イベントストーリー
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「おぉ!ほっしー!どうだったおれたちの歌劇!」
「あ、つっきー、お疲れさま。格好良かったよー。案外まともにできるんだなつっきーも」
「なんだそれ!褒めてるのか!?わははは!ありがとな!!」
終わって早々騒がしいなおめぇら…そう溜め息を吐くと星宮が俺に向かってはっとしたように表情を変える。ん、なんだ?
「くろたんさ、転校生知らない?」
「あぁ…今鉄のところに行っちまったな…なんだ…嬢ちゃんに何か用でもあったのか…」
「んー、まぁ…ちょっと、一喝しなきゃならなくて」
一喝…?嬢ちゃんに何か不満な点でもあるのだろうか…今回のドリフェスか?よく出来てるっつうのに。いやでも裏方の事は細かいところまで見てねぇからもしかしたら何か不良点があったのかもしれない。
「一喝って、どうしたんだよ?」
「…黒斗のこと…。ちょっと面倒なことしてくれてさ。なんか、急に走って黒斗のところに会いに行っちゃって、それで黒斗が発作起こして、」
「おいおい、その言い方はねぇだろうよ。確かにあいつが女嫌いだってのはわかってるがそれで嬢ちゃんを責めるってんならそれなりの事情があるんだろうな?」
星宮は目良のこととなると随分と過保護になる。まぁ…自分が初めて心を開けた相手であり、相方であり、生徒会に殴り込みに行ってまで助けた親友だから、わからなくもない。
「それなりの事情って…くろたんに関係ないだろ。」
「いーや、こうして話半分聞いたのも何かの縁だ。ちょっと俺に話してから行けよ。」
「…黒斗のこと、何か力になりたいんだってさ。あいつ。」
「嬢ちゃんは良い奴だからその気持ちが生まれるのもあたりまえだろうよ」
「でも黒斗はそんなことで、変われるような簡単なもんじゃない。というか…そういう所まで行ったけど、また後退してった。大袈裟にいうなら、俺と知る前…?いや記憶ごとってわけじゃなくて、」
言いたいことはなんとなくわかる。確かに目良は最近俺ですら敵視してるような目を向けてくる。1年の時と違うのは、瀬名しか信じられなかったのが瀬名と星宮、あと遊木の3人に増えたことくらいで、確かに、周りへの態度が一変した。
「まぁ…なんとなくわかるけどよ…それで?」
「そんな黒斗と仲良くなりたいっつうか…まぁ詰まる所そうなりたいんだろうけど。そのために何ができるんだって聞いたら」
プロデューサーとしてできることからやってみます。そう言って星宮の静止も聞かずに走って行ってしまったのだとか…そして、目良と出会ったは良いものの目良はその場でパニックを起こしたと…
「ん?待てよ…?目良はそんなになるまで女が嫌いだったか?あのS1どころか、俺の知るところだと七夕祭、喧嘩祭、一緒に企画、運営してたよな?」
「入院してから…変わったっていうか、強引に引き戻されたって感じ。昔と同じような理由で病院に…あ、いや…」
言いかけて止める星宮に首を傾げる、しかしまぁ、それほどになるまで女が嫌いになってしまったということか…
「ともあれ、なんで嬢ちゃんに一喝なんざするんだ?」
「簡単にいえば、知らない奴がむやみに首突っ込んでこないでよねぇってこと」
星宮がもごもごと言わざるべきか言うべきか悩んでいると横から明らかに刺々しい声色で割り込んでくる瀬名。
「あ…せなたん」
「黒斗は疲れきって隅の椅子で休んでる…っていうか寝ちゃったし?行くならさっさと行っていてよねぇみやくん。」
「おい、」
肩を竦める瀬名に目をやる。声をかければ何、と言いたげに俺を睨む。俺も瀬名の言う知らねぇ奴ってことか…。
「目良について知らねぇ奴の方が多いのにそれはねぇだろ。ならせめて説明したうえで関わるなって一言欲しいところなんだが」
「人の過去を、トラウマを、そうべらべらと喋れるわけないでしょぉ?沢山の人が知ってたって黒斗に得はない。どころか生きづらくなるだけ」
ちらりと気にするように目良に視線をやりながら俺にそう冷たく告げる瀬名…お前も大概過保護だよな…。目良の好かれる性格っつうのは良いが、みんなこうして過保護だとそれもどうかと思ってしまう。ふと視線を移すとそこにすでに星宮はいない。あいつ、ずる賢いことにはすぐ頭が回るようだ。
「なんなんだよ…」
瀬名もふん、といらつきを隠さず目良の隣へと戻っていき、通りすがりに月永に声をかけている。
「黒斗どーしたんだ?」
「疲れてんだからあまり話しかけちゃだめだってば…っと、王様!?」
瀬名の慌てる声に逸らしかけていた視線を向けると俯いている目良の額になぜか口づけをしている月永。あいつもともとおかしいとは思っていたが…
「おいおい、月永何してんだ…」
あまりの奇行に声をかけずにはいられずがしりと月永の肩を掴み目良から引きはがす。
わたわたと慌てて瀬名が目良の顔を覗き込むが幸運なことに寝ていたせいで当の本人はまったく反応がない。
「わはははは!元気の出るまじないだってどっかで聞いたことがあった気がしたんだ!んーどこだっけな?そのまじないも定かじゃないからちょっと試してみた!!あのね!おれはるかたんにしてもらったことがあるけど、元気1000倍になるぞ!!」
「やっぱりお前は、相変わらずだな…」
剣戟!月光浪漫の歌劇::END
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