イベントストーリー
What is your name?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「王様が出るっていうからさぁ…」
「うん、」
「でもちょっと黒斗についてきたこと後悔してる。」
「なんだよそれ。酷い言いようだな」
だって、あの奇行ばかりのあいつの歌劇を見るなんて。せめてKnightsのイメージダウンにならなければいいんだけど…?っていうか、やるなら俺の目の届かないところでしてほしい。あの時お前もいたよな?とか言われたりしたら面倒だし…
「しかしLeaderの運動神経はいいですから、いろいろと為になるかもしれませんね…」
黒斗の隣でかさくんがちょっとウキウキしてるみたい。よくわかんないけどそういう所だけは慕ってるよねぇ…
なるくんは仕事だし、くまくんは面倒だって寝てるし…俺がかさくんの面倒見なきゃいけないし…。まぁ黒斗と2人だけっていうのもあの日以来気まずくて、今日にいたっては助かるんだけど。
「さぁさぁ、お立会い!世にも面白おかしい悲喜劇がはじまるぞー!台本はねっ、おれが書いてるっ。おれは神様に愛された大天才だからな、脚本だってお茶の子さいさいー」
うわ、凄いテンション。いつもだけど、あれはいつも以上かも…。脚本任せられたのがそんなに嬉しかったのかな…本当に任せられたとは思わないけど。
「さてと、俺も本気を出していかないと。クロを倒すまで皇帝さまの首はお預けだなっ…」
そう言った言葉に一番に反応したのは黒斗でぼそりと呟く
「あいつも英智の首狙ってんのか…」
あいつもって何…?他に誰かいるの?この学院ってそんな物騒な人ばかりだっけぇ?
まぁでも首を狙われている当の本人はケロッとしてるけど、あれさらわれてる役だよね…いいの、あんなんで。プロならもっとまじめにやりなよ…
「Leader…格好いいところもあるんですね?」
「まぁ、この学院に入るだけの容姿は持ってるってこと。最近はアイドルは引退してるつもり、とかなんとかばっかり言うけど、なんだかんだああやってステージに立ってるから、面白いよねぇ…」
「そうですね。私もなんだかんだ、まだリーダーにはステージに立っていてほしいですし。そうですよね、目良さん…?」
「ん?ぇあ…そうだな…?」
ぽかんとしていた黒斗は多分何かに夢中になっていた。ステージも十分見ていたけど、それじゃない。あれだけ、ちゃんとライブを見ろとかパフォーマンスを観ないと失礼だとかいう黒斗がよそ見をしてるなんて。
「かさくん、黒斗がどっか行かないかちゃんと見ててねぇ」
ちょうどいいことに黒斗を真ん中にして俺とかさくんが席に座っている。何かあっても気付かぬうちにいなくなってました。ということはない。
「…」
黒斗が何かを見つけて、そして気が気じゃないような状況なら俺も正直歌劇に集中できない。かさくんは…一応伝えたけど、あまり状況は理解できていないみたい…そりゃぁそっか、あまり黒斗にあったことないもんねぇ
「黒斗、どうかした?」
「っ…あ、いや…蒼空が」
「みやくん…?」
なんでみやくんの名前が出てくるんだろう、いやこれは嫉妬じゃなくて単に疑問、として。
「蒼空がいらいらしてる、んだと思う。」
「あっ…やっと見つけました…黒斗先輩…」
「…っ!?」
俺の後ろから急に声がかけられ異常なまでに驚く黒斗。誰?と確認するでもなくその表情にまずいと思った。
「ちょっと、なんであんたがここに…?関係者席にいるんじゃないのぉ?」
「あ、お姉さま?」
「…っざけんなよ…!」
かさくんとは裏腹に黒斗が恐ろしい視線を転校生に向けて今にも殴りそうな勢いで罵倒する。幸い、俺の席は一番端で、通路に面している。考えてる暇もなく黒斗の手を引き急いで講堂を出た。いったいなんで?転校生もそれなりに女が嫌いって知ってるはず、それにハロウィンの事も耳に入ってるはずなのに…
「黒斗、落ち着いて…というか、落ち着ける?」
「うるさい黙ってろ。」
こういう時の黒斗はキレた時のあやくんと一緒。いや、もともと同じだったんだから根っこは今も変わらない。講堂沿いの廊下の壁に思い切り拳をぶつける黒斗。今回はキレちゃったか…なんて溜め息を吐きながら落ち着くのを待つ。怯えたら怯えたで困るけど、結局黒斗自身が落ち着いてくれるまでやさしく声をかけてあげたりしかできない。
「あー、くっそ、遅かった!」
後ろからはみやくんの声が聞こえて驚いて振り返ると、せなたんがいてくれてよかったと心底安堵した様子。
「ちょっとぉ…経緯を説明して。」
「言われなくてもするよ…あー、だからあの子苦手なんだよ。考える前にすぐ行動に移すのはプロデューサーとして大事な根性だと思うけど…そんな浅はかな問題じゃないのに…」
「だから、どういう意味?」
「黒斗のこと、懲りずに聞かれたんだよ。これから、もっと仲良くなりたいんだってさ。けど、お前に黒斗を変えられる、というか、捻じ曲げる力があるのって聞いたら、プロデューサーとして何とかして見せますって…」
「殺す。」
ぼそりと呟いた黒斗に俺もみやくんも慌てて黒斗を取り押さえた。
NEXT::