りながらサリーの口を塞ぎ、しー。と一言。うわぁ、もしかしてもしかしなくてもあれって、ウイスキー…?
「いや、ちょっと試しにやってみた。どこまでなら食えるかなって。俺じゃなくて蒼空が…」
「犠牲者!?」
ぎょっとして隣の犠牲者に目をやるも、うん?と状況を理解できていない…駄目だ、完全に酔ってる…。
「いつもより騒々しくなったが、あいつがパッチテストでアルコールに弱かったらしくどれくらいか知りたかったんだよ。だから、ウイスキーボンボンを作っては度数増やして食わせてたら…」
「それ駄目なやつですよ!?っていうかその技術が凄い!!」
くわっと、食い気味で黒斗さんを怒りながら評価しているホッケー。いやここは普通に怒るべきだと思う!!
「多分それ以上食ったらまともに会話できないと思うぞ。」
そんなホッケーの憤りを気にも留めずうんうんと笑顔でそう告げる黒斗さん…。
なんかこの人もテンションおかしくない?作り笑いだとしてもこんな簡単に笑顔ふりまかないよね?
「ねぇもしかして、黒斗さんも食べたんじゃ…」
「え?おー。よくわかったな?俺も蒼空がダウンしてから残ったやつ食った。」
それって、作り始めた中で度数が一番高いやつってことだよね。…何やってんのこの人たち、俺たちより不真面目なのがいたなんて…?
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